長久手市文化の家 概要

長久手市文化の家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 10:46 UTC 版)

概要

文化の家とは、20世紀の中頃フランスで起こった地方からの文化発信運動「文化の家運動」に因んだもので、市民全体の家となってほしい、我が家と感じるような親しみの深い施設になってほしいという願いも込められている[1]

設立経緯

1991年4月3日に、長久手町文化の家の設備建設事業の実施が決定された。1994年4月1日に総務部に文化会館建設事務局が設置され、7月2日に長久手町文化施設建設構想委員会が設置された[6]。1994年12月に「長久手町文化施設基本構想についての報告書」が出され、名称が長久手町文化の家(仮称)と公表された[7]

建築

建物は建築家の香山壽夫(香山壽夫建築研究所)が設計[1]。館内には森のホール、風のホール、光のホールの3つのホールがあり、演劇やコンサート、美術展や映像鑑賞会に使用されている。このほか、アートリビング施設(芸術文化空間)や、会議室、レストランなどを備えた総合施設となっており、第8回愛知まちなみ建築賞に選出されている[1]

施設

地上3階、地下2階建て。駐車場:屋内117台、屋外183台[8][9]

森のホール

固定席384 - 717席[注釈 1](車椅子対応6席)

舞台が見やすいよう馬蹄形となっており、舞台と客席の一部が可動式で、舞台公演、式典、集会など幅広く対応可能。(楽屋1 - 9併設)

風のホール

298席(車椅子対応6席)

主に演劇、舞台対応のホールだが、プロセニアムアーチの後ろに可動式の音響反射板を利用した場合、客席数は194席になるが、小規模コンサートやピアノ発表会などの利用も可能(楽屋A - D併設)。

緞帳のデザインは、愛知県立芸術大学の学内コンペで最優秀に選ばれた台湾からの留学生の作品[10]

アートリビング

部屋名 概要
光のホール 200インチのスクリーンと小さい舞台があり、座席には小さなテーブルがあるので、映像芸術鑑賞やシンポジウムなどの利用に適している
  • 82席(車椅子対応2席)
展示室 森のホール・風のホールに隣接した平土間のギャラリー
舞踊室 鏡や更衣室を備えた練習室
音楽室 グランドピアノあり
小音楽室 アップライトピアノあり
食文化室 調理設備と試食のスペースあり
美術室 絵画、彫刻、染色などが出来るアトリエ
多目的室 簡易な防音が施されており、弦・木管楽器の練習室としての利用も可能
講義室1、2 ホワイトボードや簡易スクリーンもあり、20 - 30人の講義に適している
  • 講義室:22名
  • 講義室2:32名
会議室1 - 5 小人数の会議に適している
会議室2と3は可動間仕切りで1室として利用できる
  • 会議室1:12名
  • 会議室2:12名
  • 会議室3:8名
  • 会議室4:4名
  • 会議室5:4名
和室1(6畳)、2(8畳) 8畳間と6畳間の2間続きの和室で、前室があり、8畳間には炉が設置できる
暗室 写真の現像ができる作業室
音楽スタジオ 軽音楽のための音楽練習室

代表的な主催事業

おんぱく

2004年から断続的に行われている長久手市文化の家の自主事業。長久手市の街づくりを目的とし、文化の家だけにとどまらず、まちなかコンサートや様々なワークショップなどを経て、市民が音楽に触れ合える機会を創設している。また、市民参加と大学連携による協力体制で実施されており、文化の家の職員だけではなく、創造スタッフや演奏等に関わった主要アーティストが主体的な役割を示す[12]

劇王

文化の家風のホールにて開催される「上演時間20分、役者3名以内、数分で舞台転換可能」という条件のもとで上演される短編演劇連続上演イベント。観客とゲスト審査員の投票により優勝者が決定される、劇作家の名誉を賭けた壮大なる闘い。2003年に文化の家から始まり、現在は全国各地にて開催されている[13]

ながくてアートフェスティバル

アートをきっかけに人と人とをつなぎ、まちをアート一色で盛り上げるイベント。文化の家だけにとどまらず、長久手市内の各所にてアート作品の展示や体験型ワークショップを開催している[14][15]


