FBI10大最重要指名手配
(Ten Most Wanted から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/05/21 23:34 UTC 版)
FBI10大最重要指名手配(FBIじゅうだいさいじゅうようしめいてはい、英語: FBI Ten Most Wanted Fugitives)とは、アメリカ合衆国の連邦捜査局(FBI)が運用する、特に重大な犯罪に関与した逃亡犯を対象とする指名手配制度である[2][3][4][5]。
概要
本制度は、逃亡犯の早期発見および逮捕を目的として、一般市民からの情報提供を促進することを主眼に構想された。当時のFBI長官であったジョン・エドガー・フーヴァーは、報道機関との協力を通じて逃亡犯の情報を広く公開することで、捜査の効率を高めることが可能であると判断した。これを受け、1950年3月14日に最初のFBI10大最重要指名手配のリストが公式に公表された。[6]
リスト公開の手段として、かつては郵便局や公共施設へのポスター掲示が中心であったが、現在ではFBI公式ウェブサイトやSNSなどのデジタル媒体を通じて広く周知が行われている。これにより、国内外を問わず情報提供を受ける体制が整備されている。本制度は創設以来、数百人規模の逃亡犯が掲載されており、その多くが市民からの情報提供を契機として逮捕に至っている。こうした点から、このリストは、法執行機関と市民社会の協力による犯罪対策の象徴的制度の一つに位置づけられている[7]。
推薦
掲載対象者は、FBIの各地方支局から推薦される。候補者は、殺人、テロリズム、組織犯罪、大規模詐欺などの重大犯罪に関与していることに加え、依然として逃亡中であり、かつ公開による情報提供が逮捕に寄与すると見込まれる人物に限定される。推薦後は、FBI本部において犯罪捜査部門および広報部門による審査が行われ、最終的に上級幹部の承認を経て掲載が決定される。リストは常に10名で構成されることを原則とするが、例外的に特に重大な事件が発生した場合などには、一時的に10名を超えて掲載されることがある。掲載された逃亡犯には多くの場合、逮捕につながる情報提供に対して報奨金が設定され、その金額は数万ドルから数百万ドルに及ぶこともある。掲載された人物は、逮捕、死亡、起訴の取り下げ、あるいはその他の理由により捜索の必要性がなくなった場合にリストから削除される。また、長期間にわたり有効な捜査手がかりが得られず、公開による効果が低下したと判断された場合などには、未逮捕であっても削除されることがある(後述)[8]。
現在リストに載っている人物
| 氏名 | 写真 | 掲載日(シーケンス番号) | 概要 | 外部リンク |
|---|---|---|---|---|
| オマール・アレクサンダー・カルデナス (Omar Alexander Cardenas) | 2022年7月20日(528)[9] |
2019年8月15日、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス市シルマー地区で発生した殺人事件への関与が疑われている[10]。2020年4月に殺人罪で起訴され、その後、訴追を逃れるため逃亡している[11]。逮捕につながる情報に対し、最高100万ドルの報奨金を提供している。[12]。 |
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| ファウスト・イシドロ・メサ=フローレス (Fausto Isidro Meza Flores) | 2025年2月4日(533) | メサ=フローレス国際犯罪組織(TCO)の指導者である。TCOは重武装した暴力的な組織であり、自らの支配地域を維持するために銃撃戦、誘拐、殺人、拷問、恐喝を行っている。シナロア州警察官、メキシコ軍および法執行機関職員、そしてメキシコで活動する他の犯罪組織の構成員を多数殺害したとされている。児童性的人身売買の容疑で指名手配されていたドナルド・ユージーン・フィールズ2世 に代わりリストに追加された。米国国務省麻薬報奨金プログラムは、逮捕、または有罪判決に直接つながる情報に対し、最高500万ドルの報奨金を提供している。[13]。 | ||
| ルジャ・イグナトバ(Ruža Plamenova Ignatova) | 2022年6月30日(527) |
→「ルジャ・イグナトバ § 犯罪」も参照
ブルガリア出身でドイツ国籍も持つ実業家・起業家として知られ、世界的な暗号資産(仮想通貨)詐欺事件「OneCoin(ワンコイン)」の創設者として広く捜査対象となっている。オクタヴィアーノ・フアレス・コロ
