機動戦士ガンダム 水星の魔女
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外伝
『機動戦士ガンダム 水星の魔女 ヴァナディースハート』のタイトルで、『月刊ガンダムエース』2023年5月号(2023年3月25日発売)より連載中[223]。シナリオは米山昴、漫画は東條チカがそれぞれ担当するほか、企画協力としてHISADAKE、キャラクターデザイン原案としてモグモ、メカニカルデザインとして海老川兼武、形部一平、寺岡賢司がクレジットされる。物語は、ヴァナディース事変から5年が経過したA.S.106の地球を舞台とする。
登場人物(外伝)
- ヴィルダ・ミレン
- 大型トレーラーで地球を放浪しながら医師として生計を立てる元ヴァナディース機関の女性[224]。冷静かつ聡明な性格で、カルドたちの理想を消さないために魔女狩りからの逃亡を念頭に置きつつ、まだ幼いキユウを指導する[225]。
- 若いころは既存の医療技術では治療できない「宇宙多孔(マイクロフィスチュラ)症候群」に罹患していた弟を救うべく飛び級で進学し、論文を読んだカルドの勧めで在学中から研究に取り組み始める。弟の治療は果たせず死別するが、同じ病症に苦しむ人々を救うべくカルドの導きでヴァナディース機関に入り、研究を進めていた[226]。
- キユウ・ラボット
- ヴィルダの助手を務めるアーシアンの少年。ガンダムパイロット養成施設の隠れ蓑として運営されているロッキンホース孤児院の出身で、施設内では最優秀成績の保持者であった[227]。感覚的な相性の良さと相まって「友達」と称する愛機の「ルブリス・ジウ」を手足のように操り、生身での高い身体能力と優れた家事能力も持ち合わせている[228][229]。幼少期特有の奔放な性格で、ヴィルダを「先生」と慕い従順に従う一方、大人への憧憬と自身への無力感から短絡的な行動に出ようとする危うさを見せる[225]。胸にはヴィルダが製作した人工心臓「GUND心臓」が埋め込まれているが、何者かの手によってジウから800メートル以上離れると機能停止するプログラムが組みこまれており、ヴィルダがプログラム解除のデータ収集のために放浪する一因となっている[230][231]。また、人工心臓の実際のデータストーム耐性が未知数ゆえにパーメットスコア上昇時に受けるダメージを危惧したヴィルダから一定以上のスコア上昇を禁止され、対ガンダム戦では相手を殺傷せずに無力化するか逃亡を優先するよう言いつけられている[227]。
- ロッキンホースの同期生であるヨシカとの戦闘中、彼女が挑発を兼ねてヴィルダに危害を加えたことに怒り、禁じ手であるスコア3を開放する[232]。
- ヨシカ
- キユウと同じロッキンホース孤児院で育った少女。ヴィルダが作ったGUND心臓を移植されており、ジウの同型機であるルブリス・アノクタを操る。普段は明るく無邪気だが、自身よりも成績優秀ゆえに信頼する「先生」のバス・イッサ[231]に注目されていたヨシカに強い対抗心を抱いている[227]。孤児院を飛び出してヴィルダに従うキユウを連れ戻そうと執着しており、独断で一般人に扮してヴィルダに接触したりする[233]。
- シジマ・ゾマ
- ヴィルダと同じヴァナディースの元研究員で[234]、部下のバスやヨシカを使ってヴィルダたちに干渉していた黒幕[233]。ヴァナディース事変当時は、ヴィルダを逃したあとに自身もルブリスに乗って脱出。ドミニコス隊の追撃をかいくぐるためにやむを得ずパーメットスコアを上昇させたが、自身に埋め込まれたヴィルダのGUND心臓の力でデータストームに耐え抜き生還した。脱出後は顔や経歴を変え続けながら生き延び、ヴィルダと再会した時点では地球議会を牽引する若手議長クレイグ・イーオンとして生活している[234][235]。
- 格差と搾取がはびこる世界を変革する手段としてのGUND-ARM普及を望んでおり、自身が運営するロッキンホースに人工心臓を移植した孤児たちを集め、データストーム研究を目的とした非人道的な実験を行っていた[235]。この事実を知ったヴィルダからは死んだカルドが望むはずがないと非難されるが[235]、「放置しても確実な死が待つ子どもたちの人生に『意味』を与えられる」、そして子どもたち自身が「GUNDの未来への道程を舗装する石の一粒と知り、喜んでその身を捧げるだろう」と返し、ガンダムに乗せておきながらキユウの生還を願うヴィルダの考えを欺瞞だと批判する[227]。
登場メカ(外伝)
ガンダム・ルブリス・ジウ GUNDAM LFRITH JIU[229] | |
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型式番号 | XGF-01[II3][229] |
頭頂高 | 18.8m[229] |
