マルクス主義フェミニズムとは? わかりやすく解説

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マルクス主義フェミニズム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/26 07:34 UTC 版)

マルクス主義フェミニズム(マルクスしゅぎフェミニズム)とは、資本主義(資本制[1])や私有財産において女性がいかに抑圧されているのかを研究し説明することを目的としたフェミニズムの一派である。マルクス主義フェミニズムとは、「マルクス主義者の視点から見たフェミニズム(社会主義婦人解放論)」ではなく、「マルクス主義をフェミニズムで修正したフェミニズム」とされている。そのため、マルクスの資本論など著書には労働者階級の中にいる女性労働者への考えが欠けている点などについては批判している<[2]。マルクス主義フェミニストらは、マルクス主義のこのような点だけでなく、ラディカル・フェミニズムを批判し、リベラル・フェミニズムを強く批判している。そして、近代の女性への抑圧は有罪であり、「(その原因である)資本主義経済を抜本的に改革しない限り、女性は自由を手にすることがない」と主張している。日本では代表的なマルクス主義フェミニストとして、上野千鶴子が知られる[3][4][5]


  1. ^ 上野千鶴子は資本主義は主義ではなく、制度であるために、資本制としている。
  2. ^ 『資本制と家事労働』, p. 69.
  3. ^ 『資本制と家事労働』, p. 80.
  4. ^ 上野千鶴子『家父長制と資本制 : マルクス主義フェミニズムの地平』岩波書店、1990年、13頁。ISBN 400000333X国立国会図書館書誌ID:000002077416https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002077416 
  5. ^ a b 渡部充「上野千鶴子著『家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平』, 岩波書店, 1990年10月, 本文330頁, 2500円」『女性学評論』第5巻、神戸女学院大学、1991年3月、109-117頁、CRID 1390009224311955712doi:10.18878/00002099 
  6. ^ Marx, K. & Engels, F. (1848). [1], The Communist Manifesto.
  7. ^ Marx, K. (1848). [2], A Contribution to the Critique of Political Economy.
  8. ^ Lenin, V. (1917). The State and Revolution: The Marxist Theory of the State & The Tasks of the Proletariat in the Revolution. [3]
  9. ^ Engels, F.(1884).[4], The origin of the family, private property, and the state.
  10. ^ a b c Ferguson, A. & Hennessy, R. (2010). Feminist Perspectives on Class and Work. Stanford Encyclopedia of Philosophy.
  11. ^ a b Vogel, L. (2013). Marxism and the Oppression of Women: Toward a Unitary Theory [5].
  12. ^ a b c d Hartmann, H. (1981) "The Unhappy Marriage of Marxism and Feminism: Towards a More Progressive Union." Feminist Theory Reader. Ed. by Carole Mccann and Seung-kyung Kim. Routledge, 2013. 187-199.
  13. ^ Gilman, C. P. (1898). [6] Women and Economics: A Study of the Economic Relation Between Men and Women as a Factor in Social Evolution.
  14. ^ a b Gardiner, B. (2012). A Life in Writing. Interview with Selma James.
  15. ^ Dalla Costa, M. & James, S. (1972). The Power of Women and the Subversion of the Community[7]
  16. ^ a b Cox, N. & Federici, S. (1975).[8]Counter-Planning from the Kitchen: Wages for Housework a Perspective on Capital and the Left.
  17. ^ Folbre, N. 1994. Who Pays for the Kids? Gender and the Structures of Constraint. [9]
  18. ^ Vishmid, M.(2013). Permanent Reproductive Crisis: An Interview with Silvia Federici [10]
  19. ^ Mitchell, E. (2013) I am a Woman and a Human: A Marxist Feminist Critique of Intersectionality.[11]
  20. ^ The Radical Women Manifesto: Socialist Feminist Theory, Program and Organizational Structure[12], Red Letter Press, 2001, ISBN 0-932323-11-1, pages 2–26.
  21. ^ a b c 『ザ・フェミニズム』,p94、p113 、p132、著:上野千鶴子,小倉千加子 、2002年3月
  22. ^ a b c d 上野千鶴子さん「マスターベーションはセックスの基本のき」”. かがみよかがみ. 2023年2月21日閲覧。
  23. ^ a b 「なぜ不倫をしないのか?」上野千鶴子が指摘する、“理想の結婚”がはらむ矛盾点”. サイゾーウーマン (2016年9月11日). 2023年2月21日閲覧。
  24. ^ a b 上野千鶴子さん「野蛮な靴と思って何が悪い?フェミも多様なの」”. かがみよかがみ. 2023年2月21日閲覧。
  25. ^ a b 「週刊文春」編集部 (2023年2月21日). ““おひとりさまの教祖”上野千鶴子(74)が入籍していた”. 週刊文春 電子版. 2023年2月21日閲覧。
  26. ^ a b 「性に主体的で、独身じゃないとフェミニストを名乗っちゃいけないの?」”. かがみよかがみ. 2023年2月21日閲覧。
  27. ^ 室井佑月 (2022年6月2日). “室井佑月「やっぱりわからない」〈週刊朝日〉”. AERA dot. (アエラドット). 2023年2月21日閲覧。
  28. ^ https://archive.md/oyH9G
  29. ^ a b c 上野千鶴子さんに質問「ベッドの上では男が求める女を演じてしまう」”. かがみよかがみ. 2023年2月21日閲覧。
  30. ^ AV監督、二村ヒトシの名著『すべてはモテるためである』(文庫ぎんが堂)が復刊。上野千鶴子解説と國分功一郎との対談つき!「全男性必読の書なんて、あのウエノチズコが推薦したら、この本、かえって売れなくなるでしょうか。」上野千鶴子公式Twitter






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