に代わりリストに追加された。 |
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| バドレシュクマール・チェタンバイ・パテル (Bhadreshkumar Chetanbhai Patel) | 2017年4月18日(514) | 2015年4月12日、メリーランド州ハノーバーのドーナツ店において、パテル容疑者は当時21歳の妻パラック・パテルを複数回刺すなどして死亡させた疑いでアメリカ合衆国当局から指名手配されている。ウォルター・ヨヴァニー・ゴメス に代わりリストに追加された。 | ||
| ユラン・アドネイ・アルカガ・カリアス (YULAN ADONAY ARCHAGA CARIAS) | 2021年11月3日(526) | 国際犯罪組織マラ・サルバトルチャ(MS-13)のホンジュラスにおける主要指導者とみられている人物である。2015年にホンジュラス当局に逮捕され、マネーロンダリングおよび違法結社の罪で有罪判決を受け収監された。しかし、2020年2月13日、ホンジュラス北部エル・プログレソ市での裁判出廷のため移送中、MS-13の武装メンバーによる組織的な襲撃を受けて脱走した。ロバート・ウィリアム・フィッシャーに代わりリストに追加された。 | ||
| ウィルバー・ビジェガス=パロミノ (WILVER VILLEGAS-PALOMINO) | 2023年4月14日(530) | 左翼武装組織である民族解放軍(ELN)の上級幹部とされる人物であり、コロンビアカタトゥンボ地域およびベネズエラにおけるELN北東部戦線のための麻薬密売活動の容疑で指名手配されている。 ラファエル・カロ・キンテロ に代わりリストに追加された。 | ||
| アニバル・アレクサンダー・カネロン・アギーレ(Anibal Alexander Canelon Aguirre) | 2026年3月12日(540) | 国際犯罪組織トレン・デ・アラグアを支援するため、複数の実行グループをアメリカ合衆国へ派遣し、金融機関から数百万ドルを盗み出す犯罪計画を主導したとされている。2025年12月9日、アメリカ合衆国ネブラスカ州オマハの連邦地方裁判所(ネブラスカ地区)において銀行詐欺共謀、銀行侵入および保護されたコンピュータシステムへの意図的損壊の共謀、マネーロンダリング共謀、テロリストへの物的支援提供の共謀[14]で連邦逮捕状が発行された。ライアン・ウェディング に代わりリストに追加された。 | ||
| チュン・ドゥック・ルー(Trung Duc Lu) | 2026年3月11日(539) | 2014年8月にアメリカ合衆国で発生した誘拐および殺人事件に関連して指名手配されている。ベトナムで生まれ、10代の頃にアメリカ合衆国へ移住したとされニューヨーク市クイーンズ区に居住していた時期があり、ベトナム系ストリートギャング Born to Kill(BTK)の構成員であった疑いがある。 | ||
| カショーン・ニコラ・ローパー(Kashawn Nicola Roper) |
2026年4月14日(541) | 2020年8月23日に、アメリカ合衆国ミズーリ州カンザスシティで発生した銃撃事件への関与が疑われている。停車していた車に向かって複数回発砲し、中にいた女性1人を殺害、もう1人に重傷を負わせた。ローパーは、このリストに追加されたわずか1日後の2026年4月15日に、同国フロリダ州ハイスプリングスで逮捕された。 | ||
| ジョヴァンニ・ビセンテ・モスケラ・セラーノ | 2025年6月24日(536) | ベネズエラの武装ギャングであるトレン・デ・アラグアの上級指導者とみられている人物である。エル・ビエホという別名でも知られ、同組織の麻薬密輸やテロ関連活動に関与した疑いで、米国政府から国際指名手配されている。フランシスコ・ハビエル・ロマン=バルダレスに代わりリストに追加された。 |
過去にリストに載った主要な人物
- エリック・ロバート・ルドルフ(1998年5月5日に追加、2003年5月31日に逮捕)
