サーマルプリンター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 04:24 UTC 版)
近年の傾向
2019年現在、日本の家庭用サーマルプリンタ市場はキヤノンがほぼ独占しており、特に直接感熱記録式プリンターであるキヤノンのiNSPiCシリーズが圧倒的なシェアを持っている。もともとキヤノンは2017年まで昇華型熱転写プリンターの「SELPHY」シリーズでフォトプリンタ市場トップだったが、2018年に発売した直接感熱記録方式(ZINK (Zero Ink)方式を採用)の「iNSPiC PV-123」がSELPHYシリーズを遥かに上回る大ヒットとなり、2L判以下のインクジェットプリンタを含めたフォトプリンタ市場全体を含めた場合でも、2018年発売の「iNSPiC PV-123」1機種だけで日本における市場シェアが5割に上る[3]。主に、フォトプリンターと言うよりもスマホ対応のシール印刷機として使われているとのこと。
また、白黒印刷のみだが、トナーやインクカートリッジを使うことなく印刷できるタイプであるこのプリンターの種類は、トナーなどを使うものと比べはるかに少ないが、2024年現在でもブラザーなどが家電量販店などで販売している。[1]
サーマルプリントヘッドのメーカー
1970年代のプリンタ電卓(プリンターを搭載した電卓で、キャッシュレジスターシステムが普及する前にはレジ代わりとしても使われていた)時代から1980年代のファックス時代にかけて、日本メーカー各社がサーマルプリンタの品質向上にしのぎを削った経緯から、サーマルプリンターは伝統的に日系企業が強く、サーマルプリントヘッドの市場シェアは2021年現在、京セラが最大手で、ロームが2位、山東華菱電子(三菱電機のサーマルプリントヘッド事業を継承した山東省の中日合弁企業で、三菱と伊藤忠商事が合わせて5割の株を持つ)が3位、以下、アオイ電子、東芝ホクト電子、ミタニマイクロニクスと、日系メーカーだけで市場をほぼ独占している[4]。京セラのサーマルプリントヘッドの発熱抵抗膜の生成に使われるスパッタリングターゲット材料を供給している高純度化学研究所によると、京セラのサーマルプリントヘッドは綺麗で速いため、特にコンビニのレシートプリンターにおける京セラのサーマルプリントヘッドのシェアは5割に上るとのこと[5]。なお、京セラとロームの世界シェアはほぼ同じで、ロームも「トップメーカー」を主張している[6]。
関連項目
- ^ “MD-5500販売終了のお知らせ”. アルプス電気株式会社 (2009年12月18日). 2010年2月1日閲覧。
- ^ プロフェッショナルプリンティング事業戦略説明会 セイコーエプソン株式会社、2016年
- ^ フォトプリンタでシールプリントの「iNSPiC PV-123」がシェア5割超え - BCN+R
- ^ Thermal Print Heads Market to Witness Huge Growth by 2025| Kyocera, AOI Electronics, ROHM, Gulton, Mitani Micro, Shandong Hualing – The Daily Chronicle
- ^ https://www.kojundo.co.jp/dcms_media/other/magazine2.pdf
- ^ サーマルヘッド | プリントヘッド | エレクトロニクス豆知識 ローム株式会社-ROHM Semiconductor
サーマルプリンターと同じ種類の言葉
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