チート さまざまなチート

チート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 01:41 UTC 版)

さまざまなチート

オンラインゲームとチート

他人との関係の発生しないオフラインでのチート行為と違い、オンラインゲームにおけるチート行為は、そこにビジネスモデルとその権利の侵害が発生する可能性があり、ゲーム制作会社と運営会社から問題視されることがある[4]

2000年代現在ではMMORPGや、その他プレイヤー同士でリアルタイムの対戦が可能ゲーム(レースゲームFPSなど)において、これらチート行為を行うことに絡む問題が発生している。

わかりやすい例としては、レースゲームで自分のレースカーが存在する座標を書き換えて、スタート直後に「ゴール前へ置く」(ゴール前にワープさせる)というチート行為が挙げられる。こうなると他のレース参加者はチート行為を行ったプレーヤーを絶対的に追い抜くことはできない。ほかにも走行時間の計測をスタート時から停止して走行させ、普通に走った場合では出ない「0.000秒」でゴールした場合、他のプレーヤーはチート行為のタイムを追い抜くことができない。また、各レースカーの性能を決定するデータが書き換えられ、本来のゲームでは絶対にありえない性能のレースカーをチート行為で作成した場合も不公正となる。これらの行為をゲーム提供側はバージョンアップやチート防止ソフトなどで防止策を組み込むことになる(ゲーム提供側の防止策については#対策と対応を参照)。

オンラインゲーム上のアイテムや、スマホアプリアカウント現金で売買するリアルマネートレーディング(RMT)と呼ばれる市場において、チート行為によって不正に入手したレアアイテム(またはレアアイテムを含むアカウント)を販売する者もいる[4]。チート行為実行者が不正な手段でアイテムの売り上げを手にするほか、チートを行わない・それらによって作られたアイテムを購入しないプレーヤーから見て、不公正な状態になる[4]。より多くのプレーヤーに楽しんでもらうためなどの理由でゲームバランスを調整するゲーム提供企業の意図を超えてアイテム流通量が増加し、ゲームのバランスを壊す可能性もある[7]。結果的に、チートを行うプレーヤーの増加によりゲーム自体の魅力が損なわれ、一般プレーヤーが減少する可能性を指摘する声もある[3]

シミュレーションとチート

シミュレーションゲームを含むコンピュータシミュレーションでチート行為を行った場合、当然ながら計算結果はシミュレーション制作者の意図したものと異なる。シミュレーションゲームではある仮定された現象にユーザーが特定要素を操作する形で現象に参加し、その結果の変化を楽しむ性格のコンピュータゲームではあるが、シミュレーション上におけるチート行為では、本来ユーザーが変更できない要素までをも(制作者が意図した範疇を超えて)操作可能になることから、愛好者筋においては批判的に認識される。一方でシミュレーション過程が難解で、ゲーム過程よりもエンディングなど結果だけを見ることを優先する欲求も存在する。しかしゲームの難易度によってはプレーヤー側が逆に不利になるチート行為で緊張感を楽しむ場合もある。

オフライン(シングルプレイ)の場合は、版権元(メーカー)がそういった操作を行ったユーザーを告訴することは第三者などへの頒布を伴わない限りあまりない。理由としては、前述の通り「オフラインならユーザーの自己責任で使って問題がないとされ、万が一意図しない不具合が発生しても開発者(デベロッパー)は責任を負わなくてよい」とする解釈も存在することや、「自己責任で正規に使用許諾を受けたプログラムをクラッキングをしても他人に影響を与えない」ことがあり、また取り締まるにも許諾元が改造の事実を知りうる可能性がまずないことがある。さらにメーカー自身が「チートモード」などと呼ぶ、ユーザーを楽しませるための「お楽しみ」機能を実装している場合もある。

コンピュータ側の「チート」

以下に述べる「コンピュータ側のチート」は他で述べる「制作者の意図しない外部からの技術的操作」ではなく、制作者側が意図してプログラム中に組み込んでいるものである点が大きく異なる。プレーヤーに対抗するコンピュータ側、いわば仮想プレーヤーの思考を司るアルゴリズム設計の手法がまだ確立されていなかったり容量の限界で入らなかった時代から、このアルゴリズムの「弱さ」を他で補うために行われてきた。