- アメリカ合衆国において、反中絶および反同性愛を動機とする過激思想に基づいて、1996年から1998年にかけて連続爆破事件を実行した国内テロリストである。1996年7月27日のセンテニアル・オリンピック公園爆破事件、1997年のジョージア州の中絶クリニックおよび同性愛者向けナイトクラブへの爆破攻撃、1998年のアラバマ州バーミングハムの中絶クリニックに対する爆破事件を実行した。これら一連の犯行により、合計で3名が死亡、110人以上が負傷したとされる。事件後、彼は山岳地帯に潜伏し、ノースカロライナ州のアパラチア山脈周辺で約5年間にわたり逃亡生活を続けた。この間、彼は野外での生活を続けながら食料を盗むなどして生存していたとされ、広範囲にわたる捜索にもかかわらず発見を逃れ続けた。しかし、2003年5月31日、ノースカロライナ州マーフィーにおいて地元警察により逮捕された。2005年には複数の連邦罪について有罪を認め、仮釈放なしの終身刑を言い渡されている。
- ウサーマ・ビン・ラーディン(1999年6月7日に追加、2012年4月10日に削除(2011年5月2日に死亡))
- サウジアラビア出身のイスラム過激派指導者であり、国際テロ組織アルカーイダの創設者および最高指導者であった。1998年8月7日のアメリカ大使館爆破事件、2000年10月12日の米艦コール襲撃事件に関する容疑で、米国連邦当局により国際指名手配されていた。これらの事件では数百人が死亡し、数千人が負傷したとされる。なお、2001年9月11日にアメリカで発生したアメリカ同時多発テロ事件については、ビン・ラーディンが関与したと広く認識されているものの、直接の手配理由には含まれていなかった。彼は長年にわたり国際的な捜索対象となっていたが、2011年5月2日、パキスタンのアボタバードにおいてアメリカ海軍特殊部隊による作戦で殺害された(ウサーマ・ビン・ラーディンの殺害)。
- ジェームズ・ジョセフ・バルジャー(1999年8月19日に追加、2011年6月22日に逮捕[)
- アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンを拠点に活動したアイルランド系犯罪組織アイリッシュ・マフィアの指導者であり、20世紀後半のアメリカにおける代表的な組織犯罪者の一人である。若年期から窃盗や暴力犯罪に関与していた彼は、1950年代に銀行強盗で服役した後、1965年に出所しボストンの犯罪社会へ復帰した。1970年代にはウィンター・ヒル・ギャングの中核に入り、1979年頃には組織の実質的支配者となる。以降、彼は恐喝、違法賭博、麻薬取引などを基盤に勢力を拡大し、少なくとも19件の殺人に関与したとされる。バルジャーの特異性は、FBIとの関係にあった。彼は対立するイタリア系マフィアに関する情報を提供する「情報提供者」として扱われていたが、その実態は一方的な協力関係ではなく、担当捜査官ジョン・コノリーらとの癒着によって成り立つ腐敗構造であった。バルジャーは捜査情報の事前提供を受けることで摘発を回避し、同時にその情報を利用して内部の密告者を特定・排除するなど、組織支配を強化していった。このような状況のもとで長年にわたり犯罪活動を継続していたが、1990年代半ばになると連邦当局による大規模な起訴準備が進む。1995年、起訴直前の段階で内部情報を得たバルジャーは逃亡し、以後約16年間にわたり潜伏生活を送ることとなった。この間、彼は偽名を用いて一般市民として生活しながら各地を転々とし、全米で最も重要な逃亡犯の一人として指名手配された。2011年6月22日、カリフォルニア州サンタモニカにおいて、長年の交際相手キャサリン・グレイグとともに逮捕された。潜伏先からは多数の武器と約80万ドルの現金が発見されている。2013年には連邦裁判で有罪判決を受け、終身刑が言い渡された。その後、2018年10月30日、ウェストバージニア州の連邦刑務所に移送された直後、他の受刑者による暴行を受け死亡した。FBIの情報提供者であった経歴から裏切り者と見なされていたことが、殺害の背景にあると指摘されている。バルジャーとFBIの癒着関係は後に大きな社会問題となり、法執行機関の信頼を揺るがす事件として広く知られることとなった[15]。
リストから削除された人物
- セミオン・ユドコビッチ・モギレヴィチ(2009年10月23日に追加、2015年12月17日に削除)
- 金融詐欺および電子通信詐欺の容疑で指名手配されていた人物である。彼はユダヤ系ウクライナ人で、東欧を拠点とする大規模な犯罪組織を統率しているとされ、FBIからは「最も強力なロシアンマフィアの一人」などと評価されていた。主な容疑は、1993年から1998年にかけてカナダで設立した架空会社を利用し、投資家から数百万ドルを騙し取ったというものである。しかし、彼の犯罪活動はそれ以前からヨーロッパ各地に及び、大規模な金融詐欺に関与していたとみられている。さらに、彼の組織は武器密売や売春などの違法活動にも関与していた可能性が指摘されている。その知能の高さから、ロシア当局内では「聡明なドン」と呼ばれることもあった。各国の法執行機関による追跡にもかかわらず、彼は長年にわたり逃亡を続け、主な拠点はモスクワにあると考えられている。モギレヴィチは2009年10月23日にFBIの最重要指名手配犯リストに追加されたが、2015年12月17日にリストから削除された。これは、逮捕に資する広報効果や現実的な拘束可能性といったFBIのリスト基準を満たさなくなったためとされる。特に、ロシアに滞在しているとみられ、米国による身柄確保が極めて困難であることが大きな要因とされている。なお、削除は無罪や逮捕を意味するものではなく、依然として各国当局の関心対象である[16]。
