ベガ (ストリートファイター) ゲーム上の特徴

ベガ (ストリートファイター)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 10:04 UTC 版)

ゲーム上の特徴

シリーズに共通する特徴として高い機動力と平均以上の体力を兼ね備え、タメコマンドによる奇襲技を多数所持する。また、強力な対空技を持たない。

初代『ストII』の最終ボスとして登場する。攻撃力が高く奇襲的な性質の技を多く持ち、非常に軽やかな動きでダメージを与えてくる。なお、ベガをパーフェクトで倒すと手に入るパーフェクトボーナスが80,000点に跳ね上がる(バイソン、バルログ、サガットの3人は50,000点で、それ以外のCPUキャラクターは30,000点)。

プレイヤーキャラクターとして使えるようになった『ダッシュ』では基本性能が非常に高く、さらに「サイコ投げ」や「ダブルニーハメ」(ともに後述)と呼ばれるハメ技も使えた。『ターボ』以降はダブルニープレス後の隙が大きくなるなど弱体化が施されたが、『スパIIX』では高性能なスーパーコンボ「ニープレスナイトメア」の追加やキャンセル可能な通常技も増加した。

『ZERO』では、オープニングで悪の帝王的な演出をもって登場する。本シリーズではマントは常時着用した状態で闘う他、前進・後退時は両腕を組んだままの姿勢で浮遊しながら前後移動する。また、体格が変わったのに合わせ、技の構成にやや変更が加えられた。『ZERO』シリーズからはベガの声は西村知道が担当し、この体格のベガが登場する他の作品(「マーヴルvs.シリーズ」『ナムカプ』など)でも西村が担当している。『ストII』からの主な変更点は以下の通り。

  • 「サイコクラッシャーアタック」が「サイコクラッシャー」に改称され、スーパーコンボに格上げされた。
  • 上記により空白となった←タメ→のコマンドに飛び道具技の「サイコショット」が追加。
  • 「デビルリバース」が廃止され、「サマーソルトスカルダイバー」が単体でも出せる。
  • 溜め不要でコマンド入力できる移動技「ベガワープ」が追加。
  • ジャンプやヘッドプレスの速度が速くなった。

本作では隠しキャラクターということもあり、各技の性能が高く設定されている。一方で基本技は弱攻撃に連打キャンセルがかからないなど、『ストII』時代のような細かい連係はできなくなった。

続編の『ZERO2』からは性能が削ぎ落とされ、弱体化がみられるようになる[注 13]。『ストリートファイターZERO2 ALPHA』(以下『ZERO2 ALPHA』)でも微調整が施され、さらに弱体化している[注 14]。ただし空中投げ「サイコフォール」の追加によって攻撃手段が若干増えたり、パンチのZEROカウンターがガード不能になったことで防御面は強化された。また、『ZERO』に存在したシステム「ZEROコンボ」が一部キャラクターを除いて使えなくなったが、『ZERO』で唯一ZEROコンボが使えなかったベガはデメリットを被らなかった。

この頃から主人公リュウの対極を担うキャラクターが、サガットやベガから豪鬼に傾いていった。もっとも、ベガがリュウに目を付け始めたのもこの頃であり、ベガの最終対戦相手が『ZERO』ではローズだったが、『ZERO2』および『ZERO3』ではリュウになっている。『ZERO2』のオープニングは、冒頭で豪鬼が登場する演出で始まり、登場キャラクターのカットが順を追って入り、リュウとケンの波動拳で締めくくる構成になっているが、その中でベガの露出時間が少ない。ただしキャラクター別にボスが登場する今作では、全18人中6キャラクター分の最終ボスを担っている。

『ZERO3』においては、これまで具体的に描かれることの少なかった世界征服に本格的に乗り出すべく悪役ぶりを発揮している。ユーリとユーニを初めとするベガ親衛隊の登場や『ストII』時代からの配下のバイソンとバルログの復活により、キャラクターの設定も『ストII』時代をより意識したものになっている。本作ではほとんどのキャラクターの最終ボスとして登場するが、その際CPUベガは高い能力を持つ「ファイナルベガ」として登場した(後述)。『ZERO』同様、しゃがみ中攻撃をキャンセルして「ダブルニープレス」を出すと連続技として成立する。

