MostGraph
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MostGraph(モストグラフ)とはチェスト株式会社の清水芳雄博士らと東北大学の黒澤一教授らが産学連携の共同研究によって開発した呼吸機能測定機器である[1]。
概要
強制オシレーション法により呼吸インピーダンスを測定する[2]。呼吸インピーダンスの実部は呼吸抵抗、虚部は呼吸リアクタンスとなる[3]。抵抗は換気にともなう粘性抵抗の成分であり、リアクタンスは慣性と弾性の和である。本機のオシレーション波はハニング波または雑音波などの広帯域周波数成分を含む波動が採用されており、一般に広域周波オシレーション法と呼ばれる方法の一つになっている。測定結果はオシレーション波周波数が5~35Hzまでの特性曲線が時間経過順に3D立体カラー画像として構成される[4]。測定にあたっては、被験者はマウスピースをくわえて安静換気をするだけでよい。一般的な呼吸機能検査であるスパイロメトリーでは、努力呼吸が必要であるが、それに比べて被験者への負担は少ない。ただし、スパイロメトリーの代用となるものではなく、補完的に使用される検査と位置づけられる[5]。保険適用医療機器[6]。70点の算定だったが、平成24年の保険診療報酬改定で150点となった。平成23年11月5日NHKEテレ「ここが聞きたい!名医にQ」の番組の中の「カラハシ未来研究所」のコーナーで「3Dのグラフで呼吸器の機能をわかりやすく表す装置」としてアナウンサーの唐橋ユミから紹介された。
現在、広域周波オシレーション法は、主に喘息やCOPDにおける病態把握や治療効果判定などにその有用性が期待されている[7]。実際、本機器を多くの医学論文が発表されており[3]、スパイロメトリーとは異なる視点の評価であることが明らかにされている。また、3Dカラーグラフは医師と患者双方に直感でわかりやすく、医師が患者に状況を説明する際の便利なツールとなっている[8]。
東北大学は平成27年度知財功労賞として経済産業大臣表彰を受けたが、数々の発明の代表の1つとしてMostGraphが紹介された[9]。平成21年4月にMostGraph-01、平成28年4月、卓上型のMostGraph-02が発売された[10]。MosrGraph臨床研究会が年に2回開催されている[11]。日本をはじめ合わせて6か国で特許を取得している[12][13]。
参考資料
脚註
- ^ 発明の製品化事例
- ^ 『呼吸』 28: 1083-1088, 2009.
- ^ a b Shirai T, Kurosawa H. (2016). “Clinical Application of the Forced Oscillation Technique”. Internal Medicine 55: 559-566.
- ^ 『呼吸』 29:40-47、2010.
- ^ 日本呼吸器学会肺生理専門委員会 (9). 臨床呼吸機能検査第8版. メディカルレビュー社.
- ^ 保医発第0430003号、平成21年4月30日.
- ^ “喘息・COPDの病態把握に広域周波オシレーション法”. 日経メディカル. 2018年5月19日閲覧。
- ^ 白井敏博 (2013). “モストグラフのカラー3D画像の有用性”. 喘息 26: 2-9.
- ^ https://www.jpo.go.jp/news/koho/tizai_koro/document/h27_tizai_kourou/daijin_2.pdf
- ^ http://www.chest-mi.co.jp/
- ^ “MostGraph”. Chest. 2018年5月19日閲覧。
- ^ INPIT. “J-PlatPat” (日本語). www7.j-platpat.inpit.go.jp. 2018年5月19日閲覧。
- ^ INPIT. “J-PlatPat” (日本語). www7.j-platpat.inpit.go.jp. 2018年5月19日閲覧。
関連項目
- MostGraphのページへのリンク