- ロバート・ウィリアム・フィッシャー(2002年6月29日に追加、2021年11月3日に削除)
- 殺人および放火の容疑で指名手配されていた人物である。彼はアメリカ・アリゾナ州在住で、2001年4月、妻と2人の子供を殺害したうえで自宅を爆破し、その後逃亡したとされている。事件は極めて計画的かつ残忍なものであり、ガスを利用した爆発によって証拠隠滅を図った可能性が高いと見られている。犯行後、彼は車両と愛犬とともに姿を消し、周辺の山岳地帯、特にアリゾナ州の森林地帯へ逃走したと推定されている。FBIは彼を「家庭内での支配欲が強く、極端な行動に出る危険性がある人物」と分析しており、長期間にわたり全米指名手配犯の一人として追跡を続けてきた。目撃情報は断続的に報告されているものの、確定的な足取りは掴めていない。彼は2002年6月29日にFBIの最重要指名手配犯リストに追加されたが、2021年11月3日にリストから削除された。これは、長期にわたる有力な手掛かりの欠如や、死亡している可能性の上昇などを踏まえ、リストの運用基準に基づき見直しが行われたためとされる。なお、削除は逮捕や死亡の確定を意味するものではなく、現在も未解決事件として捜査対象であり、依然として指名手配状態にある。フィッシャーは体格に恵まれ、熱心なアウトドアマン、ハンター、そして釣り人である。左上第一小臼歯には目立つ金冠が装着されており、腰の怪我のため、過度に直立した姿勢で歩き、胸を突き出した姿勢になることがある。フィッシャーはタバコを頻繁に噛むことで知られている。ニューメキシコ州とフロリダ州にゆかりがあり、高性能ライフルを含む複数の武器を所持しているとみられている。フィッシャーに関するFBIの懸賞金は2021年11月の「10大最重要指名手配」リストからの削除に伴い、それまでの最大10万ドルの提示が公式に終了した。ただし民間・地元組織による報酬として2024年にポッドキャスト番組の資金提供により、地元の犯罪情報提供窓口「Silent Witness」を通じて10,000ドルの追加報酬が設定された。これに既存の2,000ドルを合わせ、現在は計12,000ドルの報酬金がかけられている[17]。
- ユージン・パーマー(2019年5月29日に追加、2022年7月20日に削除)
- 2012年9月24日、アメリカ合衆国ニューヨーク州ストーニーポイントにおいて、義理の娘であるTammy Palmerをショットガンで射殺し、その直後に逃亡したとされている。事件の背景には、息子夫婦の関係悪化があり、離婚問題を巡る口論の末、パーマーが激昂して犯行に及んだとみられている。犯行は至近距離から行われており、強い殺意に基づく計画的な行動であった可能性が高い。事件後、彼は車両で現場を離れ、その後ニューヨーク州の森林地帯に車を乗り捨てたとされる。特にHarriman State Park周辺が最終的な足取りとして有力視されており、そのまま山中へ逃走した可能性が高い。パーマーは建設業に従事していた経歴を持ち、狩猟経験もあることから、森林環境での生存能力に優れていたと考えられている。このため、法執行機関による大規模な捜索にもかかわらず、長期間にわたり有力な手掛かりは得られていない。断続的な目撃情報はあったものの、いずれも確証には至らず、足取りは完全に途絶えている。彼は2012年5月29日にFBIの最重要指名手配犯リストに追加されたが、2019年12月19日にリストから削除された。これは、長期間にわたり逮捕に結びつく新たな情報が得られなかったこと、および生存している可能性が低下したと判断されたためである。ただし、この削除は逮捕や死亡の確定を意味するものではなく、現在もなお最重要指名手配犯(Violent Crimes - Murders)に含まれている。また、international interpolからpublic Red Notices for wanted personsが発行されている[18]。
- ウィリアム・ブラッドフォード・ビショップ・ジュニア(2014年4月10日に追加、2018年6月27日に削除)
