イースシリーズ ゲームシステム

イースシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 15:16 UTC 版)

ゲームシステム

※この項では原則としてオリジナルの物と、ファルコム自らリメイクした『F』についてのみ言及する。

NPCから話を聞いたり、ダンジョンを攻略しボスキャラを倒す事により謎を解きながらストーリーを進行していく。最終的にはラストボスを倒しエンディングに到達することが目的となる。フィールドやダンジョンにいる敵を倒すことによって経験値(EXP)を取得し、レベルを上げて強くなっていくと、RPG的な部分はシリーズを通して一般的なRPGのシステムを採用している。一方アクション的な部分は作品毎の変更が激しく、シリーズを通してのシステムを挙げることは難しい。ただし『I』と『II』と『IV』、また『VI』と『F』と『O』は基本システムは同一であり、共通する部分が多い。

レベル制限

オリジナルのイースIIでは、レベルが上昇すると同じ敵を倒した場合に獲得できる経験値が半減する仕様が存在する。これは経験値に割り当てた2バイト(上限65535)というデータ量のなかでレベル上げのペースをコントロールしようとした苦肉の策である。次レベルまでの必要経験値量を上昇させることで対処するのが一般的であるが、単位時間の殲滅速度がきわめて短いイースにおいてはこれでは対応しきれないとの判断から導入された。

この仕様のため一カ所に留まっての過剰なレベル上げは困難であり、一方で一定のレベルにならないと敵にダメージを与えられない(これはボスにも適用される)ことから極端な低レベルでストーリーを進めることは事実上不可能となっている。

尚、レベル・経験値ともに共有する仕様となったPCエンジン版『I・II』においてはイースIフェーズにおいてもこの経験値半減システムが導入されているが、二作分にあたる経験値幅を2バイトではまかないきれず上限99999となっている。

回復

『V』までの作品ではフィールド上及びダンジョン内での特定の場所で止まっていればHPが徐々に回復する。このシステムもまた、特に『I』・『II』・『III』・『IV(PCE)』においては回復アイテムが一つしか持てないことと合わせて、絶妙なゲームバランスを演出している。なお装備する事により立ち止まればどこでも回復可能になるアイテムがあり、こちらは『VI』以降の作品にも登場し、『IV(SFC)』以外全ての作品に存在する。

戦闘

『I』・『II』・『IV(PCE)』 ・『IV(SFC)』
敵への直接攻撃方法は主人公を動かしての体当たりとなっている。敵の攻撃も体当たりであり、真正面からぶつかっていったのではこちらもダメージを受けることとなるが、キャラクターを半分ずらして体当たりすることにより、こちらはダメージを受けずに攻撃ができる「半キャラずらし」という技があり、これが攻略の鍵となる。
MSX2版では、剣を持つ左半分でぶつかると与ダメージ増、盾を持つ右半分でぶつかると被ダメージ減という小技が存在した。
『III』・『VI』・『F』・『O』
攻撃ボタンの操作により剣を振る事で攻撃。方向キー、ジャンプボタンの操作を組み合わせる事によって様々に剣の振り方、威力が変わる。
『V』
攻撃ボタンの操作により剣を振ることで攻撃。攻撃パターンは通常攻撃とジャンプ切りの二種類のみ。ただし装備している剣の種類によってアクションは変わる。
『VII』『セルセタ』
攻撃ボタンの操作で武器を使用。連打することで3-4ヒットするコンボとなる。攻撃ボタンを押しっぱなしにすることでより強力な溜め攻撃が出せる。また、ボタンの組み合わせでスキル技を使うほか、ゲージを満タンまで溜めることで使用するEXTRA技がある。

装備

基本となる装備は剣・鎧・盾の3種。この他に特殊効果を持つ装備が加わることが多い。

リング
『I』・『III』・『IV(PCE)』・『V』で登場。装備する事により効果が現れる特殊アイテム。攻撃力が上昇する「パワーリング」や、ダンジョン内でもHPが回復出来る様になる「ヒールリング」等がある。『III』ではリングパワーを消費。
『II』・『IV(PCE)』で登場。MPを消費することにより、装備した種類に応じた魔法が使えるようになる。
エメラス剣、腕輪、神器、魔法具
『VI』ではエメラス剣、『F』では腕輪、『O』では神器または魔法具。MP相当(魔法ゲージ、リングパワー、MP)を消費することにより、装備した種類に応じた特殊攻撃(剣魔法、リングアーツ、スキル)が使える様になる。なお『VI』のエメラス剣のみ武器も兼ねており、種類に応じた剣技も使える。

