「私家版」と「不二書房版」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 00:20 UTC 版)
「ロストワールド (漫画)」の記事における「「私家版」と「不二書房版」」の解説
前述のとおり、手塚が少年時代に執筆した「私家版」は後に商業出版として公刊されており、これを「不二書房版」と比較することで作者・手塚治虫の変遷を見ることができる。両版の大きな違いとしては「主人公の年齢(私家版では青年、不二書房版では少年)」「流血シーン(私家版には多く見られる)」「恋愛描写(不二書房版では、義兄妹としての間接的表現にとどまる)」などの点がある。これらの差異を生み出した原因としては、第1にアマチュア少年とプロ漫画家の差、第2に戦中と戦後という執筆された時代から来る「ゆとり」の差、第3には手塚の目指した「大人漫画」と、不二書房版の「子供漫画」の差が挙げられる。たとえば、主人公たる敷島博士を少年とする変更や、直接的な恋愛描写を避ける改訂は第3、私家版の流血シーンや悪役ランプの国籍などは第2に由来するといえる。手塚自身も、流血描写について「当時の殺伐とした雰囲気」の影響を指摘している。
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