ウォーハンマー (ミニチュアゲーム) ウォーハンマー (ミニチュアゲーム)の概要

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ウォーハンマー (ミニチュアゲーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 19:33 UTC 版)

ウォーハンマー (ミニチュアゲーム)

駒として使用されるミニチュアは未彩色、未組み立てであり、購入者自身で彩色や成形を行う[2]。こうしたクラシカルなタイプのミニチュアゲームとしては、現在では世界最大のシェアを持つ。 剣と魔法のファンタジー世界「オールドワールド」での戦争を題材とした本作は、1983年に初版が発売されて以来、それまで歴史的戦場の再現が中心であったミニチュアゲームの世界に新風を巻き起こした。このゲームの登場以降、それまでミニチュアゲームの世界の中では低俗として扱われていたSF/ファンタジー系の戦争ゲームも市民権を持つようになっていった。発売元のゲームズワークショップは、イギリス国外での直接販売やルールブックの翻訳も行っており、またイギリスとアメリカは国外への海外通販に対応している。2019年現在、日本においてはゲームズワークショップ日本支社(子会社ではなく、英国本社の直轄。法人番号5700150003173)が輸入・販売を担当している(以前にはボークスが輸入販売を行っていたこともある)。専門店「ウォーハンマーストア」も全て直営である(2023年現在で日本国内に11店舗、全世界では500店舗以上の規模)。

モデリング

ミニチュアはベースサイズ20/25mmのレンジモデルを「一般的な人間」のサイズとしており、それを基準に他のミニチュアのスケールが決定されている。もっともミニチュアの多くはデフォルメされた造形であり、スケールも厳密に決まっているわけではない。ミニチュアのサイズは幅広く5mm程度(複数のミニチュアを1つのベースに載せて使用する)の小さなものから、15cm×22cmの巨大なものまで存在する。 材質は金属(合金)製のピューターと、樹脂製のプラスチックとに大別され、両者の素材からなるパーツを組み合わせる場合もある。金属製のミニチュアはメタルフィギュアと呼ばれ、細かな造形の再現性に優れており、特にキャラクターや精鋭部隊などのモデルに向く。1980年代には、溶融時の流動性が高いホワイトメタルが用いられていたが、昨今の規制の動きにより1990年代には鉛を含まないピューターに変更されている。 プラスチック製は価格を抑えられることから一般兵のモデルに向いており、また重量や後述するコンバージョンのしやすさもあってか、近年では多くのプラ製ミニチュアがリリースされている。これらのプラスチック素材は、日本のプラモデルのそれとは違い粘りがある。 2011年にはメタルフィギュアとしてリリースされていたミニチュアが、レジンキャスト製のミニチュア(シタデル・ファインキャスト)へと変更されている。この背景には世界的なハンダ需要の煽りを受けて、ピューターの原材料である錫相場価格の高騰が生じたためである。また、メタル製のミニチュアが新規に金型を起こされてプラスチック製に更新されることも少なくない。

ミニチュアをキットバッシュ(=換装:パーツ組み換えによる改造)やコンバージョン(パーツそのものの改造)することは積極的に推奨されている。ほかのミニチュアの部品やパテなどを使い改造することで、まだ発売されていないモデルを作ったり臨場感溢れる場面を再現したりとオリジナルのミニチュアが出来あがる。多くのプラスチックモデルには複数の武器や装飾品などが入っているため、余剰部品を組み合わせるだけでも簡単な改造ができる。この余剰部品は「ビッツ(bits)パーツ」と呼ばれている。

ペイント

一般的には塗料の定着を強くするために、メタルプライマーやサーフェイサーを塗布してからペイントする。ペイントには筆を使い、ミニチュアの塗装に適したさまざまな手法が存在する。販売店やイベントなどでは基本的な塗り方を教えてもらうことができる。その他、40kの車両など大型のミニチュアの塗装や大量のミニチュアの下塗りにエアブラシを使用する人もいる。各アーミーの個別ルールを紹介する「アーミーブック(ファンタジーバトル)」「コデックス(40,000)」「バトルトーム(AoS)」には、軍勢のイメージに合わせた色調のペイント例が多数収録されているが、必ずしも例の通りにペイントしなければならないというものではなく、各ミニチュアの彩色は自由とされているほか、未ペイントのミニチュアの使用を禁じるルールも存在しない[2]。ゲームズワークショップ社の公式見解は「ゲームで使うには色さえついていればよい」というものである。そのため、プレイヤーの年齢や技量により、ミニチュアのペイントにさまざまなバリエーションを見ることができ、「ペイントが腕の見せ所」というプレイヤーも、ミニチュア全体を一つの色でベタ塗りしたもので遊ぶプレイヤーも許容されている。

また、メーカーが推奨する水性アクリル塗料として、シタデルカラーがある[3]


  1. ^ 「AoS」と入れ替わる形で商品展開が停止しているが、2023年2月現在、「Warhammer : the Old World」と改題して、再展開が計画されている。
  2. ^ a b c d e 電撃オンライン (2018年8月19日). “密かに流行している『ウォーハンマー』の多面的な魅力に迫る! ルールや特徴を初心者に向けて紹介”. 電撃オンライン. 2019年11月22日閲覧。
  3. ^ a b c 集めて塗って遊ぶ オトナの趣味「ミニチュアゲーム」に流行の兆し”. ASCII (2018年10月10日). 2019年11月16日閲覧。
  4. ^ a b 虎武須 (2006年2月22日). “ストラテジー -「Warhammer 40,000: Dawn of War Gold Pack 日本語版」- レビュー”. 4Gamer.net. 2019年11月1日閲覧。
  5. ^ a b 『ウォーハンマー 40,000』勢力紹介! 部隊の情報やゲームを遊ぶために必要なアイテムをチェック”. 電撃オンライン (2019年8月10日). 2019年11月22日閲覧。
  6. ^ [要文献特定詳細情報]
  7. ^ フランスのCyanide,Warhammer版スポーツゲーム「Blood Bowl」発表”. www.4gamer.net. Aetas (2007年12月20日). 2019年11月22日閲覧。
  8. ^ a b c Nomura, Hikaru (2015年10月2日). “『Blood Bowl 2』レビュー ファンタジー世界のナンバーワンスポーツ”. AUTOMATON. 2019年11月22日閲覧。
  9. ^ EA のニュースレターに現状の様子などが記されています。
  10. ^ 「ウォーハンマー」の世界で展開するハクスラ型アクションRPG「Warhammer: Chaosbane」がリリース”. Aetas (2019年6月5日). 2019年11月16日閲覧。


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