いとこ煮とは? わかりやすく解説

いとこ‐に【従弟煮】

読み方:いとこに

小豆牛蒡(ごぼう)・カボチャなどを、堅いものから順に入れ醤油味噌で味をつけた煮物おいおい(甥々)めいめい(姪々)に煮るという洒落(しゃれ)から、また、野菜ばかりを煮るところからの名という。


いとこ煮

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/23 08:26 UTC 版)

いとこ煮(いとこに)は、日本各地に伝わる郷土料理で、小豆などを煮た料理である。地域により材料、調理法などに差異がある。表記は、いとこ煮のほか、漢字表記として従兄弟煮従子煮従弟煮最濃煑[1]および倭毒護煮がある[WEB 1]。類似した料理として、いとこ汁いとこねり御座煮(ござに)[2]などがある。食べる時期としては報恩講の日が多いものの、冬至に食べたり、日常のおかずとして作られる場合も多い[3]


注釈

  1. ^ 松下幸子(1996)は事始めのほか、2月8日の事納めにも御事汁を食べたとする[5]。中村幸平(2004)は、いとこ煮を12月8日と2月8日に食べたとする[6]
  2. ^ 石崎直義(1976)は、親鸞の命日を「お七昼夜さまの御満座の日」と表現しており、東本願寺派は11月28日、西本願寺派は1月であるとしている[4]
  3. ^ 『日本国語大辞典』では東春日井郡とする[1]
  4. ^ 当地で作られるのものは「いとこ汁」と称される。材料は小豆・ナス・カボチャであり、醤油と味噌で味付けする[31]
  5. ^ 野﨑洋光・成瀬宇平(2015)では、釈迦入寂したとされる旧暦12月28日に作られる精進料理で、大量に作り多くの人に振る舞うとしている[35]

出典

  1. ^ 相模原市立橋本図書館 (2010年6月22日). “「いとこに」という料理があるが、一般的には「従兄弟煮」だが「倭毒護煮」(借りた本に書いてあった。)とはどのように違うのか?”. 2021年10月10日閲覧。
  2. ^ “県内 ご当地味覚 いとこ煮”. 山形新聞. (2010年9月28日). http://yamagata-np.jp/feature/mikaku/kj_20100928.php 2018年2月22日閲覧。 
  3. ^ 郷土料理レシピ・いとこ煮 (PDF) - 山形県グリーンツーリズム推進協議会
  4. ^ 奈良の食文化研究会「カボチャのいとこねり」『出会い 大和の味』奈良新聞社、2007年7月1日。ISBN 978-4-88856-065-8http://nara-shokubunka.jp/yamato/15-12.html 
  5. ^ コトバンク デジタル大辞泉プラス おいとこ煮”. 2021年10月9日閲覧。
  6. ^ いとこ煮 (萩を味わう) (PDF) - 一般社団法人山口県物産協会
  1. ^ a b c d 小学館国語辞典編集部 2000.
  2. ^ 小原哲二郎(監修) & 細谷憲政(監修) 1997, p. 383.
  3. ^ a b c 本間伸夫 2010, p. 26.
  4. ^ a b 石崎直義 1976, p. 59.
  5. ^ a b c 松下幸子 1996, p. 116.
  6. ^ a b c 中村幸平 2004, p. 66.
  7. ^ a b 小原哲二郎(監修) & 細谷憲政(監修) 1997, p. 99.
  8. ^ a b c 龍崎英子(監修) 2009, p. 163.
  9. ^ a b 本山荻舟 2012, p. 100.
  10. ^ 松下幸子 1996, p. 117.
  11. ^ a b 山口女子短期大学食物科.
  12. ^ 本山荻舟 2012, p. 218.
  13. ^ a b 「日本の食生活全集 高知」編集委員会 1986, p. 72.
  14. ^ 清水桂一 2012, p. 17.
  15. ^ 「日本の食生活全集 栃木」編集委員会 1988, p. 179.
  16. ^ 「日本の食生活全集 栃木」編集委員会 1988, pp. 178–179.
  17. ^ 「日本の食生活全集 東京」編集委員会 1988, p. 297.
  18. ^ 「日本の食生活全集 神奈川」編集委員会 1992, p. 108.
  19. ^ 本間伸夫 2010, p. 27.
  20. ^ a b 『いっしょに作ろう!新潟の味ふるさとなるほどレシピ』新潟市農林水産部食と花の推進課、10頁。 
  21. ^ 『伝えたいにいがたの味』新潟市農林水産部食育・花育センター、2015年3月、11頁。 
  22. ^ a b c 龍崎英子(監修) 2009, p. 88.
  23. ^ 青木悦子 2013, p. 219.
  24. ^ 「日本の食生活全集 福井」編集委員会 1987, p. 245.
  25. ^ 農山漁村文化協会 2004, p. 302.
  26. ^ 野本寛一 2011, p. 39.
  27. ^ 野本寛一 2011, p. 305.
  28. ^ a b 日本の食生活全集愛知編集委員会 1989, p. 107.
  29. ^ 八開村史編さん委員会・八開村史調査編集委員会 1994, p. 245.
  30. ^ 「日本の食生活全集 三重」編集委員会 1987, p. 59.
  31. ^ 野﨑洋光 & 成瀬宇平 2015, p. 187.
  32. ^ 「日本の食生活全集京都」編集委員会 1985, p. 314.
  33. ^ 農山漁村文化協会 2002, p. 219.
  34. ^ 冨岡典子 2005.
  35. ^ 野﨑洋光 & 成瀬宇平 2015, p. 253.
  36. ^ 「日本の食生活全集 広島」編集委員会 1987, p. 135.
  37. ^ 「日本の食生活全集山口」編集委員会 1989, p. 304.
  38. ^ 龍崎英子(監修) 2009, p. 304.
  39. ^ a b 「日本の食生活全集 福岡」編集委員会 1987, p. 102.
  40. ^ a b 「日本の食生活全集 大分」編集委員会 1992, p. 220.
  41. ^ 「日本の食生活全集 大分」編集委員会 1992, p. 78.


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