TOI-700 e
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/27 06:56 UTC 版)
発見
TOI-700系には、2020年にTOI-700 b、TOI-700 c、TOI-700 dの3つの太陽系外惑星の存在が確認されていた。
2021年11月19日、4番目となる未知の太陽系外惑星候補がTESSによるトランジット法を用いた観測で検出され「TOI-700.04」としてTESS object of interestの惑星候補として追加された。
なお、TOI-700.04のトランジット信号は最初、2021年7月31日にThreshold Crossing Event(TCE)として検出されていた[2]。TOI-700.04の公転周期は約27.8日であり、TOI-700 dよりも主星に近い距離を公転しているとされた[2][4]。その後、TESSの観測データとフォローアップ観測を利用して、TOI-700.04が惑星であることが2023年に確認された。これによりこの惑星候補には「TOI-700 e」という名称が与えられ、この確認を示す論文はarXivにて2023年1月9日に公表された[2]。
TOI-700 eのトランジットはTOI-700 dのトランジットよりもかなり弱かったため、他の3つの惑星と同時期に発見されず、特定にはTESSによる1年の更なる観測(2020年ごろから開始された拡張ミッションによる観測)を要した。仮にTOI-700 eがもっと主星に近い軌道を公転していたり、サイズが大きかったりすれば、最初のTESSによる観測で発見されていた可能性があったとされる[5]。
特徴
地球 | TOI-700 e |
---|---|
TOI-700 eの大きさは地球の約95%で、地球型惑星である可能性が高いとされており、質量は約0.845地球質量であると予測されている。
約27.8日の公転周期を持っており、主星から0.1340天文単位離れた位置を公転している。これにより、TOI-700 eは楽観的なハビタブルゾーン内を公転しており、地球の1.27倍の日射量を受けていることが判明している。
また、自転と公転の同期が発生している可能性がある。なお、2020年に発見されたTOI-700 dがハビタブルゾーン内に存在することがわかっているため、eの発見によりTOI-700系にはハビタブルゾーン内を公転する惑星が2個存在することが判明した(また、これらはいずれも地球型惑星であるとされる)。
ただし、TOI-700 eは楽観的なハビタブルゾーン内に位置しているが、TOI-700 dは保守的なハビタブルゾーン内に位置している[2]。これは、TOI-700 eに液体の水と大気が存在する可能性はあると言われているが、保守的なハビタブルゾーン内に位置するTOI-700 dより可能性が低いことを示している[6]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b “TESS Discovers Second Earth-Sized Planet in Habitable Zone of TOI-700”. SCI NEWS. 2023年1月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “A Second Earth-Sized Planet in the Habitable Zone of the M Dwarf, TOI-700”. arXiv. 2023年1月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “Results for UCAC3 49-21611”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2022年1月13日閲覧。
- ^ a b “TESS Project Candidates”. NASA Exoplanet Archive. 2023年1月12日閲覧。
- ^ “NASA Planet Hunter Discovers Second Habitable, Earth-Size World in TOI 700 System”. SciTechDaily. 2023年1月12日閲覧。
- ^ “Is There Life on TOI 700 e? NASA Discovers a New Planet That Could Be Habitable”. The Latch. 2023年1月12日閲覧。
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