ファミリーオフィス ファミリーオフィスの概要

ファミリーオフィス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/29 21:21 UTC 版)

一般的に100億円以上[1]の資産を保有する同族及び一族を対象に、投資管理や資産運用などを行い、資産を後の世代に継承し、一族が永続的に繁栄できるよう運営されている。

また、有価証券不動産といった有形資産の管理だけではなく、税金や法律問題の管理、親族間の人間関係の調整、ボーディングスクールの手配など後継者育成業務を行うこともある。

近年は、資産を有効活用したサスティナブルな社会貢献活動の実現に向けて、財団法人および社団法人の設立支援および運営サポートなど、フィランソロピー(英語: Philanthropy)[2]を支援する活動も重要な役割となっている。

ファミリーオフィスの種類

ファミリーオフィスは資産規模やタイプにより3つほどに分類され、主に1000億円以上の超富裕層を対象に1つのファミリーの財産を管理するシングル・ファミリーオフィス、資産100億から1000億の複数のファミリーの財産を管理するマルチ・ファミリーオフィス、資産規模100億円未満のファミリーを対象にプライベートバンクや金融機関などが提供するコマーシャル・ファミリーオフィスとなっている。

ファミリーオフィス運営側の形態は、役員とサポートスタッフを備えた株式会社または有限責任会社であるか、またはそれと同様に運営されている。ファミリーオフィスの提供するサポートは多岐にわたるため、通常であれば、弁護士、税理士、投資顧問業者など各分野の専門家を束ねたチームを組織し、ファミリーオフィス運営者は指揮者のように、プロジェクトに応じて最適なプロ人材をアサインすることも重要な役割になる。

沿革

ファミリーオフィスのルーツは6世紀にさかのぼり、ヨーロッパの王族の資産を管理したのが始まりとされる(諸説あり)[3]

ファミリーオフィスという概念が生まれたのは、19世紀に入ってから。1838年、J.P.モルガンの一族が家族の資産を管理する「モルガン家」を設立。続いて1882年には「ロックフェラー家」がファミリーオフィスを設立[4]したのが、この分野の先駆けとなり、本格的に普及し始めたのは1980年代。2005年以降は、テクノロジー業界の隆盛もあり超富裕層の数が記録的に増加するにつれて、ファミリーオフィスも比例して増加していった。


  1. ^ 奈那, 大槻. “アルケゴス騒動を読み解く | 株価ユーフォリアと超富裕層マネー” (日本語). 週刊東洋経済プラス. 2021年7月12日閲覧。
  2. ^ フィランソロピーとファミリーオフィス:世代を超えて届く贈り物 | Bloomberg | ブルームバーグ” (日本語). Bloomberg Professional Services | Japan (2019年3月12日). 2021年7月12日閲覧。
  3. ^ 中国人富裕層が注目する「ファミリーオフィス」とは? (2016年2月21日)” (日本語). エキサイトニュース. 2021年7月12日閲覧。
  4. ^ ファミリー・オフィスとは? | 経済用語集”. www.glossary.jp. 2021年7月12日閲覧。
  5. ^ a.taka (2017年8月17日). “未来まで資産を残すなら「ファミリーオフィス」を作るべし” (日本語). ストレージ投資オンライン. 2021年7月9日閲覧。
  6. ^ Hartmans, Avery「億万長者はシンガポールに向かう…セルゲイ・ブリンやジェームズ・ダイソンも資産管理会社を設立」『』、2021年2月10日。2021年7月9日閲覧。
  7. ^ シリコンバレー有力者の資産運用会社アイコニック、欧州法人を設立」『Bloomberg.com』。2021年7月9日閲覧。


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