コミックおきなわ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/20 13:59 UTC 版)
本誌への評価
漫画家・評論家のいしかわじゅんは、自著のエッセイの中で本誌を取り上げており、沖縄発の雑誌としての自負は評価しているものの、掲載作品については「昔ながらの手作り感のある同人誌レベル」とし、「(創刊時の)'87年という時代を考えても、決してレベルは高くなかった」「とりあえず、できる範囲の、手の届く範囲の才能を集めてみたという印象だった」と評している。また、本誌に掲載していた作家たちについても上達不足である点を厳しく指摘している[9]。ただし、作家メンバーの一人であった大城ゆかに関しては、本誌休刊後に自身の単行本作品『山原バンバン』を発表した際、同作品について「自分の描くものをきちんと理解している。(中略)自分のできる範囲を知り、その中で、きちんとできるだけのことをやっている」とおおむね好意的に評価している[10]。ちなみに『山原バンバン』に関しては、作家の池澤夏樹も週刊文春でのコラムにて同作品の出版を「待ちかねていた」と綴っている[11]。
脚注
書籍
- いしかわじゅん『漫画の時間』(晶文社、1995年11月、ISBN 4794962320)
- 天空企画(編)『沖縄ポップカルチャー』(東京書籍、2000年7月1日、ISBN 978-4487795369)
- 大城冝武「沖縄コミック史」pp.182-192
- 島袋直子「コミックおきなわ奮戦記」pp. 193-207
- 琉球新報社(編)『最新版 沖縄コンパクト事典』(琉球新報社、2003年3月1日、ISBN 4897420504)
- いしかわじゅん『秘密の本棚:漫画と、漫画の周辺』(小学館クリエイティブ、2009年5月、ISBN 4778031121)
- 大城房美、一木順、本浜秀彦(編)『マンガは越境する!』(世界思想社、2010年3月17日、ISBN 978-4790714613)
- 島袋直子「沖縄とマンガ:地方から発信するということ」pp. 206-228
- 勝方=稲福 恵子、前嵩西一馬(編)『沖縄学入門:空腹の作法』(昭和堂、2010年4月1日、ISBN 978-4812209745)
- 本浜秀彦『「オキナワン・コミックス」の表象文化学:マンガが描いた戦争・基地・スポーツ』 pp.198-225
- 池澤夏樹『沖縄への短い帰還』(ボーダーインク、2016年5月25日、ISBN 4899823029)
外部リンク
注釈
引用
- ^ a b c 本浜、p.203-204。
- ^ 『最新版 沖縄コンパクト事典』、p.181。
- ^ a b 大城、p188。
- ^ a b c d e f g h i j 島袋「コミックおきなわ奮戦記」、p194-206。
- ^ a b c d 島袋「沖縄とマンガ:地方から発信するということ」、p213-220。
- ^ “"最南端のマンガ編集部"「コミックチャンプルー」と沖縄マンガの12年”. マグミクス (2019年1月21日). 2021年7月20日閲覧。
- ^ “沖縄マンガをネットで配信!?【島ネタCHOSA班】”. 琉球新報社 (2019年3月11日). 2021年7月20日閲覧。
- ^ “コミックおきなわ電子書籍化 アーカイブ化へ情報募る”. 琉球新報社 (2016年8月6日). 2021年7月20日閲覧。
- ^ いしかわ「秘密の本棚」、p.296-300
- ^ いしかわ「漫画の時間」、p.209-211
- ^ [池澤、p.102-103]
- 1 コミックおきなわとは
- 2 コミックおきなわの概要
- 3 本誌への評価
- コミックおきなわのページへのリンク