スリクリーン 社会

スリクリーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/11 03:13 UTC 版)

社会

スリクリーンは過酷な砂漠に適応した遊牧民であり、弱肉強食の厳しい掟に生きる狩人である。彼らの属性はおおよそが“混沌にして中立”で、第4版では“無属性”である。

スリクリーンは砂漠の環境に耐えきれる屈強な者、知恵のある者には敬意を示し、砂漠の外に住む軟弱な者、怠惰な者たちは弱者であるとして蔑んでいる。

スリクリーンの文化において狩りは重要な主題である。彼らは物事を狩人と獲物という関係で捉える。戦闘は狩りの一種であり、生活の糧を得るためか自衛のために必要最低限行うものである。自ら殺意のままに襲撃をすることはないが、それでも縄張りを荒らす者には容赦しないし、攻撃した者に対しては躊躇うことなく反撃する。ただし、エルフの肉は大好物である[5]
スリクリーンにとって人生のあらゆる行動が狩りである。決闘は序列を得るためか復讐、あるいはスリルを得るための狩りである。読書は知識を得る狩りである。冒険は富と栄光のための狩りである[6]

スリクリーンは生来のサイオニック能力者であり、彼らはこの能力を“祖先の記憶”(Ancestral memory)と呼んでいる。彼らは各々の精神に祖先の霊魂が連綿と受け継がれていると信じており、強靱なスリクリーンはたとえ子がないまま死んでも霊魂は“祖先の記憶”に組み込まれ、後継者に受け継がれるものとしている。そのため、スリクリーンは死を恐れず、惰弱なままで忘れ去られるよりは死を選ぶ[6]

狩りに従事していないスリクリーンは武器の製造や修理、若者への教育、そして芸術活動(主に彫刻)に費やす。彼らは自らの外殻にエッチングを施したり、ペイントをして飾り立てる。なお、外殻を持つスリクリーンは鎧兜を着用することはなく、荷物を提げるハーネスを着用している[4][5]

クラッチとパック

スリクリーンは通常、クラッチ(Clutch)と呼ばれる小集団で活動している。
このクラッチとは同時に産まれ、無事に孵化した兄弟たちを表し、彼らとの間で最初のクラッチとして堅い結束を結ぶ。スリクリーンは“祖先の記憶”によって産まれた直後から言語を介し、狩りの手法を知る。彼らは互いに協力して狩りを行うが、やがて強靱な個体がクラッチのリーダーとなり、厳格な序列が構成される。そして成長すると、冒険者仲間や狩猟隊といった新しいクラッチを組織する。そうしたクラッチが集合し、パック(Pack)と呼ばれる大集団を構成する。

パックが構成されると、所属するメンバーは個々の実力を確かめ合う。それは問答であったり、時には決闘であったりする。こうしてパック内では厳密な序列が構築され、一番優秀な個体がパックの指導者となる。パックは厳然たる独裁制ではあるが、あくまでもクラッチを第一とするスリクリーンにとって指導者と構成員との間に主従関係は存在しない。各構成員は指導者に対し、自由に意見し助言をし、指導者に地位に見合った働きを要求する。これはクラッチ内でも同様で、各構成員はクラッチの序列を堅持し、指導者を支えなければならないのと同時に、リーダーの資質を常に問い、非力なリーダーが地位を保つことがないよう挑戦しなければならない。

群れを離れ、他の種族の冒険者たちと組んでいる時も、スリクリーンはパーティを新たなクラッチとみなして活動する[2][6]

ギスカとチャトクチャ

ギスカ(Gythka)とチャトクチャ(Chatkcha)はスリクリーン愛用の武器である。金属がほとんどないダーク・サンの世界では骨や牙、木によって作られている。

ギスカは棒の両端に槍の穂先と三日月型の突起がついた両刀武器である。

チャトクチャはスリーダイヤの形状をした手裏剣である。多くのチャクトチャには装飾が施されており、幾つかのチャトクチャは先祖伝来の家宝として代々のパックに受け継がれている。もし家宝のチャトクチャが奪われたりしたら、スリクリーンは名誉にかけて取り戻そうとする[5]


  1. ^ リチャード・ベイカー、ブルース・コーデル『Dark Sun Creature Catalog』Wizards of the Coast (2010) ISBN 978-0786954940
  2. ^ a b c d e リチャード・ベイカー、ロバート・J・シュワルブ、ロドニー・トンプソン『Dark Sun Campaign Setting』Wizards of the Corsts (2010) ISBN 978-0-7869-5493-3
  3. ^ a b Douglas Niles、Dale A Donovan『Player's Option: Skills & Powers』TSR (1985)
  4. ^ a b ブルース・コーデル『サイオニクス・ハンドブック第3.5版』ホビージャパン (2005) ISBN 978-4894253964
  5. ^ a b c Tim Beach『Monstrous Manual』TSR (1992)
  6. ^ a b c クリス・シムス“Winning Races: Thri-Kreen”『Dragon』#411 Paizo Publishing (2012)
  7. ^ マイク・ミアルズ、グレッグ・ブリスランド、ロバート・J・シュワルブ『ダンジョンズ&ドラゴンズ 第4版基本ルールブック モンスター・マニュアルⅢ』ホビージャパン (2010) ISBN 978-4-7986-0144-1





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「スリクリーン」の関連用語

スリクリーンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



スリクリーンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのスリクリーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS