ESB Mule ESB Muleの概要

ESB Mule

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 14:42 UTC 版)

IBM WebSphereのような多くの商用ESB(エンタープライズ・サービス・バス)と以下の点が異なる:

  1. ESB Muleは、開発者が修正・拡張できるコンポーネント集である。ただし、配布されているダウンロード・ファイルには標準で多くのコンポーネントが同梱されている他に開発者コミュニティが充実しているために、標準のコンポーネントを使って多くのシステムを連携することができる。
  2. ESB MuleはWebサービス/SOAPを前提にしておらずfile://, FTP, HTTP (REST), JMS, SMTP等を使うことが可能である。連携はグラフィカルエディタMule Studioを利用して記述するか、Javaやスクリプト言語を使用して記述する。
  3. 修正及び拡張できる、多くのアプリケーション連携用のクラスが公開されている。未対応な機能を要する場合は、提供されているクラスを修正/拡張して開発することができる。全てを独自で開発するよりも、提供される部品を修正/拡張することで、開発コストを削減し、開発期間を短縮する。なお、実績ある標準クラスを使うことで、テスト期間を短縮し、信頼性を向上する。
  4. ピア・ツ・ピア構成が可能。1台のサーバ構成も可能であるが、システムの信頼性と性能を重視する場合はサーバ毎にESB Mule用のライブラリをインストールする構成が可能である。無償のコミュニティ版では、サーバ数による価格費用は発生しない。
  5. ESB MuleをSOA的な開発で使うことは可能だが、SOAを前提としない。また、ESB Muleを使ったからSOAということにはならない。
  6. ESB Muleにはファイル, データベース, 業務アプリケーションと連携するプロバイダが提供されているために、DSP(データ・サービス・プロバイダ)として利用することも可能である。

SOA(Service Oriented Architecture)やROA(Resource Oriented Architecture)の基盤として使う他に、Hulftのようなシステム間のデータ連携ツールの簡易版として使うこともできる。アプリケーション連携用としてSAPSalesforceSugarCRM、SWIFT、SMTP、POP3等のアダプタも提供されている他に、メッセージの分割・結合、データ暗号・解読、データ構造変換などの標準コンポーネントも提供されている。ファイル転送の起動も、ディレクトリのポーリング、トリガー、スケジューリングなどで行うように設定できる。

MuleSoft社からは無償とコミュニティ版と有償のエンタープライズ版が提供されている。コミュニティ版としてESB Muleとサービス・構成リポジトリ/レジストリMule Galaxyが公開されている。エンタープライズ版にはMuleを一括管理するための管理コンソールMule Management Consoleが同梱されているが、一般の小中規模システムであればコミュニティ版で十分利用することができる。 高性能・軽量であり、豊富なプロトコル・アダプタを提供しているために、海外ではWalmart.com,Leap Frogや金融業界での豊富な実績がある。




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