CEN/XFS 概要

CEN/XFS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 15:08 UTC 版)

概要

策定作業開始当時、ATMをはじめとした業務端末はベンダごとに独自のアーキテクチャで開発されており、その上位層であるソフトウェアもそのベンダ・世代・機種との結びつきが強い造りとなっていた。 そこでマイクロソフトは、汎用OS・Windowsのアーキテクチャで開発することでソフトウェアとハードウェアの結びつきを弱め、ソフトウェア部分の開発及びソフトウェア資産の再利用を容易化し、ひいてはWindowsの利用拡大を目論んだのである。この構想が「WOSA」(Windows Open Services Architecture)である。“WOSA”は途中で産業別に拡張機能を提供する方向に転換し、金融機関向けの拡張が“WOSA/XFS”と呼ばれるようになった。“WOSA”はC言語で実装されたWin32 API群で、“WOSA/XFS”も同様である。“WOSA/XFS”は後に正式名称を“XFS”と変更し、現在に至っている。

当規格の標準化により、ベンダごとにアーキテクチャが異なっていた場合に加え、Windows OSで構築した機器においてミドルウェアのAPIがベンダ毎に異なっていた為に生じていた、アプリケーションソフトウェアのベンダロックインからユーザが解放され、機器ベンダを問わず[1]に使用できるアプリケーションソフトウェアを開発・使用することができるようになった。

しかしながら、周辺機器の細部制御においては個々独自の制御(パラメータやアプリケーション)が必要であったり、アプリケーションソフトウェアの制御がミドルウェア依存になっている場合があるなど[2]、当規格が網羅が完璧でない部分もある。 また、異種プラットフォームやミドルウェアで実行すると規格の範囲内ではあるものの、しばしば解釈・動作に差異が生じており、場合によっては改修作業が必要となっている。故に完全な互換性は担保されていないとも言える。

なお、日本国内の主要ATM及び通貨処理機メーカーは、ほぼ全ての金融関連製品で本規格(旧版を含め)を活用している。


  1. ^ 極端に言えば、取り扱う媒体毎のユニット単位で異なるベンダを採用することも可能である。
  2. ^ a b 峯岸毅『証券ATMにおける新技術の適用について』野村総合研究所「システム・マンスリー」1999年4月号 p.11,2013-08-29T00:00JST閲覧。
  3. ^ “金融機関向け「ATM次世代ソフトウェアソリューション」の提供を開始”. 株式会社日立製作所/日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社. (2008年7月28日). http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2008/07/0728.html 





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