スピードウェイ (オートバイ) レース

スピードウェイ (オートバイ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/03 05:30 UTC 版)

レース

スタート直前

レース(ヒート)は4人のライダーが、スタートエリアとして4つに分けられたグリッドに並び、スタンディングスタートから4周する。ライダーは色が付けられたヘルメットまたはヘルメットカバーを着用しており、個人戦ではヘルメットの色はレースでのスタートする位置を表している。赤は内側の「ゲート1」で、以下は青が「ゲート2」、白が「ゲート3」、黄[注釈 5]が「ゲート4」と外側に並ぶ。なお2チームが2人ずつライダーを走らせるチーム対抗のリーグ戦ではホームチーム側が赤・青のヘルメット、ビジターチーム側は白・黄[注釈 5]のヘルメットを着用し、ヒートごとにゲート1・3とゲート2・4をチーム配置が公平になるよう入れ替える。また4チームがヒートごとに1人ずつライダーを出す対抗戦では色に関わらず事前にゲートの位置が決められている。ライダーはスタート時に他人の力を借りず自分でレーサーをゲートまで運転し、横一列に並ばなけらばならない。またチーム戦では各チームのライダーが入れ替わりでゲートの位置まで移動しなければならない。

ライダーは決められた時間内にスタートラインに並ばないと失格になる[注釈 6]。並ぶまでの時間は2分間で、レフェリーがベル・オレンジ回転灯・デジタルタイマーのいずれかにより表示しており、それまでにライダー全員が自分でスタートラインに並ばなけらばならない。ただし2つのレースに連続して出走するライダーがいる場合などは、審判の判断でレースの間隔を開け、ライダーに対し準備のための時間を与えることがある。

ブロードサイディング(en:Broadsiding)でコーナーを回るレーサー

スターティングゲートには2本以上のテープがスタートライン上に張られており、緑の信号が出たらライダーはテープから10cm以上離れ、テープが持ち上がるまで動いてはならない。動いてテープに触れた場合は不正スタートと判定され、ペナルティ[注釈 6]がつけられる。

レフェリーによりゲートのテープが持ち上げられたらスタートとなり、ライダーはトラックの境界から両輪がはみ出さないように、反時計回りにトラックを周回しなければならない。スタートはレースにおける全てを握る重要なもので、「ゲーティング」と呼ばれるスタートからの正しいコース取りができれば最初のうちは他のライダーより優位に立てる。ただしレースが進めば平均速度を上げることのほうが重要になる。またライダーはリスクを覚悟でレースラインと呼ばれるコース取りより、トラックにあるグリップの良い場所を探し、それを見つけることができれば、内側や外側を走る他のライダーより速いスピードで走れ優位に立てることもある。

ライダーはレーサーで横滑りしながらコーナーを回るが、この時パワースライドやブロードサイディング[注釈 7]というテクニックで後輪に表面上を削るような勢いを与え、車体を曲げつつコーナーを回っていく。この時ライダーはコーナーの内側となる左脚を移動させてバランスを取っており、場合によっては左足を地面に擦りつけるため、左足にはブーツの下に鉄製の靴を履いている[4]。スピードウェイにおけるライダーの技量は、コーナリングの際にレーサーを減速させつつ進むコースを確保するライディングをできるかどうかに全てがかかっている。

レース中はライダーがエンジンの押しがけを含めて他人の手助けを受けることはできない。かつては押しがけの手助けが認められスタートラインから30mの位置に押しがけの許容限度となる白線が引かれていたが、現在は安全上の問題があることから手助けは認められない。


  1. ^ 場合によっては6人のライダーによりレースが行われることもあるが、ほとんどのトラックではスペースが狭くなりライダーの安全が確保できないことから、通常は行われない。
  2. ^ 0 to 60mph として加速性能を表す指標になっている。
  3. ^ 主にオーストラリアニュージーランドで使用。
  4. ^ a b Speedway World Championships.による。FIM規定とは若干異なる。
  5. ^ a b 昔は黄色と黒を塗り分けたものが使用されていた。
  6. ^ a b なおイギリスのリーグ戦ではチーム側が、15メートル罰退スタートか、失格したライダーを控えのライダーに交代させるか選べる。
  7. ^ スピードウェイにおけるカウンターステアもしくは逆ハンドル。
  1. ^ a b c d e 2015 FIM Standards for Track Racing Circuits (STRC)” (PDF). Federation Internationale de Motocyclisme (2015年). 2015年10月25日閲覧。
  2. ^ “Safety first for Bees”. Coventry Telegraph. (2002年). http://www.coventrytelegraph.net/coventry-warwickshire-sport/coventry-bees-speedway/coventry-bees-news/2002/01/30/safety-first-for-bees-92746-11577972/ 2008年9月10日閲覧。 
  3. ^ a b c 2015 Track Racing Technical Rules”. Federation Internationale de Motocyclisme (2015年). 2015年10月25日閲覧。
  4. ^ WHAT IS SPEEDWAY? - British Speedway Official Website





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