組物 中備(なかぞなえ)

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組物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/10 05:38 UTC 版)

中備(なかぞなえ)

和様建築の疎組において柱上に位置する組物と組物の中間にあり、上からの荷重を下の横架材に伝える部材。その形状によりいくつかの種類がある[23]

  • 間斗束(けんとづか)- 斗を乗せた束。
  • 撥束(ばちづか)- 間斗束に似るが、束が末広がりなっているもの。
  • 蓑束(みのづか)- 間斗束の上部に唐草や渦の彫刻が施されているもの。 鎌倉時代に発生した[24]
  • 蟇股・蛙股(かえるまた)- カエルが両脚を広げたような形状をしているもの。 奈良時代以降に用いられる。 厚板で出来ている板蟇股と中央を空洞とした本蟇股があり、本蟇股には時に絢爛な彫刻が施され、それ自体が鑑賞の対象となることもある[25]
  • 双斗(そうと・ふたつと)- 斗の上に短い肘木を乗せ、それに巻斗を二つのせたもの[26]
  • 花肘木(はなひじき)- 複雑な曲線で意匠化した双斗[27]
  • 大瓶束(たいへいづか)- 瓶のような丸い束。
  • 人字形割束(ひとじがたわりづか)- 八の字の形をした割束[28]。法隆寺などに見られる。

注釈

  1. ^ 法隆寺の金堂・五重塔・中門、法起寺の三重塔、法輪寺の三重塔(焼失)、および法隆寺の玉虫厨子
  2. ^ 対になる言葉は疎組(あまぐみ・亜麻組とも)である
  3. ^ 昴は日本語でいう尾垂木の意味で、仮は見せかけのという意味
  4. ^ 不要な材料を再利用して後世に作った可能性もある
  5. ^ この画像ではややわかりにくいが、虹梁の中央付近に乗る、2本の短い斜材を「人」字形に組んだものが叉首。この上に斗と肘木が乗り、棟木を支える。

出典

  1. ^ 武井豊治 1994, p. 180.
  2. ^ 村田健一 2005, p. 363-368.
  3. ^ 太田博太郎 2019, p. 40.
  4. ^ 太田博太郎 2019, p. 65, 66, 100, 125, 126.
  5. ^ 太田博太郎 2019, p. 102.
  6. ^ 岡田英男 2005, p. 7.
  7. ^ 村田健一 2005, p. 374-375.
  8. ^ a b 村田健一 2006, p. 192-205.
  9. ^ 妻木靖延 2016, p. 68.
  10. ^ 妻木靖延 2016, p. 78-84.
  11. ^ 奈良県文化財保存事務所 1967, p. 17-18.
  12. ^ 片桐正夫 1995, p. 179.
  13. ^ a b 文化財建造物保存技術協会 1995, p. 22-26.
  14. ^ 藤井恵介 1994, p. 10.
  15. ^ 藤井恵介 1994, p. 4.
  16. ^ 村田健一 2006, p. 137-138.
  17. ^ 清水重敦、西田紀子 2007, p. 41-46.
  18. ^ 村田健一 2006, p. 48-59.
  19. ^ 村田健一 2006, p. 87-89.
  20. ^ a b 村田健一 2006, p. 82-84.
  21. ^ 藤井恵介 1994, p. 25-26.
  22. ^ 藤井恵介 1994, p. 43-46.
  23. ^ 西和夫 1990, p. 103.
  24. ^ 武井豊治 1994, p. 246.
  25. ^ 武井豊治 1994, p. 14,42,232.
  26. ^ 武井豊治 1994, p. 224.
  27. ^ 武井豊治 1994, p. 208.
  28. ^ 武井豊治 1994, p. 288.
  29. ^ Dougong: The enduring appeal of an ancient Chinese building technique(CNN 2017年9月1日)
  30. ^ 文化庁. “文化財愛護シンボルマーク”. 文化庁サイト. 2022年9月7日閲覧。


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