重鉄騎 兵器としての鉄騎

重鉄騎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/11 19:47 UTC 版)

兵器としての鉄騎

半導体消失以後の「アジアの大国」が製造した二足歩行戦車。Vertical Tank(VT)とも。

データサイド後の戦争は人口拡大に不可欠な農地を巡る争いとなり、土地への被害を避ける為文明崩壊前の市街地や鉱山地域を戦場とする局地戦が中心となった。そして、それらの障害物や高低差の多い複雑な地形に適応した局地陸戦兵器として鉄騎が開発された。

特徴である二足歩行システムは高い不整地走破性を有するだけでなく、車高や車角を変更する事で入り組んだ地形でも柔軟な火砲運用を可能とし、局地戦において旧来の兵器に対し高い優位性を有している。

半導体に頼らない(電子装備関連は真空管を使用)旧来の兵器とともに活用され、第三次大戦におけるユーラシア大陸への侵攻に大きく貢献している。その後、アジアの大国以外の各国でも鉄騎が作られるようになった。

通常の戦車同様に対物並びに歩兵に驚異的な性能を誇る。ただし、歩兵による上部ハッチからの直接攻撃や、対物ライフル、対戦車ロケット、地雷、IEDなど対鉄騎以外にも逆に脅威となるものも存在するため、歩兵に対して「絶対的」に強いというわけでもない。

また、コンピューターを使えない為あらゆる動作をマニュアル操縦で行わなければならず、操縦士の育成が極めて難しいという問題点もある。

アメリカ軍の鉄騎

主に避弾経始を重視した曲線的な形状をしており、砲の小口径化と引き換えに携帯弾数を増加させている。国連軍の鉄騎と比較すると性能は劣るが機械信頼性や生産性は高く、アメリカ軍の高い生産能力に物を言わせた物量作戦を得意としている。

M5 クォントリル
アメリカ軍の主力鉄騎。列強の鉄騎と比較すると武装・装甲共に貧弱であるが、無線機やベリスコープなどは高い品質を保っている。良好な整備性による稼働率の高さや新兵でも扱える高い操縦性などから、機械的な信頼性は高い。また、被弾時に炎上しにくく、脱出しやすい生存性を重視した設計となっている。
スペック
  • 全長×全幅×全高:5164(車体長4581)mm×6068mm×4843(膠着時3155)mm
  • 総重量:32.3t
  • 走行速度:69.8km/h
  • 歩行速度:27.6km/h
  • 行動距離:151km
  • エンジン:星型空冷9気筒ガソリン
  • 武装:76.2mmM1砲×1、7.62mmM1919機関銃×1
  • 砲塔装甲厚(防盾×側後方)::88.9mm×63.5mm
  • 車体装甲厚(前面×側後方):63.5mm×38.1mm、
  • 乗員:3名
M7 スウィフト
アメリカ軍の中型鉄騎。強力になった国連軍鉄騎にM5では対抗できなくなった事から開発された。M5より一回り大型の機体で、従来の鉄騎と比較すると大幅に防御性能が向上している。また、後の改良や追加装備の増設に対応するために機体設計に余裕が持たされており、後のM7B1やM7B1Vの開発に役立ったものと思われる。
スペック
  • 武装:50口径90mmカノン砲、20mm機関砲
  • 乗員:4名
M7B1 スウィフト2
M7をベースとした改良型鉄騎。M7の副砲が撤去され、副砲があったスペースに敵重鉄騎から捕獲した大口径砲を新たに装備している。砲の威力は高いが、携帯弾数が少ないのが欠点。
スペック
  • 武装:51口径120mm榴弾砲、50口径90mmカノン砲
  • 乗員:4名
M7B1V タキプレウス
M7B1の武装と装甲を更に強化し、総合性能を大きく向上させた鉄騎。装甲が純粋に強化された他、車体や脚部には成形炸薬弾対策として、スペースドアーマー(空間装甲)が採用されている。また、武装面でもM7B1の物に加えて、対歩兵・非装甲車両用の機関銃2丁が新たに装備された。
スペック
  • 全長×全幅×全高:11430(車体長8443)mm×8361mm×4958(膠着時2703)mm
  • 総重量:61t
  • 走行速度:60〜70km/h
  • 歩行速度:40km/h
  • 行動距離:161km
  • エンジン:V型液冷8気筒ガソリン
  • 武装:50口径90mmM3砲×1、50口径120mm砲×1、12.7mm機関銃×1、7.7mm機関銃×1
  • 砲塔装甲厚(防盾・前面×側後方):165.1mm×114.3mm
  • 車体装甲厚(前面×側後方):114.3mm×88.9mm
  • 乗員:4名

国連軍の鉄騎

主に国連として併合されたドイツ系の技術が使用されている。単純な重装甲化によって防御力を強化している為、直線的な形状をしている。武装も火力を重視した大口径砲を装備しており、携帯弾数は少ない。基本性能は高いが機体重量や生産コストの高さなどの問題があるため、路外機動性や稼動率などの機械的信頼性は低い。