特殊攻撃

魔法

『II』・『IV(PCE)』
装備している杖の種類に応じて魔法を使える。違う魔法を使うためには「杖」を装備し直す必要がある。MPを消費。なお、『II』と『IV』では同じ効果の魔法であっても全て名前が異なる(ex.間接攻撃魔法:ファイヤー、ファイアー)。
『IV(SFC)』・『VI』
装備している剣の種類に対応して使える魔法が決まる。違う魔法を使うためには剣を装備し直す必要がある。『IV(SFC)』ではMPを、『VI』では魔力を消費。なお『VI』では魔法ではなく「剣魔法」とよぶ。
『V』
「エレメンタル」というアイテム集め、錬金することによりできた「錬石」を剣に装着することで使用可能。剣によって装備できる石の数は決まっている(最大3つ)。

剣技

『VI』にのみ登場。装備している剣の種類に対応した特殊攻撃。攻撃ボタンをタイミング良く押すことで発動。

リングアーツ・スキル

『F』ではリングアーツ、『O』ではスキル。装備している腕輪の種類に対応した特殊攻撃。リングパワー・MPを消費。『VI』の剣魔法に相当。


注釈

  1. ^ PCエンジン版『I・II』のディレクター兼メインプログラマーを務めた岩崎啓眞も、中心メンバーがファルコムを退社していたため、当初はオリジナルプログラムのソースとそこに記されたコメントを頼りに設計していたこと、山根の助言でシナリオの大要がつかめたことを明かしている。[3]

出典

  1. ^ ロデオ、『パチスロ イースI&II』を発表 | パチンコ業界ニュース
  2. ^ a b c d 日本ファルコム (2009年3月19日). “全世界380万ユーザーが待ち望んだ本家ファルコム完全新作『 Ys SEVEN (イース・セブン) 』 2009年9月ついに登場! -2009年、イースは進化する-”. 2009年4月3日閲覧。
  3. ^ ユーズド・ゲームズ』Vol.12「今と昔をリンクする 突撃!クリエイター列伝!!」、キルタイムコミュニケーション、1999年。
  4. ^ この段落は、加藤正幸「イースの世界はさらに広がる」『イースIV冒険ガイドブック』小学館、1994年1月10日初版第1刷発行、ISBN 4-09-102463-7、124 - 127頁を参照。
  5. ^ a b DengekiGAMES編集部 2003, p. 379, 第7章 レア・マテリアル.
  6. ^ 日本ファルコム (2009年4月1日). “緊急特報!『YsVII』マルチプラットフォーム展開発表!!” (PDF). 2009年4月4日閲覧。
  7. ^ 日本ファルコム (2009年4月1日). “アクションRPGの金字塔にしてイースシリーズの原点『 YsⅠ&Ⅱ Chronicles 』 2009年7月発売決定!- イース新時代、開幕。 すべてのイースはここから始まる -” (PDF). 2009年4月4日閲覧。
  8. ^ 『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』公式サイトがオープン、主人公・アドル=クリスティンのプロフィールが明らかに!”. ファミ通.com. エンターブレイン (2016年1月28日). 2016年1月28日閲覧。
  9. ^ a b c d DengekiGAMES編集部 2003, p. 320, 第7章 レア・マテリアル.
  10. ^ a b c DengekiGAMES編集部 2003, p. 6, 第1章 『イース』ヒストリー.
  11. ^ DengekiGAMES編集部 2003, pp. 6–7, 第1章 『イース』ヒストリー.
  12. ^ DengekiGAMES編集部 2003, p. 399, 第8章 人物&用語辞典.
  13. ^ イースシリーズ ポータルサイト”. 日本ファルコム (2023年). 2023年3月7日閲覧。
  14. ^ a b 本節は、「日本ファルコム作品年表 1981 - 2012」『Falcom Chronicle』3-13頁および「『イース』ヒストリー」『イース大全集』5-21頁を参考とした。
  15. ^ 新作「イースIX -Monstrum NOX-」がPS4で2019年に発売へ。異能を持つ「怪人」,そして“監獄”に隠された謎を巡る新たな冒険譚を描く - 2018年12月19日 4gamer.net 2018年12月19日閲覧
  16. ^ 「TGS徹底取材/PS Vita大特集2」『電撃PlayStation』Vol.503(第17巻第6号通巻568号)アスキー・メディアワークス、2011年9月29日発行・発売、78 - 81ページ





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