賭博 歴史

賭博

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/06 06:57 UTC 版)

歴史

賭博の起源としては、吉凶を偶然に託す占い[46]、正邪の判断を神に託す裁判神判[47]、そして神に捧げるための競技[48]の3つが源流であると考えられている。賭博は自らの所有物や財産を賭して勝負をし、勝てば利益を得て相手の賭けたものを自らの私有物とすることによって成立するため、個々人が私有財産を所持するようになり、原初的な私有財産制が成立してはじめて開始されたと考えられている[49]

日本では、689年には持統天皇によって雙六(盤双六)賭博禁止令が出されたとの記述が日本書紀に存在し[50]、以後頻繁に時の政権によって賭博禁止令は出されていた。『古事記』にも、秋山之下氷壮夫(あきやまのしたひおとこ)が、春山之霞壮夫(はるやまのかすみおとこ)に伊豆志八前大神(兵庫県豊岡市出石)の娘の伊豆志袁登売神(いずしおとめのかみ)との結婚の成否で賭けを申込み、兄弟の母神が賭けを申し出た秋山命を懲らしめる話がある。賭博禁止は明治政府もこれを継続した。1884年(明治17年)1月4日、賭博犯処分規則が定められた(太政官布告)。第二次世界大戦後には相次いで公営ギャンブルが認可され、隆盛を迎えた。一方でこれまで私的に行われていた伝統的な賭博は衰退し、私的賭博でもパチンコ麻雀といった新たなゲームが主流となった[51]

その他

賭博、とくにサイコロ賭博の勝敗に関する考察は、どのような目がどのくらいの率で出てくるか、すなわち確率という考え方につながっていった。16世紀半ばにはイタリアのジェロラモ・カルダーノがサイコロの出目に関して初歩的な確率の計算を行い、17世紀にはサイコロ賭博に関する相談を受けたブレーズ・パスカルピエール・ド・フェルマーと往復書簡を交わし、この中で理論としての確率論が誕生した[52]

関連作品

映画

ギャンブルをテーマにした映画アクション映画の一種として扱われることがある。

テレビドラマ

書籍

小説

  • 賭博者』、フョードル・ドストエフスキー、1866年

ライトノベル

  • バクト!』、海冬レイジ、富士見ミステリー文庫、2005年 - 2006年
  • ノーゲーム・ノーライフ』、榎宮祐、MF文庫J、2012年 - 、漫画・アニメ作品あり
  • 『ギャンブルビート 博打代行』、鬼霧宗作、双葉社、2013年
  • 賭博師は祈らない』、周藤蓮、電撃文庫、2017年 ‐ 2019年

漫画

ギャンブルをテーマにした漫画福本伸行がギャンブル漫画の第一人者とされる。バトル・アクションの要素が取り込まれることがある。

アニメ

ミュージカル


注釈

  1. ^ サイコロを投げてその目の出方に掛ける競技であるが、サイコロを投げる役であるシューターがプレイヤーに回り、シューターも他の役と同様に掛けることが出来るため、賭事と博戯が混在している。
  2. ^ 投資商品の中でも、当たれば巨額の利益が得られるが、相場の値下がりなどによる投資額の損失リスクが高いもの。
  3. ^ この場合の引換券は「ゲームカード」と言われ、当てれば粗品がもらえるカードの意。

