1958年ポルトガルグランプリ 1958年ポルトガルグランプリの概要

1958年ポルトガルグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 09:47 UTC 版)

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 1958年ポルトガルグランプリ
レース詳細
1958年F1世界選手権全11戦の第9戦
日程 1958年8月24日
正式名称 VII Portuguese Grand Prix
開催地 ボアビスタ・サーキット
ポルトガル ポルト
コース 市街地コース
コース長 7.4 km (4.625 mi)
レース距離 50周 370 km (231.25 mi)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー ヴァンウォール
タイム 2:34.21
ファステストラップ
ドライバー マイク・ホーソーン フェラーリ
タイム 2:32.37
決勝順位
優勝 ヴァンウォール
2位 フェラーリ
3位 ヴァンウォール

レース概要

F1世界選手権に初めて組み込まれたポルトガルグランプリは、港町ポルトの市街地を走るロードコースで行われた[1]

レースはチャンピオンを争うスターリング・モスマイク・ホーソーンの激しいトップ争いで始まったが、ホーソーンはドラムブレーキがフェード気味になったため後退を余儀なくされた。首位のモスはホーソーン以外の全車を周回遅れにするほど好調で、レース後半には1周遅れになったチームメイトのスチュアート・ルイス=エヴァンズを自身のスリップストリームに入れて引っ張ってやるほどだった。モスはホーソーンも周回遅れにして、ルイス=エヴァンズにホーソーンを抜き去らせチャンピオン争いを有利に持ち込もうとしたが、ホーソーンが周回遅れになる前にレースは終了した。チェッカーフラッグを受けたモスは、コース脇でスピンした後コースに戻ろうともがいているホーソーンを目撃した。ホーソーンがコースへ復帰する際に逆走したのではないかという疑惑が浮上すると、モスは「コース外での出来事だった」と証言してホーソーンを擁護した。5分12秒75の大差[2]を付けられ辛うじて同一周回の2位でフィニッシュしたホーソーンは貴重な7点(2位の6点とファステストラップの1点)を獲得し、モスに4点差まで迫られたがポイントランキング首位をキープした[1]

エントリーリスト

No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2 スターリング・モス ヴァンダーヴェル・プロダクツ・リミテッド ヴァンウォール VW5 ヴァンウォール 254 2.5L L4 D
4 トニー・ブルックス
6 スチュアート・ルイス=エヴァンズ
8 ジャン・ベーラ オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P25 BRM P25 2.5L L4 D
10 ハリー・シェル
12 モーリス・トランティニアン RRCウォーカー・レーシングチーム クーパー T43 クライマックス FPF 2.0L L4 D
14 ジャック・ブラバム クーパー・カー・カンパニー クーパー T45 クライマックス FPF 2.2L L4 D
16 ロイ・サルヴァドーリ クライマックス FPF 2.0L L4
18 クリフ・アリソン 1 スクーデリア・セントロ・スッド マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 D
チーム・ロータス ロータス 16 クライマックス FPF 2.0L L4
20 グラハム・ヒル クライマックス FPF 2.2L L4
22 ヴォルフガング・フォン・トリップス スクーデリア・フェラーリ フェラーリ 246 フェラーリ Tipo143 2.4L V6 E
24 マイク・ホーソーン
26 フィル・ヒル 2
28 キャロル・シェルビー テンプル・ビューエル マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
30 マリア・テレーザ・デ・フィリッピス マリア・テレーザ・デ・フィリッピス
スクーデリア・セントロ・スッド 3
マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
32 ヨアキム・ボニエ ヨアキム・ボニエ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
34 カジミロ・デ・オリヴェイラ 2 カジミロ・デ・オリヴェイラ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
ソース:[3]
追記
  • ^1 - アリソンはロータス・16をフリー走行で壊したため、スクーデリア・セントロ・スッドが保有していたマセラティ・250Fの予備車を使用した[4]
  • ^2 - エントリーしたが出場せず
  • ^3 - デ・フィリッピスは自身のマセラティ・250Fを壊したため、スクーデリア・セントロ・スッドのトロイ・ラットマンが使う予定だったマセラティ・250Fを使用した[5]

結果

予選

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 2 スターリング・モス ヴァンウォール 2:34.21
2 24 マイク・ホーソーン フェラーリ 2:34.26 + 0.05
3 6 スチュアート・ルイス=エヴァンズ ヴァンウォール 2:34.60 + 0.39
4 8 ジャン・ベーラ BRM 2:34.99 + 0.78
5 4 トニー・ブルックス ヴァンウォール 2:35.96 + 1.75
6 22 ヴォルフガング・フォン・トリップス フェラーリ 2:37.04 + 2.83
7 10 ハリー・シェル BRM 2:37.05 + 2.84
8 14 ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 2:37.46 + 3.25
9 12 モーリス・トランティニアン クーパー-クライマックス 2:37.97 + 3.76
10 28 キャロル・シェルビー マセラティ 2:40.40 + 6.19
11 16 ロイ・サルヴァドーリ クーパー-クライマックス 2:43.03 + 8.82
12 20 グラハム・ヒル ロータス-クライマックス 2:46.22 + 12.01
13 18 クリフ・アリソン マセラティ 2:46.27 + 12.06
14 32 ヨアキム・ボニエ マセラティ 2:46.60 + 12.39
15 30 マリア・テレーザ・デ・フィリッピス マセラティ 3:01.95 + 27.74
ソース:[6]

決勝

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 2 スターリング・モス ヴァンウォール 50 2:11:27.80 1 8
2 24 マイク・ホーソーン フェラーリ 50 + 5:12.75 2 7 1
3 6 スチュアート・ルイス=エヴァンズ ヴァンウォール 49 + 1 Lap 3 4
4 8 ジャン・ベーラ BRM 49 + 1 Lap 4 3
5 22 ヴォルフガング・フォン・トリップス フェラーリ 49 + 1 Lap 6 2
6 10 ハリー・シェル BRM 49 + 1 Lap 7
7 14 ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 48 + 2 Laps 8
8 12 モーリス・トランティニアン クーパー-クライマックス 48 + 2 Laps 9
9 16 ロイ・サルヴァドーリ クーパー-クライマックス 46 + 4 Laps 11
Ret 28 キャロル・シェルビー マセラティ 47 ブレーキ 10
Ret 4 トニー・ブルックス ヴァンウォール 37 スピンオフ 5
Ret 20 グラハム・ヒル ロータス-クライマックス 25 スピンオフ 12
Ret 18 クリフ・アリソン マセラティ 15 エンジン 13
Ret 32 ヨアキム・ボニエ マセラティ 9 負傷 14
Ret 30 マリア・テレーザ・デ・フィリッピス マセラティ 6 エンジン 15
ソース:[7]
追記

  1. ^ a b (林信次 1999, p. 60)
  2. ^ 2017年現在、F1で同一周回における最大タイム差となっている。
  3. ^ Portugal 1958 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年2月10日閲覧。
  4. ^ (en) Paul Parker, Formula 1 in camera 1950-59, Haynes Publishing,‎ , 240 p. (ISBN 978-1-84425-553-5)
  5. ^ Gérard Crombac, 50 ans de formule 1 - Les années Clark, Editions E-T-A-I,‎ , 271 p. (ISBN 2-7268-8464-4)
  6. ^ Portugal 1958 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年2月10日閲覧。
  7. ^ 1958 Portuguese Grand Prix”. formula1.com. 2014年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月16日閲覧。


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