六二式軽鉄騎
七一式以前に対鉄騎自走砲として開発された小型鉄騎。防衛戦を主眼とした設計の機体であり、車体と砲塔が一体化した固定式戦闘室を有している。20年以上前に開発された機体だが、運用コストが高い大・中型鉄騎を補完するために、今なお第一線で運用が続けられている。
スペック
  • 全長×全幅×全高:9270(車体長5760)mm×4830mm×4770(膠着時2770)mm
  • 総重量:47.75t
  • 走行速度:69.8km/h
  • 歩行速度:27.6km/h
  • 行動距離:177km
  • エンジン:V型8気筒ガソリン×1(機体)、直列4気筒ガソリン×2(脚部)
  • 武装:75mmPak39L/48砲、7.92mmMG34機関銃×1
  • 砲塔装甲厚(防盾×側後方):180mm×80mm
  • 車体装甲厚(前面×側後方×上下面):60mm×20mm×15mm
  • 乗員:3名
七一式鉄騎
国連軍の主力鉄騎。対鉄騎戦闘を主眼とした機体で、強力な武装と装甲を有している。光学・電気機器なども優秀な物を装備しており、高い戦闘能力を誇るが、メカニズムが複雑なため保守・整備性が低く、国連軍製鉄騎共通の問題点であるコストの高さも相まって、稼動率は低い。
スペック
  • 全長×全幅×全高:11686(車体長8227)mm×6332mm×5287(膠着時3132)mm
  • 総重量:57t
  • 走行速度:69.8km/h
  • 歩行速度:34.6km/h
  • 行動距離:100km
  • エンジン:V型8気筒ガソリン×2(機体)、直列4気筒ガソリン×2(脚部)
  • 武装:88mmKwK43L/71砲×1、7.92mmMG34機関銃×2
  • 砲塔装甲厚(防盾×側後方):180mm×80mm
  • 車体装甲厚(前面×側後方×上下面):150mm×80mm×40mm
  • 乗員:4名
重鉄騎
国連軍所有の大型鉄騎。HVT(Heavy Vertical Tank)とも呼ばれる。
七一式鉄騎が小型に錯覚する程巨大で、重厚な外観そのままに堅牢な装甲を持ち、大口径主砲やロケット弾、迫撃砲、対人機銃等多数の兵装を搭載している。
特筆すべき点としてシリコンカビ汚染下でも稼働するコンピューターを搭載しており、これにより操縦士1人で運用が可能。完全自動化された弾道計算や自動装填システム、姿勢制御機能は速度・精度共に人力の従来型鉄騎を遥かに上回り、単騎でも小隊規模の鉄騎部隊を一方的に蹂躙してのける絶大な戦闘能力を有している。
後に故障車両が鹵獲され、コンピューターの中枢に脳改造を施された人間が生体電子パーツとして組み込まれている事が判明する。製造には捕虜や占領地から拉致された民間人が用いられ、重鉄騎だけでなく通信施設や弾道ミサイルの地上管制にも用いられていた。
スペック
  • 全長×全幅×全高:16.6m(車体長13.0)m×11.5m×8.0m
  • 武装:120mm51口径砲、20mm機関砲×2、12.7mm自動機銃、6連装ロケットランチャー、迫撃砲、クレイモア(散弾地雷)
  • 乗員:1名
チェン・ウェン機
ストーリー後半に登場するカスタム機。主砲を両側面に搭載する専用の戦闘室へ換装し、背部の六連装ロケットランチャーを大型ロケット弾4発に換装し絶大な瞬間火力を有する。
生体電子パーツの安定性から重鉄騎のカスタマイズは継戦能力を度外視する傾向にあり、彼以外にも同様のカスタマイズを施した機体が登場している。
マオ・リー機
マオ・リー大佐が搭乗する黒いカスタム機。機体そのものは通常型だが、背部へ六連装ロケットランチャーを2基、機体左側面へ大型ロケット弾2発を増設。
更にエンジンを大出力のガスタービンエンジンへ換装し、彼の極めて高い操縦能力と電子制御のサポートにより尋常でない機動性を発揮する。

ロシア軍の鉄騎

母国の厳しい自然環境に対応するために、路外機動性や機械的信頼性を最優先にしている。歩兵支援用の大口径榴弾砲を装備しているが、装填速度・携帯弾数ともに低性能。アメリカ軍機と比較すると装甲は厚いが居住性は劣悪である。

SU-105(СУ-105)
ロシア軍の主力鉄騎。主砲の榴弾砲は敵陣地やソフトスキンに対しては効果的だが、短射程で低伸性に劣る。成形炸薬弾を用いる事によって対鉄騎戦闘も可能。型式番号の「СУ」はロシア語の「サムホードネア・ウスタノーフカ(自走砲)」の略である。
スペック
  • 全長×全幅×全高:10950(車体長6750)mm×3320mm×6278(膠着時3240)mm
  • 総重量:52t
  • 走行速度:69.1km/h
  • 歩行速度:39.6km/h
  • 行動距離:180km
  • エンジン:V型液冷12気筒ディーゼルV-2K×2
  • 武装:20口径152mmM10砲×1、AZP-23 23mm機関砲×1、7.62mm車載機関銃DT×1
  • 砲塔装甲厚(前面×側面×後方):110mm×85mm×40mm
  • 車体装甲厚(前面×側後方×上面):85mm×60mm×33mm
  • 乗員:4名

  1. ^ 『ファミ通ゲーム白書2013 補完データ編(分冊版)』エンターブレイン、2013年。 
  2. ^ Rubens, Alex (2012年6月25日). “Steel Battalion: Heavy Armor Review”. G4TV. http://www.g4tv.com/games/xbox-360/64506/steel-battalion-heavy-armor/review/index.html 2012年7月4日閲覧。 
  3. ^ 「重鉄騎」トレイラーをポーランドで撮影する本格ぶり


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