CEN/XFS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 15:08 UTC 版)
名称の由来
“CEN”は欧州標準化委員会(CEN)が規格策定の場を提供していることを示し、“XFS”は“eXtensions for Financial Services”の略である。
元々がWOSA(Windows Open Services Architecture)の金融サービス向け拡張規格であったことから、今でも“WOSA/XFS”と呼称する場合もある。
実質的な事務作業はCENから各産業分野の情報通信技術に係る部分を分割した“CEN/ISSS (Information Society Standardisation System)”が行っている。ベンダや規制当局から消費者団体に至る全ての利害関係者が参加できる会合“Workshop”での成果をまとめた“CEN Workshop Agreement”(CWA)の積み重ねが重要視されており、一部は暫定規格として一般公開・頒布される。このことから一部のベンダでは「標準化機関“CEN/ISSS XFS Workshop”」と説明している[3]が、正確とはいえない。CENから承認を得ることで正式なCEN規格に認定される道もあるが、当規格は暫定規格という緩い拘束のまま、多数の金融機関が要求仕様に当該CWA準拠を組込んだことにより事実上欧州での標準規格となっている。
年表
- 1991年 - マイクロソフトが“Banking Solutions Vendor Council”を設置
- 1992年 - マイクロソフトが、同社製OS・Windowsにデータベースアクセス、メッセージングや電話回線接続等の標準APIを用意し、アプリケーションソフトから利用できるようにする構想、「WOSA」(Windows Open Services Architecture)を発表。以後
- 1995年 - WOSA/XFS 1.11 リリース。日本WOSA/XFS協議会により、日本仕様第1版もリリース[2]。
- 1997年 - WOSA/XFS 2.0 リリース。24時間無人運用対応を追加
- 1998年 - 欧州標準化委員会が規格策定に参加。
- 2000年 - XFS 3.0 リリース
- 2007年 - 日本WOSA/XFS協議会解散
- 2008年 - XFS 3.10 リリース
- 2011年 - XFS 3.20 リリース
関連項目
- J/XFS - Javaで金融・流通業界特有の端末を制御できるようにするAPI群及びSPI群の規格。SPI部分はCEN/XFSの規定を流用している。
- Xpeak - アプリケーション間の通信にXMLを使用し、金融・流通業界特有の端末を制御できるようにすることを当初の目的として考案された規格。
- ^ 極端に言えば、取り扱う媒体毎のユニット単位で異なるベンダを採用することも可能である。
- ^ a b 峯岸毅『証券ATMにおける新技術の適用について』野村総合研究所「システム・マンスリー」1999年4月号 p.11,2013-08-29T00:00JST閲覧。
- ^ “金融機関向け「ATM次世代ソフトウェアソリューション」の提供を開始”. 株式会社日立製作所/日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社. (2008年7月28日)
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