membrane switchとは? わかりやすく解説

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メンブレンスイッチ

(membrane switch から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 07:10 UTC 版)

メンブレンスイッチが使用されている電子機器のイメージ

メンブレンスイッチ(Membrane switch)は、上部接点シートと下部接点シートと呼ばれる2枚のPETフィルムの間に、スペーサーをはさんで貼り合わせ、さらにその上に表面シートと呼ばれるデザイン印刷したPETフィルムを貼り合せた部品

家電製品や検査装置などのボタンとして、幅広く利用されている。

このスペーサーによって上下の接点シートを絶縁し、接点印刷部分を上から押すことで導通するという構造で、シートスイッチとも呼ばれる。

上下接点シートに印刷された導電インク(銀ペースト、カーボン)などによって電気を導通させる。

表面にシートを貼ることで防滴性、防塵性に優れている。さらに加工を施すことにより防水性を高めることも可能。

部材

製品名 詳細
表面シート 直接さわる部分。エンボスのついたもの、平らなもの、ざらざらしたもの、つるつるしたもの等、用途に応じて様々に加工することが可能。
上部接点シート PETフィルムに導電インク(銀ペースト、カーボンペースト)を印刷。
スペーサー 「上部接点シート」と、「下部接点シート」を絶縁するためのもの。通常、PETフィルムの両面に糊が付いたものを使用。
下部接点シート 「上部接点シート」と同じく、PETフィルムに導電インクを印刷したもの。表面シート、上部接点シート、スペーサー、下部接点シートを貼り合わせたメンブレンスイッチは、キーボードにも使用されている。
裏面シート スイッチの裏側の粘着シート。この裏面シートによって、メンブレンスイッチを筐体へ貼り付ける。

導電インク・絶縁インク

導電インクの引き回し方には、「コモン」と「マトリックス」の2種類が存在する。

種類 詳細
1コモン スイッチ1つにつき、1つのピンが必要。また、もう1本グランドのピンがつくので、ピンの数は「スイッチの数+1」となる。
マトリックス ポリエステルフィルムに1本のピンを、いくつかのスイッチに共通して使用する。左の例では、3×4のマトリックス(12キー)に対しピンの数は7本となっている。マトリックスの方が1コモンよりピン数を少なくできるため、スイッチの数が多いときや、引き回しの面積が狭いときはマトリックスの方が適している。

また、インクは主に4種類に分けられる。

銀ペースト(ag)
  • 抵抗値が低いので、導電用のインクとして用いられる。
  • 環境の影響を受けやすく、酸化やマイグレーションを起こす可能性があるため、必ずカーボンやレジストによって保護する。
カーボンペースト(C)
  • 酸化に強く、また低抵抗で導電性もある。銀ペーストの保護に用いられる。接点部、コネクタ接続部には不可欠。
  • 接点部、コネクタ接続部位外にも、銀ペーストより少し太めに印刷して、銀ペースト印刷部分を覆い保護することも可能(オーバーラップ)。
ブレンド
  • 銀ペーストにカーボンを混ぜた導電インク。
  • 回路を保護するためのカーボンインクを印刷する必要が無く、印刷工程が減るため、価格が下がる。
  • 耐久性が少し落ちるため、使用環境によっては不向きな場合がある。
レジスト(絶縁インク)
  • 絶縁性が非常に良く、導電インクの酸化やマイグレーションの防止に用いられる。
  • カーボンよりも導電インクの保護に優れているので、防水仕様等に適する。
  • 引き回しの面積が狭く、カーボンペーストを太めに印刷できないとき(オーバーラップ出来ないとき)は、レジストで保護する。
  • レジストを印刷する分工程が増えるので、価格は若干高くなる。
  • ジャンパー回路で回路を絶縁するためにも用いられる。
  • レジストを硬化させるには熱硬化とUV硬化の2方法がある。UV硬化は熱硬化より厚みが出せるため(約50μm)、のり印刷と併用することにより、スペーサーを使わなくても接点の絶縁が可能。



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