カラーボール
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/24 05:03 UTC 版)
カラーボール (colored ball) は、特殊染料が入った防犯用のボール[1][2]。防犯装備の一つであり、金融機関、店舗等の防犯に用いられている[3][4]。
開発した双喜商事では「蛍光クラックボール」の商品名で販売しているが、通称の「カラーボール」で呼ばれることが多い[1][5][6][7][8]。
概要
開発者は双喜商事の天野隆夫である[1]。国内シェアは開発した双喜商事がほぼ100%とされる[1]。
開発した双喜商事はプラスチックの成形を専門とする会社であるが、1980年代に警視庁が暴走族対策として、検問を突破した際に生卵のように割れマーキングできる器具を探しており、蛍光塗料の会社から依頼が来たことで開発がスタートした[1]。警視庁は配備する他に、店舗や金融機関向けの防犯セミナーで紹介したことで、監視カメラなどよりも安価ということで普及した[1]。このため双喜商事は宣伝費をかけずにすんだという[1]。
プラスチック製のボールであり、衝撃が加わると破損して中の液体が漏れ出し、対象に付着することで逃走しても発見されやすくなる[9][10][11][12][13]。
内部の液体は水性塗料であり、服の繊維に染みこむため数回洗濯しないと落ちない[1]。路面などに付着してもホースで水圧をかけないと完全に除去することは難しい[1]。
ブラックライトに反応する蛍光顔料や[1]、悪臭を放つ成分を混合している製品もある。
大きさは野球ボール程度が多い。
手で投げるのが基本であるが、擲弾発射器のような発射装置も販売されている[1][14]。水産庁の漁業取締船では不審船対策として、水で落ちない塗料を使用したカラーボールと発射器を装備している[1]。
双喜商事では中身の液体を消火剤に変えた消火器(消火弾)も販売している[1]。
使用方法
対象物または対象者にぶつける必要があるが、直接命中させるのは難しいため、足下を狙い飛散させる方法が推奨されている[1][15][16]。車やバイクの場合も、飛散した路面を通ればタイヤ痕がはっきり残り、鑑定の手がかりとなる[1][17][18]。
1度で当たらなくても、男性であれば複数を持って何度も投げることが推奨されている[1]。
投げやすいように表面を加工しているボールもあり、双喜商事の製品はすべり止めとして野球ボールの縫い目を模した加工が施されている[1]。
塗料の水分が揮発するため、3年ほどで使用できなくなる[1]。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 井上マサキ (2020年7月30日). “防犯カラーボールを作った人に「どうやって犯人に当てるか」を聞く”. デイリーポータルZ. 2025年3月25日閲覧。
- ^ 『読売新聞』1998年3月21日 全国版 東京朝刊 社会39頁「信組強盗の顔にストライク 逃げる気なくし即逮捕/茨城・土浦」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』1997年12月4日 全国版 西部朝刊 社会31頁「郵便局強盗52万円奪う 局長は防犯研修中/福岡・久留米」(読売新聞西部本社)
- ^ 『読売新聞』1999年7月17日 滋賀 大阪朝刊 セ滋賀31頁「銀行強盗逃げきれず 車にカラーボール命中 大津の滋賀銀大石出張所」(読売新聞大阪本社)
- ^ “防犯カラーボール 蛍光クラックボール 消火ボール 双喜商事株式会社 - 製品情報 - 防犯ボール”. sohki-trading.co.jp. 2025年3月25日閲覧。
- ^ 『朝日新聞』2008年11月16日 朝刊 鹿児島全県・1地方35頁「霧島の強盗、容疑者逮捕「借金返済のため」 /鹿児島県」(朝日新聞西部本社)
- ^ 『朝日新聞』2010年1月14日 朝刊 京都市内・1地方22頁「銀行強盗の逮捕、協力者に感謝状 伏見署 /京都府」(朝日新聞大阪本社)
- ^ 『朝日新聞』2014年12月5日 朝刊 三重全県・1地方23頁「強盗容疑者逮捕に協力、感謝状 第三銀行住吉支店の事件で鈴鹿署 /三重県」(朝日新聞名古屋本社)
- ^ 『読売新聞』2007年7月21日 栃木 東京朝刊 栃木北29頁「カラーボール命中し逮捕 佐野の郵便局強盗未遂男=栃木」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2008年1月19日 群馬 東京朝刊 群馬西33頁「前橋の郵便局に強盗、4万5千円奪う 容疑で無職男を逮捕 前橋東署=群馬」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2009年4月1日 広島 大阪朝刊 広島29頁「コンビニ強盗 カラーボール決め手で再逮捕=広島」(読売新聞大阪本社)
- ^ “郵便局で強盗…でも交番の隣 局員と警察OBが連携し容疑者逮捕”. 神奈川新聞 (2014年6月5日). 2023年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月1日閲覧。
- ^ “銀行強盗容疑で男逮捕 包丁突き付け百万円奪う”. 産経新聞 (2016年3月17日). 2024年2月1日閲覧。
- ^ 『読売新聞』2007年5月9日 広島 大阪朝刊 広総2 30頁「カラーボール新型発射装置、広島東署で試射 拳銃型、レーザー照準も=広島」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2024年10月1日 青森 東京朝刊 青森27頁「コンビニ店員 強盗対応学ぶ 青森=青森」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2024年12月22日 山梨 東京朝刊 山梨25頁「中央道PAで強盗想定訓練 笛吹=山梨」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2015年3月25日 奈良 大阪朝刊 セ奈良33頁「郵便局強盗疑い 男を逮捕 奈良=奈良」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2017年11月25日 高知 大阪朝刊 高知31頁「幡多信金神田支店で強盗 55歳の男 容疑で緊急逮捕=高知」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2008年12月7日 鹿児島 西部朝刊 二鹿児32頁「[ぐるり鹿児島] 12月7日=鹿児島」(読売新聞西部本社)
関連項目
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