セルフケア不足看護理論 セルフケア不足看護理論の概要

セルフケア不足看護理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/10 08:01 UTC 版)

この理論は、セルフケア理論、セルフケア不足理論、看護システム理論の3本柱より成り立っている[1][2]

セルフケア要件

オレムは3タイプのセルフケア要件を明らかにしている[3]

  • 普遍的セルフケア要件。全ての人間は共通のニーズを持っているとされる。
  • 発達的セルフケア要件。人間の胎内から成人に至るまでの各ライフサイクルで、時期別に必要とされる。
  • 健康逸脱に対するセルフケア要件。損傷・疾病を治療またはコントロールする

普遍的セルフケア要件

健康を保つために必要な、8つの普遍的セルフケア要件(The Universal Self-Care Requisites)は以下とされる[4][5]

  1. 十分な空気摂取の維持
  2. 十分な水分摂取の維持
  3. 十分な食物摂取の維持
  4. 排泄過程と排泄物に対するケアの維持
  5. 活動と休憩のバランスの維持
  6. 孤独社会的相互作用の維持
  7. 人間の生命・機能・安定に対する危険の予防
  8. 人間の潜在能力、既知の能力制限、および正常でありたいという欲求に応じた、社会集団の中での人間の機能と発達の促進

看護者は、このそれぞれのセルフケアに対して、援助モデルを組み立てるとされる。

発達的セルフケア要件

発達的セルフケア要件について、オレムは次の2つの下位分類を上げている[4]

  1. 生命過程を支え、発達過程を促進する状態、すなわち人間構造のより高いレベルでの組織化と、各期間における成熟に向けての人間の進歩を促進し、維持する。
  2. 人間の発達を阻害する可能性のある状態に対するケアの提供。
    1. そのような状態による有害な影響の発生を、予防するためのケアの提供
    2. そのような状態を和らげたり、克服するためのケアの提供

たとえばオレムは、教育剥奪、社会的適応の問題、健全な個性化の失敗、親族・友人・同僚の喪失、財産喪失・職業的安全の喪失、未知の環境への突然の転入、地位に関連した問題、不健康もしくは廃疾、苦しい生活状態、末期疾患及び差し迫った死、などを挙げている[4]

健康逸脱に対するセルフケア要件

疾病または障害によって生じるニードである

セルフケア不足

個人が自身のセルフケア要件を満たせないとき、「セルフケア不足」が発生する[2]。看護者はこれを発見し、必要に応じて援助するとされる。




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