- 殺人の容疑で指名手配されていた人物である。1976年3月、アメリカ合衆国メリーランド州ベセスダにおいて、母親、妻および3人の息子の計5人を殺害し、その後逃亡したとされている。彼はエール大学卒のインテリで、5ヶ国語に堪能な外交官であり、不眠症やうつ病の治療歴があったと報告されている。警察は、彼がまず妻のアネット(37歳)を殺害し、次に飼い犬の散歩から帰ってきた母親のロベリア(68歳)を殺害した可能性が高いと考えている。 最後に、彼は3人の息子(ウィリアム(14歳)、ブレントン(10歳)、ジェフ(5歳))を2階の寝室で寝ている間に殺害したとされている。犯行後、ビショップは家族の遺体を自宅から運び出し、ノースカロライナ州の山林地帯に遺棄したとされる。その後、自家用車で現場を離れ、最終的にグレート・スモーキー山脈国立公園付近で車両が発見された。ビショップは元外交官であり、複数の外国語に精通していたとされる。このため、国外へ逃亡した可能性も指摘され、ヨーロッパ各地などで目撃情報が報告されているが、いずれも確定的なものには至っていない。彼は2014年4月10日にFBIの最重要指名手配犯リストに追加されたが、2018年12月17日にリストから削除された。これは彼が「指名手配リストの基準に適合しなくなった(他の危険な逃亡犯に枠を譲るため)」と判断されたためで、逮捕されたわけではない。しかし彼は依然としてFBIによって積極的に追われており、インターポールの 赤色通告(Red Notice)も有効である。 2021年、DNA鑑定によりノースカロライナ州の女性(キャシー・ギルクリスト)がビショップの実の娘であることが判明した。これは彼が事件以前に「秘密の私生活」を送っていたことを示唆する、ここ数十年で最大の発見とされている。彼に関する懸賞金は 以前は「10大最重要指名手配」に含まれていたため、最大10万ドルの懸賞金が設定されていた。しかし、2018年にリストから外れて以降、FBIの公式プロフィールからは金額の表記が消えており、現在は「情報の提供を呼びかけている」という状態となっている。逮捕につながる有力な情報があった場合、、個別の判断で謝礼が支払われる可能性はあるが、現在は「金額の明記なし」という扱いになっている。
- ジェイソン・デレク・ブラウン(2007年12月8日に追加、2022年9月7日に削除)
- 第一級殺人および武装強盗の容疑で指名手配されているアメリカ人逃亡犯である。2004年11月29日、アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックスにおいて、現金輸送車の警備員ロバート・キース・パロマレス(当時24歳)を銃撃し殺害し、現金を奪って逃走したとされている。ブラウンはカリフォルニア州ロサンゼルス出身で、国際ビジネスの修士号を有し、フランス語に堪能である。1988年から1990年にかけては、モルモン教の宣教師としてフランス・パリ周辺に滞在していた。過去には玩具販売やゴルフ用品の輸入業に従事していたが、実際には多額の負債を抱えており、金融詐欺や小切手詐欺に関与していた可能性が指摘されている。事件当日、ブラウンは映画館付近で待ち伏せし、警備員に対して至近距離から発砲した。被害者は頭部に複数の銃弾を受けて死亡し、ブラウンは現金を奪った後、自転車で現場から逃走したとされる。現場から回収された証拠により、彼が主要な容疑者として特定された。犯行後、ブラウンはアリゾナ州からネバダ州を経てカリフォルニア州に移動し、その後オレゴン州ポートランドに至ったとされる。2005年1月、ポートランド国際空港の長期駐車場において彼の車両が発見されたが、それ以降の足取りは不明となっている。FBIは彼がその後、身分を偽装して潜伏生活に入った可能性が高いとみている。ブラウンは複数の偽名を使用しており、また海外渡航歴や語学能力から、国外へ逃亡した可能性も指摘されている。一方で、アメリカ国内において別人として生活している可能性も排除されていない。2007年12月8日、ブラウンはFBIの「10大最重要指名手配犯」リストに登録された。懸賞金は最大20万ドルとされていたが、2022年9月7日、優先度の見直しにより同リストから削除された。これは逮捕によるものではなく、他の重要逃亡犯に枠を譲るためとされている。現在もなおFBIによる指名手配は継続されており、武装している可能性があるため、極めて危険な人物とされている。
- ヴィテル・オム・イノセント(2023年11月15日に追加、2025年7月1日に削除)
