スヴァリイェ級海防戦艦 機関

スヴァリイェ級海防戦艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/15 16:29 UTC 版)

機関

写真は「ドロットニング・ヴィクトリア」の機関室。

機関配置は機関区前部にボイラー室、後部に機関室を配置するオーソドックスな様式であった。ボイラー6基あたり煙突は1本で2本煙突となった。

ボイラー形式は3隻とも同じでヤーロー式石炭・重油混焼水管缶12基だが、推進機関は1番艦と2番艦以降で異なり、「スヴァリィエ」はウエスチングハウス式直結タービンを低速型と高速型を1組とする2組4軸推進であった。一方、「ドロットニング・ヴィクトリア」と「グスタフ5世」はモータラ(Motala)式ギヤード・タービンを2基2軸推進となっていた。燃料は石炭776トンと重油100トンである。

就役後の1930年後半に3隻は機関の更新が行われた。「スヴァリィエ」はペノエ式重油専焼水管缶4基で最大出力は25,400馬力。「ドロットニング・ヴィクトリア」「グスタフ5世」はヤーロー式6基とペノエ式2基の混載となり出力は23,900馬力と異なった。。この時に石炭が廃止されたために燃料タンクは重油のみとなり、搭載量は273トンに増加された。

防御

1923年時の武装・装甲の配置を示した図
解体途中の「ドロットニング・ヴィクトリア」。主砲塔の装甲の厚みが良く判る写真。

本級の装甲様式は前級に引き続き全体防御であったが、艦形の大型化により防御重量は排水量の約26%にも達した。装甲はニッケル鋼製でチーク材の上からボルトで留められた。しかし、水雷防御用の水線下の装甲は無く、対応防御として船体は水密隔壁により13のブロックに分けられていた。

舷側防御は高さ2mの水線部装甲が最も厚い部分で203mmから末端部は152mmへとテーパーした。艦首と艦尾部は152mmから102mmであった。水線部から上の舷側装甲は100mm装甲が主砲塔の間に貼られた。水平防御は主甲板の平坦部は30mm、舷側装甲に接する傾斜部は45mmが貼られた。

主砲塔は最厚部で203mmで側面部は130mmでしかなく、バーベットも同様に甲板上は203mmであるが甲板下は150mmであった。副砲塔は最厚部で130mmで副砲バーベットは甲板上は100mmであった。

同型艦

1912年12月12日にヨーテボリ造船所にて起工、1915年3月5日進水、1921年3月12日竣工、1958年解体。
1915年7月にヨーテボリ造船所にて起工、1917年進水、1921年12月3日竣工、1958年解体。
1914年12月にマルメ造船所にて起工、1918年1月31日進水、1922年12月12日竣工、1970年解体。

  1. ^ 九、瑞典[1](中略)沿岸防禦艦隊は海防艦(小型戰艦)三隻、飛行機搭載艦一隻、驅逐艦八隻、ヴェデット・ボートと掃海艇とで合計八隻、潜水艦十隻及び若干の雑艦艇から成立つてゐる。(中略)彼のスヴェリジ級(Sverige)の諸海防戰艦に對しては、或る程度の近代的改造が行はれてある。而して其の所要經費は五三,〇〇〇,クローネとなるであらう。(以下略)
  2. ^ イギリスは海防艦 (Coast Defense Ships) 、ドイツ海軍の分類ではPanzerschif(いわゆるポケット戦艦)もしくはKüstenpanzerschiff(沿岸防御装甲艦)となる。
  3. ^ 「スヴェリィジ」とも[2]
  4. ^ ヴァイナモイネン級沿岸防備艦とも[4]

脚注

  1. ^ ブラッセー海軍年鑑 1937, pp. 38–39原本51-52頁
  2. ^ 世界海軍大写真帖 1935, p. 66d(瑞典)戰艦スウェリィジ(一九一七年竣工)排水量七〇一〇噸、時速二二節半。前方煙筒は艦橋構造の妨げとならざるやう後方に傾斜せしめられ第二煙筒は舊態を變ぜず。
  3. ^ 世界海軍大写真帖 1935, p. 66c(瑞典)戰艦グスターフ五世號(一九二一年竣工)排水量七〇一〇噸、時速二二節半。一九二九~三〇年度の再建策の際煙筒及び上部構造が改變された。
  4. ^ 世界海軍大写真帖 1935, p. 67(芬蘭)沿岸防備艦イルマリネン(一九三三年竣工)排水量四〇〇〇噸。速力一六節。十吋高角砲の最大限仰高度五十度。
  5. ^ 橋本、海防戦艦 2022, p. 246.
  6. ^ 橋本、海防戦艦 2022, p. 247.
  7. ^ 橋本、海防戦艦 2022, p. 248.






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