自動倉庫 具体例

自動倉庫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/24 03:52 UTC 版)

具体例

Amazonの場合

Amazonの場合(Amazonの倉庫は、さまざまな方式が導入されており、倉庫ごとに方式が異なっているが)「Amazon 川崎 フルフィルメントセンター(FC)」では、2016年12月から「Amazon Robotics(アマゾン ロボティクス)」(略してAR)というシステムを導入しており、これは商品を保管している四角い棚(縦に背が高く、細身の、いわば「ノッポ」な形の棚)が非常に多数あり、それを「ドライブ」という自走式ロボットによって動かすものである[3]。「ドライブ」は、形状としては家庭用掃除ロボットのルンバを大型化したような形をしており、秒速1.7mほどで動くものである[3]。この「ドライブ」が、棚の下にもぐりこんで、下から棚を持ち上げて、移動するのである。ドライブはARエリアの床に埋め込まれたバーコードを読み取ることで、位置を把握しながらエリア内を行き交う[3]

ざっくり言うと、スタッフたちが立ち作業をするためのエリア(コンピュータ画面およびその前にスタッフの立ち位置が指定されたひとまとまりが、いくつもならぶエリア)と、ノッポな棚ばかり大量に集められている収納エリアとに分かれている。 ARシステムは、非常に多数の棚ひとつひとつのどの位置に何が収められているか、データベースによって記憶している。

棚入れ
  1. ある商品がフルフィルメントセンターに届く(入荷する)
  2. 待機するスタッフの前に一つの棚が自動的に運ばれてくる[3]。ARシステムが多くの棚の中で空きがあるものを選び、その棚をスタッフの目の前に運ばせるために多数あるドライブの中から1台を選ぶ。そのドライブが該当の棚の現在位置まで移動しその下に潜り込んで棚を持ち上げ、その状態でスタッフの前まで自動的に運んでくる。
  3. 「棚に収納する」と言っても、商品のサイズや重さによって棚の中に適した位置があり、スタッフに適切な位置を指示しなくてはならない。そのためARシステムは保管すべき商品のサイズや重さに適した収納位置を、スタッフの目の前に設置されたディスプレイ上に青く表示する。
  4. スタッフは、入荷した商品の情報を目の前の端末にバーコードや手入力などで登録し、画面で指示された棚内の位置に商品を詰める。詰める作業を終えたことをシステムに伝えると、ARシステムはドライブに命令を出し、ドライブが棚を自動的に収納スペースへと運んでゆき、適当な空いている場所に棚を下ろす。棚が置かれた場所もデータベースに記憶される。
棚出し(商品ピックアップ作業)
  1. 客から注文が入る。
  2. 注文が入った商品が保管されている棚が検索され、効率的なルートを通ってスタッフの前に運ばれてくる[3]
  3. 棚がスタッフの前に到着すると、ディスプレイ上に棚のどの位置にあるどの商品を取り出すべきか表示される[3]。スタッフは手作業で棚からその商品を取り出し(ピックアップし)、取り出した商品Bの情報をバーコードで読み取る[3]。この際にARシステムは、ある棚から商品が取り出されたことを、データベースに記憶し、棚を収納エリアに戻すようドライブに指令する。
  4. (客は大抵、さまざまな種類の商品あるいは複数の商品を注文しているので)スタッフは、ARシステムによって次々と棚が目の前に運ばれてくるたびに、一つの箱(籠)に商品を入れてまとめてゆく。
  5. 一人の客の注文の品々を、一つの箱にまとめたら、梱包作業の担当者に向けて箱(籠)を送り出す[3]



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