- 誘拐および殺人に関連する複数の罪でアメリカ合衆国により起訴され、指名手配されているハイチのギャング指導者である。1986年3月27日生まれ、ハイチ出身。犯罪組織「Kraze Barye」のリーダーとして知られる。イノセントは、2021年10月にハイチで発生したキリスト教宣教師17人(幼児を含む)の集団誘拐事件に関与したとされている。この事件では、被害者らは武装したギャングにより拘束され、約61日間監禁された後、身代金が要求された。また、彼は武装組織「400 Mawozo」と協力関係にあったとされる。さらに、2022年10月には、イノセントの指示の下でアメリカ市民1人が誘拐され、別のアメリカ市民1人が誘拐未遂の過程で殺害されたとされている。これらの行為により、イノセントはアメリカ合衆国コロンビア特別区連邦地方裁判所において、人質奪取の共謀、人質奪取、人質奪取による死亡を伴う共謀、および死亡を伴う人質奪取未遂の罪で起訴された。2023年、彼はFBIの「Ten Most Wanted Fugitives(最重要指名手配犯)」リストに追加されたが、2025年にリストから削除された。これは逮捕によるものではなく、「リストの基準に適合しなくなった(他の逃亡犯に枠を譲るため)」と判断されたためである。しかし現在も起訴および国際的な指名手配は継続している。2024年には、米国の大手報道機関である CNN の取材に応じ、インタビュー映像が公開された。この取材はハイチ国内で行われ、彼が武装組織の支配地域において活動を続けている実態が明らかとなった。この事例は、当局が彼の存在や大まかな所在を把握している可能性を示唆する一方で、現地の治安状況および主権の問題から、外部勢力による直接的な拘束が極めて困難である現状を浮き彫りにした。アメリカ合衆国国務省の越境組織犯罪報奨金プログラム(TOCRP)は、イノセントの逮捕または有罪判決につながる情報に対し、最大200万ドルの報奨金を提示している。身体的特徴としては、身長約170〜178cm、体重約68kg、黒髪、茶色の目を持つ男性である。武装しており、極めて危険な人物とされている。現在、イノセントはハイチ国内の武装勢力支配地域に潜伏しているとみられるが、正確な所在は特定されていない。
- グレン・スチュアート・ゴドウィン(1996年12月7日に追加、2016年5月19日に削除)
- アメリカ合衆国の逃亡犯であり、殺人罪で服役中に2度の脱獄を成功させた人物である。1996年12月7日にFBIの「10大最重要指名手配犯(Ten Most Wanted Fugitives)」に追加され、2016年5月19日まで掲載されていた。1980年、カリフォルニア州において知人キム・ルバレーを殺害した容疑で起訴され、1983年に終身刑の判決を受け、フォルサム州立刑務所に収監された。1987年、同刑務所から下水道を利用して脱獄した。その後、メキシコ・プエルトバジャルタにおいて麻薬密売の容疑で逮捕され、有罪判決を受けてグアダラハラの刑務所に収監された。1991年4月、同刑務所内で別の受刑者を殺害したとされ、同年9月に再び脱獄した。以降、彼の足取りは途絶えており、1991年以降の確実な目撃情報は確認されていない。FBIは、ゴドウィンがスペイン語に堪能であることから、メキシコおよび中南米地域に潜伏し、麻薬取引に関与している可能性があるとみている。2016年5月19日、長期間の掲載による情報提供の停滞を理由として「10大最重要指名手配犯」リストから削除されたが、逮捕されたわけではなく、現在もFederal Bureau of Investigationによる指名手配は継続されている。逮捕に繋がる有力な情報に対しては、最大2万ドルの懸賞金が提示されている。彼は複数の偽名(Michael Carrera、Miguel Carrera、Dennis Harold McWilliams など)を使用しているとされる。また、整形手術を受けている可能性も指摘されている。身長約183cm、体重約77〜91kg、緑色の眼を持つ白人男性であり、工具関連の自営業、整備士、建設作業員として働いていた経歴がある。スペイン語に堪能であり、武装している可能性が高く、極めて危険かつ逃亡の恐れがある人物とされている。
脚注
出典
- ↑ “Ten Most Wanted Fugitives” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年5月7日閲覧。
- ↑ “FBI adds new fugitive to Ten Most Wanted List”. WKBN.com. (2022年7月21日).