重量 | 37.8t[229] |
武装 | 虎の手×1 |
搭乗者 | キユウ・ラボット |
- XGF-01[II3] ガンダム・ルブリス・ジウ
- ヴァナディースが開発していたルブリスタイプの非武装機。ヴァナディース事変後はヴィルダがトレーラーの積荷に偽装して秘匿しており、キユウ・ラボットが搭乗する。身体運動の状況適応力をMSで発現する人体拡張研究のために開発されたことから、実戦用機よりも出力や推進力で劣るが、武装を施せば強大な戦闘力を発揮する。頭部に集中する各種センサーの情報処理のため、シェルユニットが顔を覆うように配置されており、GUNDフォーマット稼働時は人相のような発光パターンが生じる[229]。
- 主武装は、GUNDフォーマット開発初期の別機体の右腕を流用したと思しき、出自不明の大型複合武装「虎の手」。組み込まれたシェルユニットのほかに、同時稼働数によって射撃と斬撃を使い分けられるマニュピレーター、シールドとして機能する前腕部装甲、大容量推進器となる肩部スラスターで構成され、非使用時はバックパックとして懸架される[229]。
ガンダム・ルブリス・アノクタ GUNDAM LFRITH ANAVATA[236] | |
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型式番号 | AVP-03[236] |
頭頂高 | 18.2m[236] |
重量 | 44.7t[236] |
武装 | ナルカミ×2 グレンゲ×1 ビームガン×2 |
搭乗者 | ヨシカ |
- AVP-03 ガンダム・ルブリス・アノクタ
- ヨシカが搭乗する地球製のガンダム。ジウの実戦型に相当する機体で、その外見と特性から「刀を操り雷を導く、青い機体」として伝えられていた[237]。特徴として、空力を考慮したカナード状の胸部シェルユニットと掌底部の放電ユニット、足裏には大容量の静音ホバーユニットとスラスターを備えている[238][237]。
- 武装は、手持ちの二刀流としても使用可能な導雷ブレード型ガンビット「ナルカミ」二振りと、収納状態のナルカミを直接展開して攻撃できる回転機構付きシールド「グレンゲ」、バックパック上部から展開するビームガン2基。実戦では、遠隔操作中のナルカミと起電マニピュレーター間で発生させた放電現象の破壊力を、機体各所のミスト発生部から放射した霧「ダイエレクトリックミスト」で高めたうえで[237]奇襲戦法をしかける[239]。
書誌情報
- 矢立肇、富野由悠季(原作)・米山昴(シナリオ)・HISADAKE(企画協力)・東條チカ(漫画) 『機動戦士ガンダム 水星の魔女 ヴァナディースハート』KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉、既刊2巻(2024年2月26日現在)
- 2023年7月25日発売[240])、ISBN 978-4-04-113961-5
- 2024年2月26日発売[241])、ISBN 978-4-04-114696-5
- ^ 第13話よりクレジット。
- ^ 企画時点での社名は「株式会社サンライズ」であり、2022年4月1日に現社名に商号変更した[11]。
- ^ 岡本は敷居の高さに関して、『鉄血のオルフェンズ』以前のシリーズで若いファンの獲得を目指してさまざまなアプローチが試されたものの、『機動戦士ガンダムSEED』の初放送から20年が過ぎ、経過した年数が若い視聴者にとっての入りにくさになっていると推測している[12]。
- ^ もっとも、小形は富野由悠季がこれまでのシリーズで女性の活躍を当たり前に描いていたことを挙げ、本作が時代に合わせて取ってつけたようにダイバーシティーな作品になった訳ではないと説明している[23]。
- ^ 注射を嫌がる幼いスレッタを説得しようとする母が、注射から逃げれば「注射をしなくてすむ」(ひとつ手に入る)のに対して、注射をすると「病気にならない」「母が喜ぶ」「周りが偉いと認めてくれる」」「レベルが上がって(成長して)注射が痛くなくなる」(二つ以上手に入る)ことにたとえて贈った言葉[56]。
- ^ 宮本が体調不良で一時休業した際の代役(10話 - 12話)[104][105]。
- ^ 作中ではビットを腰背部にX字状に合体させた姿や、バックパックの左肩に扇状に配置した姿が登場する。
- ^ 『PROLOGUE』のみ初公開日。
- ^ 最終回のサブタイトルは事前に発表されておらず、本編ラストに「目一杯の祝福を君に」と発表[165]。
- ^ a b TBS系列局が所在しない秋田県・福井県・徳島県・佐賀県を除く(遠距離受信および区域外再放送は含めず)。
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