裁判所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/09 08:52 UTC 版)
オーストラリアの裁判所
オーストラリアでは憲法(1901年制定)によって連邦政府と諸州からなる連邦制度が確立された[9]。
連邦と州のそれぞれで立法、 行政、司法の三権に分かれており、連邦の法律と州、準州、特別地域の法律とが矛盾しているときは連邦の法律が優先する[9]。
連邦と各州の司法機関は独立して法の解釈と適用を行っている[9]。
連邦裁判所
- オーストラリア連邦高等裁判所 (High Court of Australia)
- オーストラリア連邦高等裁判所は、法律の合憲性など連邦にとって特に重要な事件に対する判決を下し、連邦、州、準州、特別地域からさらに上訴のあった事件を審理する[9]。オーストラリア連邦高等裁判所は、首席裁判官 (Chief Justice) と6人の判事で組織され、審理は単独または合同で行う[9]。連邦と州のどちらの裁判権に属するものでも上告できる最上級の裁判所である[9]。
- オーストラリア連邦裁判所 (Federal Court of Australia)
- オーストラリア連邦裁判所は、連邦の法律や一部略式の刑事事件から発生したほぼすべての民事事件を扱う[9]。オーストラリア連邦裁判所は、連邦裁判所や連邦微罪裁判所(家族法に関係のない事件)で一人制の法廷での判決や、州や準州、特別地域などの法廷の一部の判決に対して上告があった事件を管轄する[9]。
- オーストラリア家庭裁判所 (Family Court of Australia)
- オーストラリア家庭裁判所は、家族法に関する事件の上級裁判所である[9]。家族法を扱う専門の判事や職員が紛争解決の援助を行う。国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(国際的児童誘拐に関するハーグ条約)などに関する事件も扱っている[9]。
- オーストラリア連邦微罪(下級)裁判所 (Federal Magistrates Court of Australia)
- オーストラリア連邦微罪(下級)裁判所は、1999年に連邦議会によって設立された裁判所で、主に家庭裁判所や連邦裁判所の扱う事件に関する下級裁判所である[9]。
州・準州・特別地域の裁判所
オーストラリアでは州法等に関する裁判を行うため州や準州、特別地域のそれぞれに司法権があり独立した裁判所の制度がある[9]。この法廷では各区域内で発生する大半の刑事事件が処理される[9]。また、連邦法に関する事件でも一部は連邦議会から委譲されており司法権がある[9]。
すべての州や準州には州や準州レベルでの最高裁判所が設置されており、一部の州には刑事事件の上告法廷が設置がされている[9]。これらの下級裁判所として地方裁判所や郡裁判所が設置されている[9]。また特に軽微な犯罪に関しては、治安判事が裁判を行う地方あるいは治安判事法廷(または微罪法廷)という下級法廷で扱われている[9]。
行政控訴裁判所
行政控訴裁判所は、連邦政府司法長官が管轄する独立の機関で広範な行政決定に対する真価の再評価を行う[9]。行政控訴裁判所は400を超える法律や立法文書に基づいて行政機関が行った決定について再検討を行う司法権を有する[9]。
- ^ a b c 新堂幸司 1991, p. 81.
- ^ a b c 中武靖夫 1987, p. 14.
- ^ 新堂幸司 1991, p. 82.
- ^ 裁判所法第3条第1項
- ^ a b c d 渋谷秀樹 & 赤坂正 2016, p. 97.
- ^ a b c モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所 2006, p. 6.
- ^ a b c d e f g モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所 2006, p. 9.
- ^ a b c モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所 2006, p. 10.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 司法制度(オーストラリア) (PDF) 在日オーストラリア大使館 2019年3月23日閲覧
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