- ↑ 宇宙のすべての知識 プリンシピア (2021-06-30), FBI10大最重要指名手配 2026年5月5日閲覧。
- ↑ “Philadelphia Fugitive Added to FBI’s Ten Most Wanted Fugitives List” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年5月5日閲覧。
- ↑ “Who Are the Most Notorious FBI Fugitives?” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年5月5日閲覧。
- ↑ “FBI adds new fugitive to Ten Most Wanted List”. WKBN.com. (2022年7月21日).
- ↑ “FBI Top Ten List Turns 70” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年3月2日閲覧。
- ↑ “Ten Most Wanted Fugitives Historical Pictures — FBI” (英語). www.fbi.gov. 2026年3月2日閲覧。
- ↑ “528. Omar Alexander Cardenas” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年3月3日閲覧。
- ↑ “$100K reward offered for Valley gang member added to FBI's Ten Most Wanted Fugitives list - CBS Los Angeles” (英語). www.cbsnews.com (2022年7月20日). 2026年3月3日閲覧。
- ↑ Klemack • •, John Cádiz (2022年7月25日). “Family of Jabali Dumas Says Adding His Accused Killer to FBI's 10 Most Wanted List is Sign of Hope” (英語). NBC Los Angeles. 2026年3月3日閲覧。
- ↑ “OMAR ALEXANDER CARDENAS” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年3月3日閲覧。
- ↑ “FAUSTO ISIDRO MEZA-FLORES” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年3月3日閲覧。
- ↑ “ANIBAL ALEXANDER CANELON AGUIRRE” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年3月23日閲覧。
- ↑ Klein, Christopher (2018年11月1日). “How Whitey Bulger Manipulated the FBI Into Locking Up His Enemies” (英語). HISTORY. 2026年3月31日閲覧。
- ↑ “SEMION MOGILEVICH” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年2月26日閲覧。
- ↑ “ROBERT WILLIAM FISHER” (英語). Federal Bureau of Investigation. 2026年2月26日閲覧。
- ↑ “View Red Notices” (英語). www.interpol.int. 2026年2月28日閲覧。
関連項目
- 国際手配 - 各国政府を通じて国際刑事警察機構(インターポール)が加盟国に被疑者、行方不明者の指名手配を行う制度。
- Specially Designated Global Terrorist
- 日本における指名手配(重要指名手配など)
- Fahndungsliste bekannter Personen des Bundeskriminalamts (Deutschland) ‐1999年以降から行われている。
- FBI Ten Most Wanted Fugitives, 1950s
- FBI Ten Most Wanted Fugitives, 1960s
- FBI Ten Most Wanted Fugitives, 1970s
- FBI Ten Most Wanted Fugitives, 1980s
- FBI Ten Most Wanted Fugitives, 1990s
- FBI Ten Most Wanted Fugitives, 2000s
- FBI Ten Most Wanted Fugitives, 2010s
- FBI Ten Most Wanted Fugitives, 2020s
外部リンク
- FBI10大最重要指名手配のページへのリンク