『EX』シリーズでは、『ZERO』シリーズと同様の体格だがマントは付けていない。使用する技も『ストII』に準じており、未登場の『EX2』を除いて最終ボスとして登場する。他のシリーズよりもキャンセルできる通常技が多く、必殺技やスーパーコンボも扱いやすいものが多い。

『ストIV』ではボスではなく、一般キャラクターとして登場している。しかし、同作の最終ボス・セスが率いるS.I.N社の背後に潜む黒幕であったり、その他多数のキャラクターにとって因縁深き存在であるなど物語上では強い存在感を放っている。

『ストV』では構えは直立して腕組み、移動は腕を組んだまま歩くといった動作であり全体的に遅い。前ダッシュが一瞬消える「ベガワープ」となり、僅かな時間打撃無敵で、「サイコクラッシャー」の代わりに目の前にサイコパワーの球を一瞬発生させる「サイコブラスト」が追加され、接近戦がより強くなった。

前述の通り、『CvS』シリーズと『CAPCOM FIGHTING Jam』(以下『CFJ』)と『ストIV』では『ストII』時代の体型になり、それと同時に声優も若本規夫へ変更された。使用する技の構成も『ストII』に準じている。主力技の「ダブルニープレス」は『ストII』時代に比べると溜め時間の短縮、移動飛距離の大幅増加がみられる。他には溜め不要の技「サイコバニッシュ」が使えるようになった。『ZERO』時代に追加されたベガワープも使用可能。


注釈

  1. ^ ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』(電波新聞社)ではシャドルーであると説明されている。
  2. ^ スーパーファミコン移植版では初代『ストII』から翼付き髑髏の徽章。
  3. ^ マークをデザインしたカプコンデザイン室室長のSHOEIおよびアイディアを出したあきまんによると、「二流な感じの悪の組織」をイメージしているという[5]
  4. ^ 西村キヌは「ただのおっさんにならないよう、強くて悪そうな奴に見えるように心掛けている」とコメントしている[8]
  5. ^ 『ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』(電波新聞社)でも「サイコパワー全盛期にあたり、調子はバリバリ、体重もヘヴィ」と説明されている。
  6. ^ 『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』のミュージアムモードでは「ローズに倒されたベガは魂が同じ点を利用し、代替ボディが完成するまでローズの肉体を一時的に支配していた」と解説されている。
  7. ^ カプコン側でも『ジャスティス学園』シリーズの鑑恭介が「悪は許さない」と憤慨している。
  8. ^ 『MVC』では春麗のエンディングに登場する。
  9. ^ 『ZERO3』のさくらのエンディングと、『ナムカプ』のアイビス島での沙夜との会話中や、神崎将臣の漫画『スリートファイターII RYU』では「わし」を使用している。
  10. ^ 初代『ストII』から『ストII'TURBO』までのベガの勝利メッセージ、もしくは『スパIIX』および『ハパII』の豪鬼乱入時のガイルのエンディングにて「オレ」を使用している。
  11. ^ サガット自身から「配下になった覚えは無い」との意思を伝えられたときは、「そんなことは最初から望んでいない」と自分の意見を明示している。
  12. ^ 『ストII』当時は名前が明かされていなかった。
  13. ^ 「ダブルニープレス」の移動距離の短縮および技の隙の増大、「ヘッドプレス」から「サマーソルトスカルダイバー」への派生時の速度低下、キャンセルして必殺技に繋げられる通常技の減少など。
  14. ^ ジャンプの滞空時間が長くなり、「ニープレスナイトメア」(Lv1)の無敵時間の減少、「サイコクラッシャー」での攻撃後の着地モーションが地上判定になるなど
  15. ^ 『ZERO』シリーズではスーパーコンボに変更され、技の破壊力が上昇した。『ZERO2'』(家庭用作品)のEXベガや『ZERO3』のX-ISMのベガは通常の必殺技として使用する。『ZERO3』のX-ISMのベガは技名を叫び、3ヒットするようになっている。
  16. ^ 『ストII』シリーズでは通常の溜め技よりも溜め時間が長く設定されている。
  17. ^ 『ナムカプ』でもブルースがそう呼んでいる。

