マーチングバンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/24 20:31 UTC 版)
基本動作
- MM(エムエム)
- マーチング・アンド・マニューバリングの略。歩きながら演技する際の歩幅や姿勢、足を出すタイミング、歩き方などの基本動作、つまり「動く技術」のこと。またはメンバー全員の歩き方、姿勢、動くタイミングなどを統一するための練習を指す場合もある。
- 歩き方
- マーチングバンドでは前に歩くだけでなく、前にいる指揮者を向きながら後ろや横に動くこともある。その際の歩き方や動き方の呼び名。
- その場で足踏みする、マークタイム
- 前方に歩く、フォワードマーチ(単にフォワードとも呼ばれる)
- 後ろに歩く、バックワード(リアマーチとも呼ばれる)
- 横方向に歩く、スライド(サイドステップ、ドラムではクラブウォークと言われる)
- 後ろに振り向く、ターン
マーチングの用語
マーチングバンドで使われている用語だが、同じことを指していても各団体で言葉が違うものも多い。したがってここに記した用語がどのマーチングバンドでも使われているわけではない。
- ドリル
- 隊列を組み、歩きながら演奏、演技すること。軍隊での基礎的動作の反復訓練から、この名称で呼ばれるようになった。日本では今日でもマーチングバンドの演技をドリルと称するが、アメリカなどでは機械的な正確さのみが演技の主眼ではないことから、「マーチング・ショー」などの呼び方が一般的になっている。なお、パレードはドリルとは呼ばない。
- コール
- マーチングバンドにおける、さまざまな号令のこと。ボイスエレメントとも呼ぶ。
- テンハット
- コールのひとつで、「Corps, Ten Hut!」などの号令でメンバーは「気をつけ」の姿勢になる。Attentionの音便。(アクセントの前の母音は強く発音されると省かれるため、「ア」は発音されない。また、「ハッ」も「ション」が変化した動令で、それ自体に意味はない。)号令がかかったらすぐテンハットの姿勢にならなければならず、号令を解く合図が出るまでは基本的に何があってもその姿勢から動いてはいけない。
- パレードレスト
- コールのひとつ。「Corps, Parade Rest!」などの号令があったらメンバーは「休め」の姿勢になる。演技の前や後、整列して待機する際などにこの姿勢になることが多い。
- ホーンズアップ
- コールのひとつ。「Corps, Horns Up!」などの号令があったらメンバーは楽器を構えた姿勢になる。演技の前などに号令をかけられる。
日本におけるマーチングの現状
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日本における大規模なマーチングの大会が2つある。
- 「マーチングバンド・バトントワーリング全国大会」(主催:日本マーチングバンド・バトントワーリング協会(M協)・1973年〜)
- 「全日本マーチングコンテスト」(主催:全日本吹奏楽連盟(吹連)・1988年〜)
M協の大会と吹連の大会はそれぞれコンセプトが異なり、特に吹連の大会は「コンサートバンドがそのまま演奏しながらパレードをする」ことを目的[3]にしている。コンセプトの違いは出場団体の顔ぶれに反映されていて、M協の大会にはマーチング専門に活動している文字通りのマーチングバンドが大半を占めており、吹連の大会には吹奏楽コンクールの全国大会に出場している団体など、コンサートバンドと両立して活動しているバンドも存在する。もっとも、両方の大会にエントリーしている団体もあり、それぞれの大会のコンセプトに合わせた演技・演奏を行っている。
大会の審査では、「視覚効果」、「音楽効果」、「管楽器」、「打楽器」、「動きの技術」、「カラーガード」などの観点から審査されることが多い。ただし打楽器については「バッテリー」と「フロントピット」を別々の項目で審査する場合と、「打楽器」という項目で「バッテリーとフロントピット」を同時に審査する場合がある。
なお、M協・吹連それぞれの大会を主戦場にしている団体が一堂に会し技術を競う「JAPAN CUP」(外部リンク)も開催されており、知名度・注目度の向上が期待されている。
また、マーチングをエンタメスポーツとして発信し、リーグ制で行う「マーチング祭ALL JAPAN CHAMPIONSHIPS」(NPO法人マーチング祭主催)も近年注目を集めている[4]。
その他、ステージドリルに特化した「マーチングステージ全国大会」(M協主催)、ドラムコーに特化した「DCJ Championship」(ドラムコージャパン主催)が開催されている。
しかしながら、これら大会への参加団体数が思ったほど伸びない、ひいてはマーチングに取り組む団体が増えない、という問題がある。それには以下の理由が考えられる。
- 専用の楽器やコスチュームなどを揃えるには相応の費用が必要である
- 専門の指導者が少ない
- マーチングに関する情報が少ない
- マーチングをすると音が荒れると思われている
- 練習場所の定常的確保が困難(広い場所が必要、屋外の場合近隣住民との騒音問題の解決)
自衛隊では防衛大学校儀仗隊や航空学生がファンシードリルの訓練を行っており、自衛隊のイベントで披露される。
最近では少人数マーチングバンド向けの大会としてスリークロスが注目される。春シーズンに行われている『MIX3 ALL JAPAN CHAMPIONSHIPS』(NPO法人マーチング祭主催)は小編成や小スペースのバンドにとって新しい選択肢となるであろう。
- ^ a b c d MAMOR編集部『MAMOR 2014年11月号』55頁
- ^ MAMOR編集部『MAMOR 2014年11月号』56頁
- ^ 2021年度マーチングコンテスト規定 (PDF) の冒頭より。
- ^ “エンタメ|Sport of Sound|2024マーチング祭 ALL JAPAN CHAMPIONSHIPS|マーチング祭組織委員会”. マーチング祭|エンタメ. 2024年2月24日閲覧。
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