具体的には、1980年代からしばらく麻雀対戦コンピュータゲームにおいて擬似乱数でいきなりコンピュータ側の勝ちを決定するなど粗雑なアルゴリズムが見られた。例えるなら、コンピュータ側が密かにさいころを振って、当たりが出れば牌の状態に関係なく麻雀勝負に無条件で勝つというものだ。作品によってはプレイ料金を取り、しかもコンピューターが役満など通常では成立しづらい役を何度も和了するゲームも存在したことから、麻雀ゲームのファンはこういったゲームシステムを「イカサマ」と呼んだ。後に、ハードウェア性能やプログラムの思考ルーチンが向上してくると、「イカサマなし」を売り文句にする麻雀ゲームも登場した。

そして、コンピューターの性能が段違いにアップしてきた2000年以降は、プレイヤーが負けてくるとアイテムを出して楽しくプレイさせたり、敵キャラクターを弱くするなどの救済措置を用意するのもある。

これらはゲームの難易度を調整するテクニックだが、プレイヤー側とコンピュータ側とで確かな不公平が存在することになり、行うほどにそれを増やしてしまう手法になるので、あまりにできが悪い場合とかえって難易度を下げるおそれもあるため、プレイヤーに問題視される。

チートモード


  1. ^ 中嶋謙互 『オンラインゲームを支える技術  --壮大なプレイ空間の舞台裏』 技術評論社、2011年、p152-153。ISBN 4-7741-4580-7
  2. ^ a b 愛甲健二 『たのしいバイナリの歩き方』 技術評論社、2013年、p70。ISBN 4-7741-5918-2
  3. ^ a b ふぉーんなハナシ:ソーシャルゲーム時代の“チート”行為は深刻なユーザー離れをもたらすか? ITmedia Mobile 2014年11月27日
  4. ^ a b c d e f スマホゲーム不正「裏技」横行…ポケGOでも 読売新聞 2016年9月13日
  5. ^ 「FF XI」運営チームがスペシャルタスクフォースの最新動向を報告 GAME Watch 2009年9月2日
  6. ^ ライオットアクトなど(アップデートおよびDLC導入が必要になる)。
  7. ^ 中嶋謙互 『オンラインゲームを支える技術  --壮大なプレイ空間の舞台裏』 技術評論社、2011年、p157。ISBN 4-7741-4580-7
  8. ^ エーペックスレジェンズ:CS機の非公認コンバーターは完全禁止、EA/Respawnの最新公式見解
  9. ^ Switch版「フォートナイト」2,000時間プレイの凄腕中学生、「GameSir VX」のマウス&キーパッド環境でさらなる上達なるか!?
  10. ^ 『スペルブレイク』コンバーター使用のチートも報告対象―『Apex Legends』では全面禁止に
  11. ^ a b c d 中嶋謙互 『オンラインゲームを支える技術  --壮大なプレイ空間の舞台裏』 技術評論社、2011年、p154。ISBN 4-7741-4580-7
  12. ^ サイファー・テックがスマホアプリメーカー向けに“チート被害把握キャンペーン”を開始”. ファミ通App (2016年2月26日). 2018年1月28日閲覧。
  13. ^ スクウェア「FF XI」、不正行為に対する処罰を実施 GAME Watch 2003年1月9日
  14. ^ 精力的なアップデートでさらに進化する「タイタンフォール」スタッフインタビュー GAME Watch 2014年6月2日
  15. ^ グランド・セフト・オートVの「負け犬」制度
  16. ^ GameGuard など
  17. ^ サイファー・テック、ゲームアプリのチートを防ぐためのコンサルサービスを開始 GAME Watch 2014年11月20日
  18. ^ 中嶋謙互 『オンラインゲームを支える技術  --壮大なプレイ空間の舞台裏』 技術評論社、2011年、p156-157。ISBN 4-7741-4580-7
  19. ^ PC版『Titanfall』のアンチチート機能と「FairFight」、チーターはチーターとのみマッチングする仕様へGame*Spark記事
  20. ^ ウイルス作成容疑、中高生を書類送検 IDなど不正取得 朝日新聞デジタル 2013年11月14日
  21. ^ “ゲームで不正プログラム使用、業務妨害容疑で書類送検”. 朝日新聞社. (2014年6月25日). オリジナルの2014年6月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140628212109/http://www.asahi.com/articles/ASG6T52BTG6TULOB016.html 2014年6月29日閲覧。 
  22. ^ オンラインゲームで不正プログラム、販売行為で初摘発、容疑で兵庫の男逮捕、警視庁(産経新聞2015年5月13日)[1]
  23. ^ Dell、“狂ゲーマー”でも満足できるゲーミングノート「G」シリーズ PC Watch 2018年4月4日






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