出典

  1. ^ 月刊ゲーメスト10月号増刊『ストリートファイターII』P88。
  2. ^ ゲーメストムック『ストリートファイターIII ファンブック』のオフィシャル回答より。
  3. ^ a b c ROUND 1:安田朗さん 後編 | ゲスト | 活動報告書 | CAPCOM:シャドルー格闘家研究所 2021年7月25日閲覧
  4. ^ 『ストリートファイター X 鉄拳 アートワークス』カプコン、2012年4月5日、116頁。ISBN 978-4-86233-344-5 
  5. ^ 『ストリートファイター キャラクターメイキング』ボーンデジタル、2018年11月25日、224頁。
  6. ^ a b 『ストリートファイター キャラクターメイキング』220頁。
  7. ^ 『映画ストリートファイターII メモリアル 公式ファンブック』小学館、1994年9月20日、69頁。
  8. ^ 月刊ゲーメスト7月19日号増刊『スーパーストリートファイターIIX』新声社、1994年、62頁。
  9. ^ 『STREET FIGHTER V CLIMAX ARTS + ZERO to 6』双葉社、2023年2月25日、25頁。 
  10. ^ ゲーメストムックVol.47『ギャルズアイランド スイートメモリー』の開発者インタビューより。
  11. ^ イーカプコン限定特典「STREET FIGHTER V ARCADE EDITION A Visionary Book II」3頁。
  12. ^ a b c 『COMPLETE FILE STREET FIGHTER II』発行:カプコン、発売:朝日ソノラマ、1992年、59頁。
  13. ^ 月刊ゲーメスト10月号増刊『ストリートファイターII』P83。
  14. ^ カプコン公式サイト ストリートファイターの歴史・座談会第2回(インターネットアーカイヴに保存されたもの) - ここで名前の変更の経緯について触れられている。
  15. ^ a b 宝島社『モンスターストライク最強攻略BOOK5』P80。
  16. ^ 劇場版アニメ『ストリートファイターII MOVIE』および『ZERO』シリーズ。
  17. ^ 『ALL ABOUT ストリートファイターEX』より。
  18. ^ ゲーメストムックVol.16『ストリートファイターZERO』より。
  19. ^ a b 『月刊ゲーメスト10月号増刊 ストリートファイターII』新声社、1991年10月1日、85頁。 
  20. ^ a b 『COMPLETE FILE STREET FIGHTER II』73頁。
  21. ^ 『映画ストリートファイターII メモリアル 公式ファンブック』74頁。
  22. ^ スパIV・開発ブログ『第25回:旧キャラの改善点について その2』より。
  23. ^ 増刊ファミコン通信 攻略スペシャル』株式会社アスキー、1993年6月11日、179頁。 
  24. ^ Vジャンプ』2015年9月号「モンスターストライク×ウルトラストリートファイターIV 開催期間2015年7月17日 - 2015年7月31日」P210 - 211。
  25. ^ 『ロマンアルバム 映画「ストリートファイターII」 華麗なる春麗の世界』徳間書店、1994年11月15日、41頁。
  26. ^ 『コミックボンボンスペシャル95 完全保存版 ストリートファイターII ザ・ムービー パーフェクトアルバム』講談社、1994年11月30日、91頁。
  27. ^ キャラ図鑑200:ファントム ベガ|キャラ図鑑|活動報告書|CAPCOM:シャドルー格闘家研究所 2016年11月17日。
  28. ^ 【今日のゲーム用語】「ベガ立ち」とは ─ 観戦者が多い対戦格闘ゲームにて生まれた言い回し”. INSIDE (2014年10月10日). 2023年4月26日閲覧。
  29. ^ 『ストリートファイター 俺より強いやつらの世界展』西日本新聞イベントサービス、2020年3月14日、181頁。 





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