天の川の起源 (ティントレット)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/24 17:15 UTC 版)
来歴
『天の川の起源』は1648年のプラハの戦いによる略奪でスウェーデン軍に持ち去られたのち、女王クリスティーナのコレクションとなった。絵画は1724年までにオルレアン・コレクションに加わり、パリのオルレアン公フィリップ1世の邸宅パレ・ロワイヤルの戸外に飾られている。オルレアン・コレクションがイギリスに持ち込まれたとき、美術史家・美術商のマイケル・ブライアンにわずか50ギニーで売却されたのち、1831年に第4代ダーンリー伯ジョン・ブライによって購入された[2][10]。ダーンリー伯が購入した絵画は他にもティツィアーノ・ヴェチェッリオの『男の肖像』(Ritratto d'uomo, 1510年頃)、『エウロペの略奪』(Ratto di Europa, 1559年-1562年)、『ヴィーナスとアドニス』(Venere e Adone, 1560年頃のヴァリアント)、パオロ・ヴェロネーゼの連作『四つの愛の寓意』(L'allegoria dell'amore, 1570年頃)などが知られている[11]。これらの絵画はダーンリー伯の所有するケント州コブハムのコブハム・ホールで飾られた[10][12]。絵画は半世紀以上の間、ケントに留まっていたが、1890年に第6代ダーンリー伯ジョン・ブライ[13] によってロンドンのナショナル・ギャラリーに1,310ポンド10シリングで売却された[14]。
ギャラリ-
ダーンリー伯爵家が所有した絵画は主に以下の作品がある。
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『男の肖像』1510年頃 ナショナル・ギャラリー所蔵
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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『ヴィーナスとアドニス』1560年頃 メトロポリタン美術館所蔵
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パオロ・ヴェロネーゼ『四つの愛の寓意』1570年頃 ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵
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ピーテル・パウル・ルーベンス『女王トミュリスにもたらされたキュロスの生首』1622年頃から1623年頃の間 ボストン美術館所蔵
- ^ 『週刊グレート・アーティスト56 ティントレット』p.23。
- ^ a b c d “Tintoretto”. Cavallini to Veronese. 2020年5月8日閲覧。
- ^ a b c d e f “The Origin of the Milky Way”. ナショナル・ギャラリー公式サイト. 2020年5月8日閲覧。
- ^ シケリアのディオドロス、4巻9・6。
- ^ エラトステネス『星座論』44話。
- ^ ヒュギーヌス『天文譜』2巻43。
- ^ a b “The National Gallery Podcast: Episode Twenty Eight”. ナショナル・ギャラリー公式サイト. 2020年5月8日閲覧。
- ^ Cesare Barbieri, Francesca Rampazzi 2001. p.505.
- ^ 『週刊グレート・アーティスト56 ティントレット』p.10。
- ^ a b “Giovanni Francesco Barbieri, called il Guercino Cento 1591 - 1666 Bologna”. サザビーズ公式サイト. 2020年5月8日閲覧。
- ^ “Veronese”. Cavallini to Veronese. 2020年5月8日閲覧。
- ^ “Titian”. Cavallini to Veronese. 2020年5月8日閲覧。
- ^ “RAPE OF EUROPA, 1562”. イザベラ・ステュワート・ガードナー美術館公式サイト. 2020年5月8日閲覧。
- ^ Charles Fitzroy. p.154-156.
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