支払督促 支払督促に関連する社会問題

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支払督促

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 07:45 UTC 版)

支払督促に関連する社会問題

架空請求詐欺に絡んで支払督促を不当な請求に悪用する事例や、裁判所を騙って支払督促の手続を装って被害者を威圧する事例が確認されている。

根拠のない請求に用いる事例

支払督促を詐欺(架空請求詐欺)に利用する例が知られている。前述のとおり、支払督促は、形式的な要件が整っていれば、債権者の主張の真偽を審査せずに発付され、発付前に債務者の言い分を聞くことはない。これに則り詐欺の加害者が虚偽の債務を申し立てる一方で、債務者(詐欺の被害者)側の立場では、裁判所から前触れなく突然に弁済を「命令」され、その「命令」は確定していて覆せないものと誤解して唯々諾々と支払ってしまうことがある。また、督促異議の申立てにより反論可能なことを理解できなかったり、どのように反論してよいか迷っているうちに督促異議申立期間を徒過して法的に債務が確定してしまうことがある。裁判所から正式の命令が発布されるのと平行して加害者が被害者に接触し、裁判所の命令が出ている事実を根拠に債務の弁済に同意させることもある。

支払督促の手続を装う事例

その一方で、架空請求詐欺で被害者に支払を強要する方便として、加害者が裁判所を騙り、支払督促を発付する旨の文書を偽造して送りつけることがある。2007年初頭には、民事訴訟法が改正されたと虚偽の説明を行い、これにより特別送達を電子メールで送付できることとなった、また、電子メールアドレスを使用する者を暫定債務者と裁判所が認定する、と説明して、支払督促を電子メールで送りつけて、それを受け取った者が支払義務を負うとして、所定銀行口座に弁済金を振り込むように要求するものが確認されている。

NHKによる利用

2006年以降、日本放送協会が支払督促を申し立てて滞納受信料の回収を図っていることが世論の関心を集めている。折から、同協会の職員が予算を私的用途に流用していたことが発覚していたため、内部統制も未確立であるのに強制的な取立てをするのは道義に反するという批判がある。また、理論的な観点から、同協会自身が受信料は行政法学上の公用負担の一種である負担金(金銭給付義務である人的公用負担)としているのであるから、公法上の法律関係の履行を私法上の制度である支払督促により強制し得るのかという批判もある(もっとも、東京簡易裁判所は支払督促を発付した。)。




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