大倉山 (鳥取県)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/22 01:45 UTC 版)
地理
大倉山は中国山地の分水界にある残丘(遠隔残丘)で、他の山とは稜線が繋がらない独立峰である[1][2]。付近の花見山(北緯35度9分8.63秒 東経133度24分4.25秒 / 北緯35.1523972度 東経133.4011806度)、鬼林山(北緯35度7分55.29秒 東経133度16分49.97秒 / 北緯35.1320250度 東経133.2805472度)、稲積山(北緯35度6分12.43秒 東経133度13分40.95秒 / 北緯35.1034528度 東経133.2280417度)なども同じように一定の距離を隔てて独立しており、山地の解体の典型例となっている[2]。
中生代(2.5億~6600万年前)の花崗閃緑岩が主な構成岩で、これが風化してできた真砂土が山麓で緩斜面を形成している[3][1]。こうした地形は、ここから約20km南西の小奴可(おぬか)付近で顕著にみられたことから「小奴可地形」と呼ばれる[2][4]。
山麓各地では古来から、こうした山麓の緩斜面の風化花崗岩を崩して鉄穴流しが盛んに行われた[5][2]。現在の地名や地形にその痕跡が残されており[5]、現在の姿は自然の山容が大きく変えられた人工地形とみなされている[2]。ただし植林も行われて樹林は豊富である[3]。
山頂には3つの頂きがあり、このうち中央に二等三角点「大倉山」(標高1112.13メートル)が設置されている。
- ^ a b c d e f 『鳥取県の地名(日本歴史地名大系)』p825-826 大倉山
- ^ a b c d e f 『地図の風景 山口・島根・鳥取 中国編II』p164-167 鉄穴流しの里
- ^ a b c 日本地名大辞典 31 鳥取県(角川日本地名大辞典)』p167
- ^ 三野與吉, 「小奴可地形に就いて」 日本地理学会, 『地理』 1941年 4巻 4号 p.436-447, doi:10.14866/grj1938.4.436
- ^ a b c d 『鳥取県大百科事典』p121 大倉山
- ^ a b c d 『日本山岳ルーツ大辞典』p839-840 大倉山
- ^ 日本地名大辞典 31 鳥取県(角川日本地名大辞典)』p396-397
- 大倉山 (鳥取県)のページへのリンク