雲形 雲形の概要

雲形

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 01:51 UTC 版)

すじ雲(巻雲)

世界気象機関発行の『国際雲図帳』では雲をその大まかな形から10の「類」に分類しており、これを十種雲形十種雲級)と呼ぶ。それぞれの類は、形の特徴や雲塊の組成などからさらに「種」に分類される。また、雲塊の配列、雲の透明度による細分類は「変種」と呼ばれる。さらに、部分的な特徴や、付随する雲がある場合には「副変種」として記される。また、地形などによって発生する雲は、十種雲形には含まれていない。

分類の適用や排他性(重複分類の有無)は以下の通り。

  • 絶えず変化し無数の形がある雲を、観測される典型的な形により分類したものが類・種・変種の体系。典型から典型へと変化する途中の中間的な雲はよく観察されるが、分類体系と大きく異なるわけではなくすぐに形を変えてしまうため、特に明記していない。非典型的なものを除いて、ほとんどの雲は類(十種雲形)に分類できる[1][2]
  • それぞれの類の雲は、ほとんどがいずれかの種に分類できる。基本的にひとつの種に分類する。ただし、2種以上に重複して分類する場合もある。また、どの種にも分類できないものもあって、その場合は種を示さない(類のみで表す)[2][3]
  • 種に重ねて、変種の分類が適用できる場合がある。一部を除き2変種以上に重複して分類できる場合がある。すべての雲がいずれかの変種に該当するわけではない[4]
  • 副変種は、一部の雲に現れることがある特徴や付随する雲を分類したもの[5][6]
  • 類・種・変種の体系とは別に、特殊な起源の雲Special clouds、成層圏以上の雲Upper atmospheric cloudsの分類も示されている[1]

注釈

  1. ^ 列記した種・変種・副変種は上から頻度の高い順に並んでいる。

日本語訳に関する注釈

  1. ^ a b c d e f 波頭雲はとううんなどの案がある
  2. ^ a b c d 穴あき雲などの案がある
  3. ^ a b c ロール雲などの案がある
  4. ^ a b c 荒底雲こうていうんなどの案がある
  5. ^ a b 壁雲などの案がある
  6. ^ a b 尻尾雲などの案がある
  7. ^ a b 流入帯雲りゅうにゅうたいうんなどの案がある
  8. ^ Special cloudsの日本語訳未確定
  9. ^ 熱対流雲などの案がある
  10. ^ 人為起源雲などの案がある
  11. ^ 飛行機由来巻雲などの案がある
  12. ^ 飛行機由来変異雲などの案がある
  13. ^ しぶき雲などの案がある
  14. ^ 森林蒸散雲などの案がある

出典

  1. ^ a b Principles of cloud classification”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月27日閲覧。
  2. ^ a b Definitions of clouds > Genera”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月27日閲覧。
  3. ^ Definitions of clouds > Species”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月27日閲覧。
  4. ^ a b Definitions of clouds > Varieties”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月27日閲覧。
  5. ^ a b Definitions of clouds > Supplementary features”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月27日閲覧。
  6. ^ a b Definitions of clouds > Accessory Clouds”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月27日閲覧。
  7. ^ a b Cloud classification summary”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  8. ^ a b 村井昭夫、鵜山義晃『新・雲のカタログ 空がわかる全種分類図鑑』草思社、2022年 ISBN 9784794225672
  9. ^ 十種雲形 高さと形で決まる10種類の雲の名前 - ウェザーニュースなど
  10. ^ Floccus”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  11. ^ Volutus”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  12. ^ Cavum”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  13. ^ Fluctus”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  14. ^ Asperitas”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  15. ^ Murus”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  16. ^ Cauda”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  17. ^ Flumen”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  18. ^ Special clouds”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  19. ^ Flammagenitus”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  20. ^ Aircraft condensation trails”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  21. ^ Homogenitus”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  22. ^ Homomutatus”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  23. ^ Cataractagenitus”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  24. ^ Silvagenitus”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月24日閲覧。
  25. ^ Upper atmospheric clouds”. ICA. WMO (2017年). 2023年2月27日閲覧。






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