急須
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/06 07:05 UTC 版)
紅茶用のティーポット
緑茶を抽出する容器が急須と呼ばれて、主に中国・日本で独自に発達したのに対して、日本でも近年徐々にファンを増やしている紅茶を抽出する急須は一般にティーポット(Teapot)と英語で呼ばれるようになり、主にヨーロッパで発展してきた。両急須の違いは、紅茶用のは抽出と保存を行うために内部が大きめで、背も高いものが多い。緑茶用のは抽出のみを行うので小さ目で、茶を急須に残すと渋茶になり、これは好まれない。材質も、紅茶用は陶磁・金属を含めて色彩も豊かで、下から火で温めるもの(サモワールなど)まで作られてきたが、緑茶用は伝統的に陶器が使われてきて、色彩も控えめである。[9]
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英国製ティーポット
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紅茶/コーヒー用セット(左)のティーポットと緑茶用セット(右)の急須(日本の家庭で)
脚注
注釈
- ^ 「急焼」が正しく、「急尾焼」の「尾」は語の転訛で加わったものであろう。(青木正児『中華茶書』「喫茶小史」)
- ^ 同上。弥次郎兵衛は淀川の三十石船の中ではじめて「きびしょ」を見るが、江戸者の弥次さんはそれが何の道具かわからず、しびんの代わりに使う。そのあと持ち主が知らずに中に酒を入れて燗をつけ、弥次喜多に勧める。
- ^ この種の無釉の焼締め陶器を「炻器」に分類する場合もあるが、「炻器」は英語stonewareの訳語で、元々西洋陶磁の概念である。中国では焼き物を「陶器」と「瓷器」に大別しており、「炻器」という概念は通常用いられない。また、「炻」は日本の国字である。以下文献を参照。
- 矢部良明編『角川日本陶磁大辞典』(角川書店、2002)「炻器」および「宜興茗壺」の項
- 矢部良明・入澤美時・小山耕一編『「陶芸」の教科書』(実業之日本社、2008)87頁
- ^ a b 流儀によっては、後手を、注ぎ口を左にして取っ手が「横」にあるとみなして「横手」、また、横手を、注ぎ口を左にして取っ手が「前」にあるとみなして「前手(まえで)」と呼ぶこともあった。(主婦の友社編『煎茶入門』p154。1973年)
出典
- ^ きゅうすの英語
- ^ プレミアムクラフト(61)LUCY ALTER DESIGN 透明急須『日刊工業新聞』2018年6月8日(2018年6月17日閲覧)
- ^ 朝日焼の宝瓶と一般的な急須の比較朝日焼(2018年6月17日閲覧)
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “よくわかる四日市萬古焼読本”. 萬古陶磁器振興協同組合連合会. 2020年2月24日閲覧。
- ^ 青木正児『中華茶書』「喫茶小史」春秋社 1962年 全集第8巻所収 春秋社 1971年
- ^ 東海道中膝栗毛・六編上 「図のごときどびんあり。上方にてはこれをきびしょという。いま江戸にも、たまさか見えたり」
- ^ 小川後楽『煎茶器の基礎知識』光村推古書院 1986年
- ^ 急須とポットと土瓶の違いを知っていますか? – ハレトケ
- ^ 知っているようで知らない?ティーポットと急須の違い(オリーブオイルをひとまわし)
参考文献
- 『急須のできるまで』 入間市博物館展示目録、2004年6月12日
品詞の分類
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