住用村 行政

住用村

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 00:45 UTC 版)

行政

  • 村長:師玉當章(しだま とうしょう)

産業

1995年の木材チップ工場の閉鎖後は、大きな事業所などがなく、2000年の国勢調査では建設業に従事する者がもっとも多かった。

自然

 住用のマングローブ林は主に住用川と役勝川の河口域に分布し、その面積は日本で2番目に広い。マングローブ林は支流によって複数の林に分けられている。住用マングローブ林を構成する樹種はメヒルギとオヒルギである。住用がオヒルギの北限となっている。[2]マングローブ林では独自の生態系が形成されている。林全域にはチゴガニやフタバカクガニ、ユビアカベンケイガニが生息している。干潟部ではオキナワハクセンシオマネキ、ツノメチゴガニ、コメツキガニが見られる。また準絶滅危惧種であるカタシイノミミミガイやシマカノコガイなど希少種も確認された。ほかにもオキナワアナジャコなどの分類特性上重要種が生息していることも明らかとなっている。[3]

  1991年以前、住用マングローブ林は、子供たちにとっての遊び場だった。ガサミ(ワタリガニ)を素手で捕まえたり、キス釣り大会が行われたりしていた。キス釣りでは、潮が引いているときには砂浜に立って釣り、潮が満ちているときには水に浸かりながら釣っていた。また、2月から3月ごろには、住用マングローブ林の沿岸に、アオサ(青海苔。和名はヒトエグサ)が生い茂る。アオサ摘みを行い、汁物や酢の物にして、現在でも食べられている。一方、1991年以降、奄美群島観光施設整備事業によって、住用マングローブ林は、観光地となった。カヌー体験を通して、住用マングローブ林の生き物と触れ合うことができる。[出典:世界自然遺産 命めぐる島 奄美 「森と海と人と」 ホライズン編集室 2022年。 p.94]

  奄美群島観光施設整備事業にて観光施設の整備がされたため、奄美大島では、エコツーリズムを実施するためのツアーであるエコツアーが実施されている。[4] 住用のマングローブ林では、カヌー体験をエコツアーの観光資源として活用している。カヌー体験では、住用のマングローブ林の植生を学びながら、マングローブの見学をすることができる。満潮時は、マングローブのトンネルをカヌーで通ることができ、干潮時は、ミナミトビハゼやミナミコツメツキガニ、シオマネキ類などのマングローブ林特有の生物や植物を観察することができる。また、マングローブ林内は琉球アユや甲殻類、その他の魚類の稚魚や幼生の生育場所になっている。[5]

地域

集落

  • 石原(いしはら)
  • 市(いち)
  • 神屋(かみや)
  • 川内(かわうち)
  • 城(ぐすく)
  • 摺勝(すりがち)
  • 西仲間(にしなかま)
  • 東仲間(ひがしなかま)
  • 見里(みざと)
  • 役勝(やくがち)
  • 山間(やんま)
  • 和瀬(わせ)

教育

小・中学校

  • 住用村立住用中学校
  • 住用村立市小中学校
  • 住用村立東城小中学校
    • 和瀬分校 - 廃校
  • 住用村立住用小学校

  1. ^ a b ○名瀬市、大島郡住用村及び同郡笠利町の廃置分合に伴う地域自治区を設置する協議書 - 奄美市例規集 2011年12月25日閲覧。
  2. ^ 中須賀常雄・大山保表・春木雅寛「マングローブに関する研究:Ⅰ.日本におけるマングローブの分布」、日本生態学会誌、1974年。p.237-246
  3. ^ 川瀬誉博ほか「住用マングローブ林における底生生物の分布」、2018年。p.297-302
  4. ^ Kyushu Plant Protection Research 22: 146–148. (1976). doi:10.4241/kyubyochu.22.146. ISSN 0385-6410. http://dx.doi.org/10.4241/kyubyochu.22.146. 
  5. ^ Ishiwata, Shigeko (2004). “The Late Pleistocene -Holocene Deposits and the Sedimentary Environment in the Northern Coastal Area of Tokyo Bay, Central Japan”. The Quaternary Research (Daiyonki-Kenkyu) 43 (4): 297–310. doi:10.4116/jaqua.43.297. ISSN 1881-8129. http://dx.doi.org/10.4116/jaqua.43.297. 


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