都道府県労働局 人事

都道府県労働局

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 22:31 UTC 版)

人事

概要

職員の人事は、労働基準系統、職業安定系統、雇用均等系統の3部門でそれぞれ行われており、これまでは、部門間での人事交流はほとんど行われていなかったが、近年、組織改革の一環として、系統間の人事交流が進められている。

職員の意識にも差があり、一般的には、労働基準系統の職員は取締機関の意識が強く、職業安定系統の職員はサービス機関の意識が高い。このため情報を共有する機会も少なく、相互の信頼関係も希薄とされてきたが、近年、労働局の設置による系統間での交流の増加により連携が進みつつある。

  • 労働基準系統の職員には、労働基準監督官試験に合格して採用された労働基準監督官、国家公務員II・III種試験に合格して採用された厚生労働事務官・厚生労働技官がある。労働基準監督官と厚生労働事務官・厚生労働技官とでは昇進・昇任の速さに相当の差があり、労働基準監督官のみが労働基準監督署長に就任できる扱いとなっている(ただし、一定の要件の下、厚生労働事務官でも労働基準監督署長になることができる政令監督官制度がある。)。また、国家公務員II種合格者に対する人事上の扱いは宙ぶらりんな形になっており、労働局課長・労働基準監督署長に相当する役職の割り当て枠は労働保険徴収課(室)長、賃金課(室)長のみであるところが多いが、近年では労災補償課長などへも登用されてきている(あとは、労働基準監督官等に割り当てられる)。
  • 職業安定系統の職員は、国家公務員II・III種試験に合格して採用された厚生労働事務官のみである。昇任の速さは労働基準系統の厚生労働事務官・厚生労働技官と基本的に同じであるが、全員が公共職業安定所長に就任できるわけではないので、徐々に昇進・昇任の速さに差を付けて、将来の所長候補を選別している。
  • 雇用均等系統の職員は、国家公務員II種試験に合格して採用された厚生労働事務官のみであり、女性職員の比率が圧倒的に多い。昇任の速さは労働基準系統や職業安定系統の厚生労働事務官・厚生労働技官と基本的に同じである。人事管理は職員数が少ないことから厚生労働省の本省で一括して行われており、都道府県の枠を越えた広域異動が義務付けられている。

役職者(部や課・出先所長級の幹部職員)の人事

  • 都道府県労働局長は労働基準監督官をもって充てるとされているが、労働基準監督官試験による採用者(生え抜き)しか局長に昇進できない、ということではない。むしろ実際にはそれ以外の試験で採用された厚生労働省キャリアノンキャリアが就任することがほとんどであり、その場合は労働基準監督官に任ぜられた上で局長職に就く。なぜなら、労働局は労働基準監督以外にも、職業安定業務等も所掌しているため、労働基準監督署のように、生え抜きの労働基準監督官が長になる必要性が低いためである。
  • 大規模な労働局の局長は指定職3号(東京労働局長のみ)または2号であり、その他の労働局では厚生労働省の課長~室長級(10~7級)のキャリアまたはノンキャリアが局長となる。
  • 労働局の部長には厚生労働省の本省筆頭課長補佐~室長級(6~7級程度)のキャリア、あるいはノンキャリアが就任する。職業安定系統の部長には各都道府県労働局の地元職員を登用することもある。
  • 労働局の雇用均等室長は部内では部長相当職とされてはいるが、下部機関を持たず、均等室の組織規模は基準系統、安定系統における課相当である。
  • 労働局の課・室長は厚生労働省の本省課長補佐級(5~6級程度)のキャリア、ノンキャリアが就任するほか、各都道府県労働局の地元職員のうち労働基準監督署長級、公共安定職業所長級の職員が登用される。



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