加瀬さんシリーズ
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制作背景
本シリーズは、2009年、新書館の編集者が高嶋に『ひらり、』に載せる漫画を描くよう依頼したことがきっかけで始まった[11]。当時の高嶋は百合というジャンルには明るくなく、百合漫画も描いたことがなかった[3]。その高嶋に執筆の依頼をした理由について、依頼をした編集者は、高嶋の漫画『未満れんあい』における恋愛描写の巧さを評価したと発言しており[11]、依頼に際しても「女の子2人の関係性をテーマにしたお話」という条件以外は全て高嶋に任せる方針が採られていた[12]。
一方、依頼を受けた高嶋は「男の子じゃないのに、ドキッとしてしまうかっこいい先輩」を描きたいという思いから本シリーズを生み出した[3]。一方、結衣には特定のモデルはおらず、友香と対になるキャラクターとして創造された[11]。
作風
本シリーズは女の子同士の恋愛をテーマにしており、恋や青春における「きらきらしたピュアさ」が特徴である[3]。ライターの和智永妙は、本シリーズの魅力について「女の子同士だからこそできる恋やドキドキ感がとても初々しく、キュートな絵柄で描かれている」点を挙げている[13]。そのほか、電子書籍ストア「BookLive!」の書店員であり、同サイトにて書評を紹介するサイト「ぶくまる」の編集長を務めるおにぎりは、「カッコいい女子」が登場する百合作品のベスト1に「加瀬さんシリーズ」を挙げ、本作では「百合初心者にもオススメのボーイッシュなカッコよさ」が表現されているとした[14]。
なお、本シリーズの初出作品が掲載された『ひらり、』は「ピュア百合」をテーマとしていた[11]。高嶋は「学生時代の『好きでたまらない』『歯止めがきかない』感じ」がピュア百合だという考えを披露しており、本シリーズではそれを表現しようとしている、と語っている[11]。
書誌情報
- 高嶋ひろみ 「加瀬さんシリーズ」 新書館〈ひらり、コミックス〉、既刊9巻(2024年4月26日現在)
- 『あさがおと加瀬さん。』、2012年8月15日初版発行(2012年7月28日発売[新 1])、ISBN 978-4-403-67121-0
- 『おべんとうと加瀬さん。』、2014年8月15日初版発行(2014年7月30日発売[新 2])、ISBN 978-4-403-67158-6
- 『ショートケーキと加瀬さん。』、2015年10月10日初版発行(2015年9月25日発売[新 3])、ISBN 978-4-403-67173-9
- 『エプロンと加瀬さん。』、2017年8月10日初版発行(2017年7月25日発売[新 4])、ISBN 978-4-403-67176-0
- 『さくらと加瀬さん。』、2018年6月10日初版発行(2018年5月19日発売[新 5])、ISBN 978-4-403-67178-4
- 『山田と加瀬さん。 1』、2019年8月10日初版発行(2019年7月25日発売[新 6])、ISBN 978-4-403-67181-4
- 『山田と加瀬さん。 2』、2020年12月10日初版発行(2020年11月25日発売[新 7])、ISBN 978-4-403-67182-1
- 『山田と加瀬さん。 3』、2022年6月27日発売[新 8]、ISBN 978-4-403-67187-6
- 『山田と加瀬さん。 4』、2024年4月26日発売[新 9]、ISBN 978-4-403-67191-3
なお、『エプロンと加瀬さん。』と『さくらと加瀬さん。』については、通常版に加えて特装版がリリースされている。『エプロンと加瀬さん。』の特装版にはBDやブックレットが同梱されており、このうちBDにはアニメーションクリップ「キミノヒカリ」とそのライカリールが収録されている[15]。『さくらと加瀬さん。』の特装版にはドラマCDが同梱されている[16]。
注釈
出典
- ^ a b “百合系アンソロ「ひらり、」Vol.2に桑田乃梨子ら執筆”. コミックナタリー. ナターシャ (2010年8月26日). 2017年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月12日閲覧。
- ^ a b 百合の世界入門 2016, p. 31.
