ドッジェム
(dodgem から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/30 17:43 UTC 版)
ドッジェム(英語: dodgem)は、コリン・ヴァウトが1972年にケンブリッジ大学で数学を学んでいた際に考案したシンプルなアブストラクトゲームで、著書 Winning Ways に記載されている[1][2][3]。n×nの盤面上で各プレイヤーがn-1台の車を使ってプレイする。3×3の盤面で各2台でも十分に興味深いゲームになるが、より大きな盤面でプレイすることも可能である。
ルール
盤面は初期状態で、左端にn-1台の青い車、下端にn-1台の赤い車が配置され、左下の1マスは空けられる。交互に1手ずつ動かす。プレイヤー1(左)の手番では、青い車のいずれか1台を1マス前方(右)または横(上下)に動かす。プレイヤー2(下)の手番では、赤い車のいずれか1台を1マス前方(上)または横(左右)に動かす。
車は他の車が占めているマスには移動できない。盤面から出ることはできるが、前方への移動によってのみ可能である。盤面から出た車はゲームから除外される。駒の捕獲はない。プレイヤーは常に相手に合法的な手を残さなければならず、さもなければゲームに敗北する。
勝者は、自分の駒をすべて盤面から出すか、または自分の車がすべて相手にブロックされたプレイヤーとなる。
理論
3×3 のゲームは完全解析(強解決)されており、先手必勝である。Winning Ways には、あらゆる局面からどちらの手番が勝つかを示した表が掲載されており、これを用いれば勝利戦略を容易に読み取ることができる[1]。3×3 盤のドッジェムでは、到達可能な局面は全部で 1963 通り存在する。そのうち、1123 局面は手番側の必勝局面であり、840 局面は手番側の敗勢局面であり、引き分け局面は存在しない[4]。
David des Jardins は 1996 年に、4×4 および 5×5 のゲームは、両者が最善手を指した場合には決着がつかないことを示した。両者とも、相手の勝利を防ぐために、自分の車を左右に動かし続けて身動きが取れなくなるのである[5]。彼は、より大きな盤についても同様であると予想している。さらに、3×3、4×4、5×5 盤のドッジェムをプレイおよび解析するための Python パッケージが開発されており、完全なプレイを行う相手との対戦機能、コマンドラインインターフェース、Tkinter による GUI、Python API、カジュアルなオンライン版などを提供している[6]。
参考文献
- ^ a b Berlekamp, Elwyn R.; Conway, John Horton; Guy, Richard K. (2003), “Dodgem”, Winning Ways for your Mathematical Plays, 3 (2nd ed.), A.K. Peters, pp. 749–750, ISBN 978-1-56881-143-7
- ^ Gardner, Martin (June 1975), “Mathematical Games”, Scientific American, Volume 232, Number 6, Scientific American, Inc., pp. 107–108.
- ^ Gardner, Martin (1987), “Dodgem and Other Simple Games”, Time Travel and Other Mathematical Bewilderments, W.H. Freeman & Company, pp. 153–162, ISBN 0-7167-1925-8.
- ^ “Gamescrafters Analysis”. gamescrafters.berkeley.edu. 2025年11月17日閲覧。
- ^ "Dodgem" . . . any info? 1996 年のニュースグループ rec.games.abstract におけるスレッド。4×4 および 5×5 ゲームに関する David des Jardins による解析を含む。
- ^ “Dodgem Python package”. PyPI. 2025年11月17日閲覧。
- ドッジェムのページへのリンク