LUPIN the Third -峰不二子という女-
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/09 13:49 UTC 版)
概要
テレビアニメ『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』の放送開始40周年を記念した本作は、シリーズ初の深夜アニメとして制作された。スピンオフ作品では唯一の連続テレビアニメシリーズ[3]であり、タイトルは「LUPIN the Third」と表記。
本作では峰不二子に重点を置き、ルパン、次元、五ェ門、銭形警部ら5人の若いころ(時系列上はTV第1シリーズ・第1話以前が該当)の活躍を描いている。深夜アニメであるため、原作版をリスペクトした前衛的かつエロティシズムに溢れたアダルトテイストの作風となっており、従来の作品では少なかった乳首の露出も多い。ルパン達のキャラクターデザインも原作に近いリアルタッチの風貌で描かれている。ルパン三世のテレビシリーズでは初めて、原作漫画の「♂マークと♀マークを絡ませた濡れ場表現」が登場している[4]。本作で確立されたハードかつアダルトな作風は後年の劇場用作品『LUPIN THE IIIRD』シリーズにも引き継がれている。
プロデューサーの浄園祐によると、本作の設定は最初の原作漫画が連載された「1960年代後半から1970年代前半」をイメージしているとのこと[5]。ストーリーも従来のテレビシリーズに見られる1話(もしくは前後編)完結とも異なり、1クールのエピソードでストーリーを構成するテレビドラマに近いものをとっており、全13回は歴代テレビシリーズ最短である。ルパンファミリーの若いころの出会いは、既にテレビスペシャル第14作『ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト』でも描かれてはいたが、この時はあくまでルパンの回想として「どこまでが真実で、どこからが虚構か」を曖昧にされていたのに対し、本作は過去の回想ではなくルパンたちの若かった当時を舞台にしたエピソードとして、第1話からスタートしている。
前述の通り峰不二子が主人公のため、『ルパン三世』のアニメシリーズでは初めてルパンが登場しないエピソードが登場し、『TV第1シリーズ』第20話「ニセルパンを捕まえろ!」以来40年ぶりとなる次元が登場しないエピソードも描かれた。本作でメインキャラクター5人が全員登場するエピソードは第12話・第13話のみとなっている。
前年のテレビスペシャル『ルパン三世 血の刻印 〜永遠のMermaid〜』で一新されたキャスティングでのテレビシリーズであり、1995年からルパン役を引き継いだ栗田貫一も連続テレビアニメシリーズとしては初となる[6]。その一方、メインスタッフも『ルパン三世 風魔一族の陰謀』以来の刷新が行われ、大野雄二もテレビシリーズでは初降板となった他、シリーズでは初の女性監督が起用された。
本作のアイキャッチは毎回異なり、エピソードに準じたイラストが登場する。
『ルパン三世officialマガジン』12春号には、第1話が早川ナオヤの作画による漫画版として掲載された。早川の作品は、その作品ごとにキャラクターの容姿まで忠実に再現したものであり、本作もその流れに沿っている。コミカライズ版は、ルパンと不二子には既に面識があることや、冷酷非情な人物として描かれている銭形もコミックリリーフ的な役割になっているなどキャラクターの設定がテレビスペシャル版や『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』以降の設定を受け継いだものになっている。
2012年12月に第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞[7]。
2012年9月19日、DVD版とBlu-ray版が発売された[8]。
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