リアール (フランスの通貨)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/19 06:55 UTC 版)


フランスにおけるリアール、リアル(フランス語: liard)はかつて使われていた貨幣のひとつ。銅貨とのみ解説されているケース[1]も見られるがこれは末期の姿であり、後述のように銀貨、ビロン貨があり形態は時代ごとに異なった。
初出は1439年でこの時は銀貨であり、3ドゥニエの価値があると定められていた[2]。アンリ2世(在位:1547年 - )の時代にも重量は1.05グラムで品位179/1000という銀貨であった[3]。シャルル9世の治世でも引き続き鋳造され、次代の1583年にアンリ3世はサン・エスプリ(精霊の)と呼ばれるタイプのリアール貨を発行した。これは1578年に創設した同名のサン・エスプリ勲章をかたどった貨幣であったが、ビロン貨であった[4]。
ルイ14世が発行したリアールは銅貨であった[5]。治世中、1654年には3ドゥニエであったものが[6]、1658年に2ドゥニエに切り下げられ[7][8]、1694には再度3ドゥニエの価値に戻された[6]。
フランス革命まで存続し、以後は廃止された[2]。
慣用句として「無一文である」と表現するとき、フランス語では“n'avoir pas un liard” という用例が見られる[1]。
リアールという名前の通貨は、17世紀以降のリュクサンブール、リエージュ、オーストリア領ネーデルラントの銀貨として、主要通貨たる地位を占めるようになった[2]。
脚注
- ^ a b 『ディコ仏和辞典』白水社、2006年、899頁。ISBN 4-560-00038-7。
- ^ a b c 平木啓一『新・世界貨幣大事典』PHP研究所、413頁 。
- ^ 久光重平『西洋貨幣史』国書刊行会、1995年、796頁 。
- ^ 前掲 (久光 1995, p. 797-798) 。
- ^ 前掲 (久光 1995, p. 989) 。
- ^ a b
Guiboud-Ribaud, Serge (2013). Chroniques d'une frontière sous l'Ancien Régime: les 2 Le Pont-de-Beauvoisin (monographie) (フランス語). Paris: Books on Demand. p. 255. ISBN 978-2-322-03140-5. OCLC 859446456. BNF: 43668107s。
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も指定してください。 (説明) - ^ Arrêt du conseil d'État du Roi du 20 juin 1658 par lequel Sa Majesté veut que les liards n'aient cours que pour deux deniers seulement .
- ^ Arrêt du conseil d'État du Roi du 20 juillet 1658 par lequel sa Majesté ordonne que les liards n'auront cours que pour un denier seulement .
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