パトルイユ・スイス 沿革

パトルイユ・スイス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/18 14:39 UTC 版)

沿革

空軍創設50周年とローザンヌで開かれた国内博に合わせて1964年に編成された。当時はホーカーハンター戦闘機を使用しており、機体下部が赤白、機種にチームエンブレムを描いただけの塗装であったが、1995年F-5EタイガーII戦闘機に機種転換した際、赤と白のスイスの国旗をイメージした塗装になっている。

編成

同チームはショーシーズンに非常時編成されるパートタイムチームであり、メンバーの訓練は2週に1度の月曜日にホームベースであるエメン空軍基地に集合し、その日1回の訓練飛行を行って技量を維持しており、しかも普段からF-5に搭乗しているメンバーはいない(メンバー全員がF/A-18のパイロット)という状態である。にもかかわらず、2016年に事故を起こすまで半世紀もの間事故を起こさなかった。

ヨーロッパでは数少ない戦闘機(超音速機)を使用したチームで、演技内容もヨーロッパスタイルとアメリカンスタイルとを組み合わせており、年間20回程ヨーロッパ各地での飛行展示を実施している。機体は通常の訓練飛行でも標的曳航などに使われている。

Call Sign Position Name
Tiger Zero Commander Lt Col Nils Hämmerli „Jamie“
Tiger Uno Leader Hptm Gunnar Jansen „Gandalf“
Tiger Due Right Wing Hptm Claudius Meier „Mac“
Tiger Tre Left Wing Hptm David Pereira „Pepe“
Tiger Quattro Slot Hptm Martin Schär „Jaydee“
Tiger Cinque 2nd Solo Hptm Lukas Nannini „Bigfoot“
Tiger Sexi 1st Solo Hptm Michael Duft „Püpi“
Tiger Sette Spare Pilot /Filmer
Tiger Otto Speaker Lt Col Christian Trottmann „Trotti“
Tiger Nove Speaker Hptm Jody Bolomey „Jody“


  • J-3081
  • J-3083
  • J-3084
  • J-3085
  • J-3086
  • J-3087
  • J-3089 (Spare aircraft)
  • V-622 "Felix" Pilatus PC-6 Transport

不祥事

2019年7月6日、アルプス越え飛行を成功させたオスカー・ビーダー没後100年記念式典で展示飛行を行う予定だったが、誤って会場のランゲンブルックではなく西方5~6kmでヨーデル祭りが開催されていたミュームリスビル村の上空で展示飛行をする珍事が起きた[1]

2023年6月15日、ヨーデル祭りでの展示飛行に向けた訓練中に、2番機と3番機が接触。3番機の機体の一部が脱落したが、墜落には至らず、全機無事に着陸した。この事故で、落下した破片により民家に被害が生じ、住民1名が負傷した[2]


  1. ^ 井上孝司「航空最新ニュース・海外軍事航空 パトルイユ・スイス、展示場所を間違える」『航空ファン』通巻802号(2019年10月号)文林堂 P.116
  2. ^ 井上孝司「パトルイユ・スイスのF-5接触事故」『航空ファン』第72巻第9号、文林堂、2023年7月21日、115頁、JAN 4910037430939 


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