リック・レコード
(Ric Records から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/16 03:02 UTC 版)
| リック・レコード Ric Records |
|
|---|---|
| 設立 | 1959年 |
| 設立者 | ジョー・ラフィーノ |
| 解散 | 1962年 |
| 現況 | 閉鎖 |
| ジャンル | |
| 国 | |
| 本社所在地 | ルイジアナ州ニューオーリンズ |
リック・レコード(Ric Records)およびその姉妹レーベルのロン・レコード(Ron Records)は、1959年にジョー・ラフィーノによって設立されたレコード・レーベルである[1]。
リックのリリースの殆どはローカル・ヒットの域を超える成功を収めることはなかったが、このレーベルはニューオーリンズR&Bの黄金期に活動をしており、このジャンルのスタイルを定義づけたアーティストたちの多くを育てたことで名を残している。
尚、ジュウェル・レコードの傘下にもロン・レコードという名前のレーベルがあるが、これは綴りがRonn Recordsとnが二つ重なっている[2]。
概要
ジョー・ラフィーノは、A-1ディストリビューターズで働いて音楽業界での仕事の感覚をつかんだ後[3]、ニューオーリンズのバロン・ストリート630番地に事務所を構え、自身のレーベル、リックとロンの経営に乗り出した[1]。
レーベルは彼の二人の息子の名前から命名している[1]。リックおよびロン・レコードは地元ニューオーリンズのアーティストに特化したリリースを行なった。当初はエドガー・ブランチャードがスタジオの手配を行なった他、初期のリックのセッションの責任者となった[1]。彼はその後ハロルド・バティストと交代している[1]。マック・レベナック(後のドクター・ジョン)がレーベルの社長として迎え入れられたが、実際は彼はソングライティングとプロデュースを担っている[4]。
レーベルのアーティストにはエディ・ボー、ジョニー・アダムズ[5]、レニー・カペロ、アル・ジョンソン、トミー・リッジリー、ジョー・ジョーンズらがいた。ジョーンズは1960年後半に「You Talk Too Much」がBillboard Hot 100の3位を記録し、これはレーベル唯一の大ヒットであった[1]。このレコードはニューヨークを拠点とするルーレット・レコードとの法的問題を引き起こした。というのもジョーンズがこの曲を同レーベルにも以前レコーディングしていたからである[6][7]。
姉妹レーベルのロン・レコードは、リックと同様に地元アーティストのレコードをリリースしたが、所属アーティストにはプロフェッサー・ロングヘア(地元で人気だった「Go To The Mardi Gras」などをリリース[8])、アーマ・トーマス、ボビー・ミッチェル、エディ・ラング(ジャズ・ギタリストのエディ・ラングとは別人)、マーサ・カーターなどがいた。
アーマ・トーマスは、地元ナイトクラブでトミー・リッジリーに見いだされてから一週間もしないうちにデビュー・シングル「(You Can Have My Husband But) Don't Mess With My Man」をロンにレコーディングした[1]。その後、彼女はアメリカの重要な歌手の一人として知られるようになり[9]、2007年にはルイジアナ州の音楽殿堂にも迎え入れられている[10]。
1962年にジョー・ラフィーノが死去したことにより、リックとロンは休眠状態となった[1]。ラフィーノの義弟でワン・ストップ・レコード店主のジョー・アサントがリックとロンのマスターテープを入手し、その後10年間ほどの間にレーベル音源の再発に取り組んでいる[11]。1981年8月、アサントが死去すると、テープは彼の娘ジョエル・アン・マクレガーの手に渡った[11]。レーベル音源の権利はその後ラウンダー・レコードが買収し、ジョニー・アダムズをはじめとするリック、ロン音源のコンピレーションをリリースしている[12]。
アーティスト
リック
- トミー・リッジリー
- ジョニー・アダムズ
- レニー・カペロ
- エディ・ボー
- フレディ・ティーノ・アンド・ザ・トゥイスティング・サイクロンズ
- ジョー・ジョーンズ
- ザ・コロナードス
- マーサ・ネルソン
- ピート・コゴス&ザ・カウンツ
- アル・ジョンソン
- ザ・ゴンドリアズ
- エドガー・ブランチャード
- ザ・ヴェルヴェティアーズ
- ザ・クリンガー・シスターズ
- ヴィック・ワイルダー・ウィズ・エディ・ダーシー・バンド[13]
ロン
- アーマ・トーマス
- ジョニー・アダムズ
- ジョー・ルイス
- マーサ・カーター
- ウォーレン・リー
- ジミー・イースタリング
- ジョー・"ギター"・モリス
- ボビー・ミッチェル
- リー・ティルマン&バディ・スチュワーツ・トップ・ノッチズ
- ザ・パーティー・ボーイズ
- フィル・ケイ
- クリス・ケナー
- アール・ヘインズ
- ジミー・リヴァーズ・コンボ
- ロバート・パーカー
- プロフェッサー・ロングヘア
- ゴールデネアズ
- エディ・ラング
- ポール・マーヴィン
- ジェリー・スター&ザ・エコーズ[14]
関連項目
脚注
- ^ a b c d e f g h John Broven (1978). Rhythm and blues in New Orleans. Gretna, LA: Pelican Publishing Company, Inc.. pp. 170–77. ISBN 0-88289-433-1
- ^ Tom Aswell. “Stan Lewis”. 2026年2月12日閲覧。
- ^ Neil Slaven. “The Instant & Minit Story”. 2011年8月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年2月20日閲覧。
- ^ Mac Rebennack; Jack Rummel (1994). Under a hoodoo moon: The life of Dr. John The Night Tripper. New York, NY: St. Martin's Press. p. 81. ISBN 0-312-13197-6
- ^ Bill Dahl. “Johnny Adams Biography”. Allmusic. 2026年2月12日閲覧。
- ^ “Roulette Buys Jones Master From Ric”. Billboard: 4, 33. (1960-10-10).
- ^ Jason Ankeny. “Joe Jones Biography”. Allmusic. 2011年2月20日閲覧。
- ^ James Nadal. “Professor Longhair Biography”. 2026年2月12日閲覧。
- ^ Melissa Block (2010年8月23日). “Irma Thomas: The Soul Queen Of New Orleans”. NPR. 2026年2月12日閲覧。
- ^ Tom Aswell. “Irma Thomas page at Louisiana Music Hall of Fame”. 2026年2月12日閲覧。
- ^ a b “The Ric and Ron Labels”. The Cosimo Code. Soul Detective. 2023年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月15日閲覧。
- ^ “Come On: The Complete Ric and Ron Singles of New Orleans’ Johnny Adams Are Collected By Ace”. The Second Disc (2015年3月15日). 2026年2月12日閲覧。
- ^ “Rick Records”. Discogs. 2026年2月12日閲覧。
- ^ “Ron (2)”. Discogs. 2026年2月12日閲覧。
- リック・レコードのページへのリンク