出典

  1. ^ a b 広辞苑第六版「賭博」
  2. ^ 「賭博1」(ものと人間の文化史40-1)p64-66 増川宏一 法政大学出版局 1980年6月20日初版第1刷
  3. ^ 「賭博1」(ものと人間の文化史40-1)p45 増川宏一 法政大学出版局 1980年6月20日初版第1刷
  4. ^ 「カジノ産業の本質 社会経済的コストと可能性の分析」p94 ダグラス・M・ウォーカー 佐々木一彰・仁木一彦監訳 山田美明・田畑あや子・岡本由香子訳 日経BP社 2015年6月15日第1版第1刷発行
  5. ^ a b 大谷實『新版刑法講義各論[追補版]』(成文堂、2002年)533頁
  6. ^ 呉智英『言葉につける薬』(双葉社1994年 ISBN 4-575-28339-8 )93頁「ばくち打ちは二度ばくちを打つ」より
  7. ^ 「合百賭博に手入れ 女もまじえた一味二十二名検挙」『日本経済新聞』昭和24年6月23日2面
  8. ^ 「ニワトリの動物学」(アニマルサイエンス5)p20 岡本新 東京大学出版会 2001年11月6日初版
  9. ^ 「スポーツの世界地図」p104-105 Alan Tomlinson著 阿部生雄・寺島善一・森川貞夫監訳 丸善出版 平成24年5月30日
  10. ^ a b c 「宝くじ問題検討会報告書 平成22年11月 宝くじ問題検討会」 (PDF) 日本国総務省 2020年2月19日閲覧
  11. ^ 「宝くじの文化史 ギャンブルが変えた世界史」p16-17 ゲイリー・ヒックス著 高橋知子訳 原書房 2011年11月10日第1刷
  12. ^ 「アジア各地に外国人専用カジノ、恩恵と損失の狭間で政府苦肉の策」 AFPBB 2013年1月29日 2020年2月18日閲覧
  13. ^ 武宏, 慎. “高級クラブ嬢から借金、税金滞納、闇カジノでバカラ賭博、そして…イチローとWBC決勝で名勝負を演じた林昌勇(46)の転落人生”. 文春オンライン. 2023年2月22日閲覧。
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  15. ^ 「賭博3」(ものと人間の文化史40-3)p337-338 増川宏一 法政大学出版局 1983年10月5日初版第1刷発行
  16. ^ 「宝くじ問題検討会報告書 平成22年11月 宝くじ問題検討会」 (PDF) 日本国総務省 2020年2月18日閲覧
  17. ^ 「公営競技の文化経済学」(文化経済学ライブラリー1)p21 佐々木晃彦 芙蓉書房出版 1999年3月31日第1刷
  18. ^ 「公営競技の文化経済学」(文化経済学ライブラリー1)p28 佐々木晃彦 芙蓉書房出版 1999年3月31日第1刷
  19. ^ 「公営競技の文化経済学」(文化経済学ライブラリー1)p34 佐々木晃彦 芙蓉書房出版 1999年3月31日第1刷
  20. ^ a b c 「スポーツの世界地図」p104 Alan Tomlinson著 阿部生雄・寺島善一・森川貞夫監訳 丸善出版 平成24年5月30日
  21. ^ a b c 「米、全州でスポーツ賭博解禁へ 最高裁が判断」 AFPBB 2018年5月15日 2020年2月18日閲覧
  22. ^ 「本物のカジノへ行こう!」p88-89 松井政就 文藝春秋 2016年3月20日第1刷
  23. ^ 「本物のカジノへ行こう!」p92-94 松井政就 文藝春秋 2016年3月20日第1刷
  24. ^ 「宝くじ・公営競技・サッカーくじの実効還元率 資料3」 (PDF) 日本国総務省 2020年2月18日閲覧
  25. ^ 「宝くじの文化史 ギャンブルが変えた世界史」p13-14 ゲイリー・ヒックス著 高橋知子訳 原書房 2011年11月10日第1刷
  26. ^ a b 「カジノ産業の本質 社会経済的コストと可能性の分析」p20 ダグラス・M・ウォーカー 佐々木一彰・仁木一彦監訳 山田美明・田畑あや子・岡本由香子訳 日経BP社 2015年6月15日第1版第1刷発行
  27. ^ 「【IR法成立】「観光立国の実現の第一歩」高まる経済効果への期待」 産経新聞 2016年12月15日 2019年12月22日閲覧
  28. ^ a b 「本物のカジノへ行こう!」p90 松井政就 文藝春秋 2016年3月20日第1刷
  29. ^ a b 増子保志, 「マカオカジノ産業における構造変化 -転換点としての対外開放-」 日本国際情報学会 『国際情報研究』13巻 1号 2016年12月25日発行, p.26-36, 2020年2月18日閲覧。
  30. ^ 「本物のカジノへ行こう!」p84 松井政就 文藝春秋 2016年3月20日第1刷
