構成刃先
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/22 12:46 UTC 版)
構成刃先(こうせいはさき)とは、ある程度の硬度と延性を持つ金属を切削加工する際に高い圧力と摩擦熱によって刃先の先端に切粉が溶着し、切れ刃として作用する現象である[1][2][3]。溶着した刃先は成長と脱落を繰り返し、加工精度の低下や工具の寿命を短くする[2][3]。一方で実際の刃先を覆う構成刃先を利用して工具の寿命を延ばす切削法も存在する[4]。
概要
延性材料であるアルミニウムあるいは軟鋼などを比較的低速度で切削すると、切削部分での被削材の物理・化学的変化により被削材の一部が刃先に付着し、刃先として作用する[5]。溶着した構成刃先は加工硬化しているため非常に硬く、刃先にかわって加工面を切削してしまうため、仕上げ面の品質低下や刃先のチッピングを引き起こす[6]。対策としてはバイト自体のすくい角を大きくすることや潤滑性の高い切削材の使用、高温切削などがあげられる[5]。
構成刃先は鋳鉄や青銅のような脆い金属やガラス、大理石などの切削においては発生しない[2][5]。
歴史
構成刃先はA.HAUSSNERによって発見され、1892年に切削加工における問題としてはじめて取り上げられた[2][7]。その後1920年代から1930年代にかけてウォルター・ローゼンハインやフリードリヒ・シュヴェルト、星光一など国内外の研究者による研究により盛んに研究が行われた[2]。その後1950年代に入ると再び研究が盛んとなり、星光一によって構成刃先を利用した切削法であるSWC切削法(銅類の銀白切屑切削法、Silver-White-Chip)が考案されている[2][8]。
脚注
- ^ “切削加工における構成刃先とは|構成刃先の原因と対策 | 株式会社MAZIN”. www.mazin.tech. 2025年10月21日閲覧。
- ^ a b c d e f 『金属切削 : 構成刄先について』1960年。doi:10.11501/2491155。2025年10月22日閲覧。
- ^ a b 『旋削技術』1943年。doi:10.11501/1059159。2025年10月22日閲覧。
- ^ 『切削の理論と実際』1965年。doi:10.11501/2508325。2025年10月22日閲覧。
- ^ a b c 『実用機械工作』1979年。doi:10.11501/12689891。2025年10月22日閲覧。
- ^ “製造AI研究・開発の取り組み紹介一覧 | 株式会社MAZIN”. www.mazin.tech. 2025年10月21日閲覧。
- ^ 『機械試験所所報 21(4)』1967年7月。doi:10.11501/2294938。2025年10月22日閲覧。
- ^ 『旋盤工作 : 技能指導』1978年。doi:10.11501/12689989。2025年10月22日閲覧。
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