女神 山神と女神の関係

女神

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 02:58 UTC 版)

山神と女神の関係

日本では山神は女神の場合が多く(後述書 p.103)、山神が男神の場合、狩猟伐採芸能を司る。水や生命を育む森・山は基本的に女性原理として表現されるため、山に男女で入ると女神が嫉妬したり、女性の入山自体を嫌う話も多いとされ、山神が生産を司る以上、日本語の「ヲンナ」は「ヲミナ」=産むの意であると捉えられている[1]

柳田國男は『妹の力』において、霊山における女性の立ち入りを禁じる結界岩は、多くは、山の中腹にあり、本当に入山を禁じていたのなら、中腹に結界岩を置くのは不自然であり、むしろ禁じていたのではなく、足の弱い女性が頂上まで登らずとも参拝できるようにとの配慮からと考察する。

女神と笑いの関係

ギリシア神話には悲しみに沈んだ大地の女神デメテルバウボ英語版[2]という女が自らの性器を見せ、笑わせ、大地の生産力を回復させた話があり、日本神話にもアメノウズメが性器を見せ、神々が笑い、アマテラスが口を開いた話が見られ、怒れる自然(デメテルやアマテラス)に豊穣多産を回復させるために行う話の類型であり、自然を再生させることは、女神を笑わせ、機嫌を取り戻すことで、そうした神話(女性器を見せることで女神の笑いを取る)として表現されたものと松本信広は解釈している[3]。関連は不明だが、古墳時代の女性埴輪の中には性器を強調したものがみられる[4]。また、「ケルト世界のかなり古い神話的存在」で、「慣例でシーラ・ナ・ギグと呼ばれて」いる存在は、「これについての文字資料は皆無であるが、創造と破壊の女神として紹介されることが多い」が、「アメノウズメと同じような猥褻な動作をしている」[5]

女神の数

『古事記』に記される280柱前後(神武東征以後は除く)の内、無性別の神・性別不詳の神・男神を除いた女神の数は65柱前後である。この内、オオゲツヒメが殺害されており(『紀』ではウケモチ)、またクシナダヒメの姉妹神もヤマタノオロチに殺されているため、厳密な数は不明。全体数の約4分の1とギリシア神話と比較して少ないが、これは日本神話において無性や性別不詳の神がギリシア神話と比べて多いためであり、例として、八種の雷神、因幡の白兎、サヒモチの神=サメなど人外神が豊富にいる。本州(大倭豊秋津島)=天御虚空豊秋津別も『記』における男神女神の書き順からいえば、女神だが、明記されていないなど不明瞭な部分がある。


  1. ^ 千葉公慈 『知れば恐ろしい 日本人の風習』 河出文庫 2016年 ISBN 978-4-309-41453-9 p.103.
  2. ^ バウボ』 - コトバンク
  3. ^ 古川のり子 『昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学』 角川ソフィア文庫 2016年 ISBN 978-4-04-400080-6 p.104.
  4. ^ 『女性はにわ その装いとしぐさ』 埼玉県立博物館 1998年 p.28.
  5. ^ フィリップ・ヴァルテール『ユーラシアの女性神話-ユーラシア神話試論Ⅱ』(渡邉浩司・渡邉裕美子訳)中央大学出版部2021年 ISBN 978-4-8057-5183-1、202頁。
  6. ^ 関裕二 『寺社が語る秦氏の正体』 祥伝社新書 2018年 ISBN 978-4-396-11553-1 pp.33 - 36.


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