  31. ^ a b c d 「カジノ産業の本質 社会経済的コストと可能性の分析」p19 ダグラス・M・ウォーカー 佐々木一彰・仁木一彦監訳 山田美明・田畑あや子・岡本由香子訳 日経BP社 2015年6月15日第1版第1刷発行
  32. ^ 「本物のカジノへ行こう!」p20 松井政就 文藝春秋 2016年3月20日第1刷
  33. ^ a b 「韓国カジノ産業の動向」p62 柳匡勳 (観光文化224号 January 2015) (PDF) 公益財団法人日本交通公社 2020年2月18日閲覧
  34. ^ スロット禁止「思わぬ効果」 コロナ感染防止、依存症が緩和―オーストラリア”. 時事通信社 (2020年4月28日). 2020年4月29日閲覧。
  35. ^ 「カジノ産業の本質 社会経済的コストと可能性の分析」p238-245 ダグラス・M・ウォーカー 佐々木一彰・仁木一彦監訳 山田美明・田畑あや子・岡本由香子訳 日経BP社 2015年6月15日第1版第1刷発行
  36. ^ 「本物のカジノへ行こう!」p53 松井政就 文藝春秋 2016年3月20日第1刷
  37. ^ 「スポーツ賭博解禁に揺れるアメリカ、野球界には根強い抵抗」 冷泉彰彦 ニューズウィーク日本版 2018年05月31日 2020年2月18日閲覧
  38. ^ Blau, Benjamin M.; Whitby, Ryan J. (2020-09-01). “Gambling activity and stock price volatility: A cross-country analysis” (英語). Journal of Behavioral and Experimental Finance 27: 100338. doi:10.1016/j.jbef.2020.100338. ISSN 2214-6350. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2214635019302965. 
  39. ^ アメリカ精神医学会『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』578-582頁 「物質関連障害および嗜癖性障害群 - 非物質関連障害群 - ギャンブル障害」。日本語版用語監修:日本精神神経学会、監訳:高橋三郎・大野裕、訳:染矢俊幸・神庭重信・尾崎紀夫・三村將・村井俊哉。、医学書院、2014年6月15日。ISBN 978-4260019071 
  40. ^ WHO『ICD-10 精神および行動の障害-臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)』221-222頁「F63 習慣および衝動の障害」 監訳・融道男・中根允文・小見山実・岡崎祐士・大久保善朗。、医学書院、2005年11月15日。ISBN 978-4260001335 
  41. ^ a b c d ジョナサン・ウルフ 『「正しい政策」がないならどうすべきか:政策のための哲学』 大澤津・原田健二郎訳 勁草書房 2017年 第2刷 ISBN 9784326154401 pp.56-60.
  42. ^ イスラーム契約のシャリーア(イスラーム法)適合性 - 平成30年度土木学会 小林潔司会長情報発信プロジェクト 基礎知識 08_2018.10 月版
  43. ^ a b c d e f 『イスラーム世界がよくわかるQ&A100』/第6章 Q82:カフェでトランプをしているようですが、お金を賭けているのでしょうか。 - AA研
  44. ^ ギャンブル”. 2018年5月14日閲覧。
  45. ^ The Unofficial Site of the Iglesia ni Cristo”. 2019年4月17日閲覧。
  46. ^ 「賭博1」(ものと人間の文化史40-1)p108 増川宏一 法政大学出版局 1980年6月20日初版第1刷
  47. ^ 「賭博1」(ものと人間の文化史40-1)p124 増川宏一 法政大学出版局 1980年6月20日初版第1刷
  48. ^ 「賭博1」(ものと人間の文化史40-1)p138 増川宏一 法政大学出版局 1980年6月20日初版第1刷
  49. ^ 「賭博1」(ものと人間の文化史40-1)p49-50 増川宏一 法政大学出版局 1980年6月20日初版第1刷
  50. ^ 「賭博3」(ものと人間の文化史40-3)p5 増川宏一 法政大学出版局 1983年10月5日初版第1刷発行
  51. ^ 「賭博3」(ものと人間の文化史40-3)p339-340 増川宏一 法政大学出版局 1983年10月5日初版第1刷発行
  52. ^ 「歴史と統計学 人・時代・思想」p94 竹内啓 日本経済新聞出版社 2018年7月25日第1刷






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