フェリックス・ハウスドルフ
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集合論の基礎、ハウスドルフのパラドックス
1914年に『集合論基礎』(Grundzüge der Mengenlehre) を出版し、これが集合論の標準的な書物となる。この書の496ページ以下が、「ハウスドルフのパラドックス」にあてられている。この結果は、後に「バナッハ=タルスキーのパラドックス」の証明に援用された。 グライフスヴァルトは、孤立した地であり、ハウスドルフが唯一の数学者であった。第一次大戦後、彼の研究は解析学に注がれる。1914年の、位相空間の次元(ハウスドルフ次元)、点集合の外測度(ハウスドルフ測度)に関する研究は、後のフラクタル幾何に重要な役割を果たす。
1921年、ボンに移る。1923年には、彼は公理的確率論に、自身の測度論を適用する。ハウスドルフの論文と著作は明快さとエレガントな所が特徴的であり、辛辣だが穏和な性格は周囲の人たちに親しまれた。1927年および1935年に『集合論基礎』の第2版・第3版を出版した(第2版から『集合論』(Mengenlehre) と改題された)。
晩年
ハウスドルフは1935年に退官した。ドイツのナチズムの台頭する中、彼は出国することを快しとしなかった。同僚や学生がドイツを離れ、あるいは戦死する中、彼はボンに留まった。
1942年、ユダヤ人収容所への送致が決まると、ハウスドルフは妻、妻の妹と共に自殺した。
関連項目
- ハウスドルフ空間
- ハウスドルフ測度
- ハウスドルフ次元
- ハウスドルフのパラドックス
- バナッハ=タルスキーのパラドックス
参考文献
- Felix Hausdorff, Grundzüge der Mengenlehre, Leipzig 1914.
- A. MacFarland et al. (eds.), Alfred Tarski: Early Work in Poland—Geometry and Teaching (Birkhäuser)
- 1 フェリックス・ハウスドルフとは
- 2 フェリックス・ハウスドルフの概要
- 3 集合論の基礎、ハウスドルフのパラドックス
固有名詞の分類
20世紀の数学者 |
田口時夫 リチャード・E・ベルマン フェリックス・ハウスドルフ 中山正 溝畑茂 |
19世紀の数学者 |
ヴィト・ヴォルテラ エトムント・ランダウ フェリックス・ハウスドルフ ペーター・グスタフ・ディリクレ オーギュスタン=ルイ・コーシー |
ドイツの数学者 |
リヒャルト・クーラント フィリップ・フルトヴェングラー エトムント・ランダウ フェリックス・ハウスドルフ ペーター・グスタフ・ディリクレ |
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