深夜プラス1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/10 05:11 UTC 版)
タイトル
原題のMidnight Plus One は主人公の任務のタイムリミットである0時1分を意味する(midnight=0時ちょうど )。
評価
早川書房の『ミステリマガジン』1991年6月号誌上で行われたアンケートを基に、1991年9月に発行された書籍『ミステリ・ハンドブック』で発表された人気投票の集計結果[1]では、本作がスリラー部門の第1位、他に8つのジャンル(冒険、国際謀略、スパイ小説、ホラーを除いたミステリ作品)を含めた海外ミステリベスト100で第2位の人気を獲得している。翌年の『ミステリマガジン』1992年5月号誌上で行われたアンケートを基に、1992年10月に発行された書籍『冒険・スパイ小説ハンドブック』で発表された人気投票の集計結果[2]では、本作の登場人物であるハーヴェイ・ロヴェルが好きな脇役部門の第1位を獲得し、好きな主人公部門でもルイス・ケインが第5位にランクインしており、作品自体も冒険小説部門における第2位、他に3つのジャンル(海洋冒険小説、スパイ小説、謀略・情報小説)を含めた総合ベスト100で第7位の人気を獲得している。
トリビア
米国の俳優スティーブ・マックィーンは本作を気に入り映画化権を獲得。コロンビア映画がボブ・ラフェルソンが監督に起用して映画化されるはずだったが実現しなかった。
上記の作品から名前を取った店として知られるものに以下のものがある。
- 内藤陳が経営する新宿ゴールデン街のバー。内藤が設立した日本冒険小説協会の公認酒場となっており、同協会の会員や熱心なマニア、作家が集まる場所となっている[3]。
- 飯田橋駅前(神楽坂下)の書店「Books SAKAI 深夜プラス1」。現・ミステリー評論家の茶木則雄が1986年の開店時の店長。店舗面積の割にミステリー系が充実していた。2010年8月末に閉店。
オマージュ作品
- 『深夜ふたたび』志水辰夫 内容、冒頭のシーンなど多くの要素がオマージュされている。
- 『交渉人 真下正義』 - 劇中で犯人が出すヒントの中で、本作に言及するシーンがある。
- 『殺しの烙印』 - 1967年、鈴木清順監督。宍戸錠と真理アンヌ出演。前半のストーリイは本作から大きな影響を受けている。
- 『MIDNIGHT PLUS ONE』吉村浩二 本作へのスタイリッシュなオマージュで、メロディアスなスムース・ジャズ。
- 『BAR酔虎伝』酒口風太郎 ミステリに登場する酒をモチーフにした小説で、「深夜プラスもう一杯」の章がある。
- ^ 早川書房編集部 編『ミステリ・ハンドブック』早川書房〈ハヤカワ文庫〉、1991年9月30日。ISBN 4-15-078501-5。
- ^ 早川書房編集部 編『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房〈ハヤカワ文庫〉、1992年10月31日。ISBN 4-15-040674-X。
- ^ 榎本秋 編『オタクのことが面白いほどわかる本』(第1刷)中経出版、2009年6月5日、167-168頁。ISBN 978-4-8061-3358-2。
固有名詞の分類
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