注釈

  1. ^ 開館当初は最大819席あった。
  2. ^ 藤が丘または名鉄バスセンターより乗車。

出典

  1. ^ a b c d 第8回愛知まちなみ建築賞”. 愛知県. 2018年3月28日閲覧。
  2. ^ 愛知)県立芸大OBがワンコインコンサート 2月6日に」『朝日新聞』、2020年1月28日。2020年4月5日閲覧。
  3. ^ a b c 理念・あゆみ”. 長久手市文化の家. 2018年3月28日閲覧。
  4. ^ 長久手市文化の家. コトバンクより2018年3月28日閲覧
  5. ^ 長久手市文化の家運営体制について”. 長久手市文化の家. 2023年12月11日閲覧。
  6. ^ 長久手町文化の家『長久手町文化の家(仮称)建設のためのハード面の基本的整備概要』長久手町、1995年10月1日、参考(1)-(3)頁。 
  7. ^ 長久手町文化施設建設構想委員会『長久手町文化施設基本構想についての報告書』長久手町、1995年12月21日、2頁。 
  8. ^ 『利用のご案内』長久手市文化の家。 
  9. ^ 長久手市文化の家 貸館案内”. 長久手市文化の家 (2023年12月11日). 2023年12月11日閲覧。
  10. ^ 「ユニークなデザインのどんちょう」『長久手町文化の家情報誌』第3巻、11頁。 
  11. ^ 『文化の家パンフレット』長久手市文化の家、14頁。 
  12. ^ 長久手市文化の家『おんぱく2014〜音のテーマパーク「踊れ、オンガク!」事業調査報告書』長久手市文化の家、2015年、9頁。 
  13. ^ 劇王Ⅴ(公演チラシ)(2008年2月2日(土)、3日(日))
  14. ^ 長久手市文化の家『ながくてアートフェスティバル2021事業報告書』長久手市文化の家。 
  15. ^ ながくてアートフェスティバル2023オフィシャルサイト”. 長久手市文化の家. 2023年12月11日閲覧。
  16. ^ 長久手市『長久手市文化芸術マスタープラン』長久手市、2018年、15頁。 
  17. ^ a b 創造スタッフ”. 長久手市文化の家. 2023年12月11日閲覧。
  18. ^ a b 湯原悦子、石川貴憲 編『長久手市文化の家 福祉事業報告書 2018・2019年度』(レポート)長久手市文化の家、2019年3月27日、9頁https://bunkanoie.jp/archives/3100 
  19. ^ 伊藤ちさと「児童の感性と演奏家育む」『中日新聞』、2023年3月5日。
  20. ^ a b c d 長久手市文化の家 編『年報‘21 Annual Report of Nagakute Cultural Center−令和3年度長久手市文化の家−』(レポート)長久手市、2022年、48頁https://bunkanoie.jp/archives/4216 
  21. ^ 長久手市文化の家フレンズ”. 長久手市文化の家. 2023年12月11日閲覧。
  22. ^ 長久手市『長久手市文化芸術マスタープラン』長久手市、2018年3月、44頁。 
  23. ^ 長久手市合唱団ニューセンチュリーコーラスNagakute”. 長久手市文化の家. 2023年12月11日閲覧。
  24. ^ 長久手市劇団 座☆NAGAKUTE”. 長久手市文化の家. 2023年12月11日閲覧。
  25. ^ シネマ倶楽部”. 長久手市文化の家. 2023年12月11日閲覧。
  26. ^ 長久手応援ソング”. 長久手市文化の家 (2023年12月11日). 2023年12月11日閲覧。
  27. ^ えんとゆかり第8回 佃典彦」『長久手市文化の家情報誌「ハレとケ」』第16巻、10頁。 
  28. ^ 愛知県立芸術大学との包括連携協定”. 長久手市. 2023年12月11日閲覧。
  29. ^ 長久手市『平成25年大学連携事業 活動報告』長久手市、2014年。 
  30. ^ 西川侑里「長久手市文化の家2000年から毎年任用 県芸大生実践積みスキルアップ」『中日新聞』、2020年4月11日、14面。
  31. ^ 魔界補佐官ブラックトミーの文化芸術研修 第1話「音楽ってなんだ!? サックス ってなんだ?」”. 長久手市文化の家 (2020年5月25日). 2023年12月11日閲覧。





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