- ^ a b c d e f 北小路夜空「『加瀬さん。』シリーズ 高嶋ひろみインタビュー」『ダ・ヴィンチ』第25巻第3号、KADOKAWA、2018年3月6日、196-197頁。
- ^ 高嶋ひろみ (2011年4月15日). “今月のおしごと”. Takashimaya. 2018年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ “新書館の百合アンソロ「ひらり、」休刊”. コミックナタリー. ナターシャ (2014年7月30日). 2017年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ a b パンフレット 2018, p. 24.
- ^ 加山竜司 (2018年1月16日). “『ストリートファイター佐賀』発売へ……!? 【B級ニュース】”. このマンガがすごい!WEB. 宝島社. 2018年7月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ a b c d e 「Febri RECOMMEND」『Febri』VOL.49、一迅社、2018年7月1日、67頁。
- ^ パンフレット 2018, p. 30.
- ^ パンフレット 2018, p. 38.
- ^ a b c d e パンフレット 2018, pp. 12–15.
- ^ a b c d ブックレット 2017, pp. 16–25.
- ^ 和智永妙 (2014年8月17日). “【日刊マンガガイド】『おべんとうと加瀬さん。』 高嶋ひろみ”. このマンガがすごい!WEB. 宝島社. 2017年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ 百合の世界入門 2016, p. 123.
- ^ “JK同士の青春譚「加瀬さん」最新作が7月に、アニメ映像付き特装版も”. コミックナタリー. ナターシャ (2017年5月23日). 2017年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ “JK2人に春はやってくる? 高嶋ひろみの百合シリーズ最新作「さくらと加瀬さん。」”. コミックナタリー. ナターシャ (2018年5月19日). 2018年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
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- ^ a b c d e f g h i パンフレット 2018, pp. 4–9.
- ^ パンフレット 2018, pp. 48–49.
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- ^ a b c d e f g h “【インタビュー】「『あさがおと加瀬さん。』は青春作品」 – 佐藤卓哉監督が伝えたい想い”. 超!アニメディア. 学研プラス (2018年6月7日). 2018年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月24日閲覧。
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- ^ “「あさがおと加瀬さん。」山田は高橋未奈美、加瀬さん役に佐倉綾音”. コミックナタリー. ナターシャ (2017年12月7日). 2018年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ 「私とずっと一緒に」『月刊ニュータイプ』第34巻第7号、KADOKAWA、2018年6月10日、46-49頁。
- ^ 『「フラグタイム」公式パンフレット』2019年、14-15頁。
- ^ a b c d パンフレット 2018, pp. 18–21.
- ^ a b “【インタビュー】『あさがおと加瀬さん。』高橋未奈美・佐倉綾音・木戸衣吹がオーディション・アフレコ時の思い出を語る - 「いちゃいちゃシーンは誰もブースから出て行かなかった」”. 超!アニメディア. 学研プラス (2018年6月8日). 2018年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ “OVA「加瀬さん。」ビジュアル公開、主題歌はI WiSH「明日への扉」のカバー”. コミックナタリー. ナターシャ (2018年3月14日). 2018年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ a b “Blu-ray”. 「あさがおと加瀬さん。」アニメ公式サイト. 2018年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月25日閲覧。
- ^ “「あさがおと加瀬さん。」関連CD3枚が同時発売、2人の「小さな恋のうた」聴ける”. コミックナタリー. ナターシャ (2018年4月17日). 2018年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ “あさがおと加瀬さん。”. 2018年7月25日閲覧。
- ^ “おべんとうと加瀬さん。”. 2018年7月25日閲覧。
- ^ “ショートケーキと加瀬さん。”. 2018年7月25日閲覧。
- ^ “エプロンと加瀬さん。”. 2018年7月25日閲覧。
- ^ “さくらと加瀬さん。”. 2018年7月25日閲覧。
- ^ “山田と加瀬さん。 (1)”. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “山田と加瀬さん。 (2)”. 2020年11月25日閲覧。
- ^ “山田と加瀬さん。 (3)”. 2022年6月27日閲覧。
- ^ “山田と加瀬さん。 (4)”. 2024年4月27日閲覧。
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