ビロン ビロンの概要

ビロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/15 14:34 UTC 版)

語源はフランス語bille[1]

ビロン硬貨は古代ギリシア時代から中世期まで使われていた。紀元前6世紀から紀元前5世紀にかけて、レスボス島では銅60%、銀40%の硬貨が使われていた。古代でも中世でも、もっと貴金属の少ないビロンが主に使われ、特に銀の含有量は2%未満ということが多かった[2][3]。フランスのリアール[4]ドゥニエ[5]ブルボン朝の時代であっても、ビロンで作られたものがあった。

特にローマ帝国時代のビロン硬貨がよく知られている。紀元2世紀以降のローマ帝国では、デナリウス貨や地方で発行していたテトラドラクマ貨を何度も改鋳したため、銀の含有量が減っていき、青銅の成分が増えていった。2世紀後半に入ると、それらの硬貨は実質的に青銅貨となり、銀を表面に薄く載せる程度になった[6]

日本の江戸時代の丁銀豆板銀などを見ても、海外の貨幣市場では、銀品位50%以上のもの(慶長丁銀・豆板銀、元禄丁銀・豆板銀など)を英語で「silver」、銀品位50%未満のもの(元文丁銀・豆板銀、天保丁銀・豆板銀など)を英語で「billon」と呼んで区別している場合がある。

関連項目


  1. ^ Billon”. Dictionary.com Unabridged (v 1.1). Random House, Inc.. 2009年9月25日閲覧。
  2. ^ Harl, Dr. Kenneth (1998年3月19日). “Early Medieval and Byzantine Civilization: Constantine to Crusades”. tulane.edu. 2009年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月25日閲覧。
  3. ^ Munro, John (2007年1月15日). “Review of Earl J. Hamilton, American Treasure and the Price Revolution in Spain, 1501-1650.”. EH.Net Economic History Services. 2009年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月25日閲覧。
  4. ^ 久光重平『西洋貨幣史』国書刊行会、1995年、797-798頁。 NCID BN12202449 
  5. ^ 前掲 (久光 1995, pp. 986–987) 。
  6. ^ Erik Christiansen, Coinage in Roman Egypt: The Hoard Evidence (Aarhus University Press, 2004) 135-141.


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