Man from the Southとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Man from the Southの意味・解説 

南から来た男

(Man from the South から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 08:48 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
スティーブ・マックイーンとニール・アダムス ヒッチコック劇場「指」(1960年)の一場面。

南から来た男」(みなみからきたおとこ、原題:Man from the South)は、ロアルド・ダールによる短編小説。ダールの短編集『あなたに似た人』(日本版:ハヤカワ文庫田村隆一訳)に収録されている。リゾートで恐怖に遭遇した男を描いている。

あらすじ

「私」は、ジャマイカのプールサイドで小柄な老人と若い男に出会う。老人は若い男に奇妙な賭けを持ちかけた。男の持つライターを10回連続で着火し、一度も失敗しなければ自分の持つ高級車を譲るが、失敗した場合は左手の小指をよこせというのだ。若い男は迷ったすえ賭けに挑戦することを決め、「私」も審判役をこなすことになる。 ホテルの老人の部屋で、彼は肉切り包丁を借りてくるようメイドに頼み、慣れた手付きで若い男の左手を固定する。すぐにでも指を切り落とせる準備が整うと、若い男が着火の挑戦を始める。

8回まで成功したところで、女性が部屋にやってきて老人に詰め寄った。彼女は、老人は今までに47本の指を集め、11台の車を失い、精神病院かどこかに入れられかけたのだという。 彼女の前で生気を失った老人を前に、女はこの男は賭けるものなど何も持っていないが、かつての興奮だけを忘れられないのだと語る。車も彼女のものだというので、「私」が車のキーを渡すと、女性は長い時間をかけて老人からすべてを取り上げたのだと語る。 キーを取った女性の手には、親指ともう一本しか指がなかった。

登場人物

  • 語り手。目前で行われる奇妙な賭けの立会人として巻き込まれる。
  • 若い男
    自分のライターの確実性を自慢し、逡巡したうえで老人の誘いに乗る。
  • 若い女
    男の連れ。その場に居合わせたことから、賭けに立ち会うことになる。
  • 老人
    南米なまりのある男。若い男との勝負にキャデラック(ヒッチコック劇場ではスポーツカー)を賭ける。
  • 老人の妻
    最後に登場し、衝撃の事実を語る。

映像化

アンソロジーのミステリーテレビドラマで複数回ドラマ化されている。いずれも老人を往年の名優が演じる一方で、「私」は省略されている。

評価

  • 1959年度エミー賞ノミネート(上記ヒッチコック劇場版)。
  • ミステリ小説オールタイム・ベスト 短編部門第1位(『ミステリ・マガジン』2007年3月号)
  • また、都筑道夫も自身が選ぶ「奇妙な味」の短編ベスト5の一本に挙げている。

参考文献

  • ロアルド・ダール『あなたに似た人』(ハヤカワ文庫)



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Man from the Southのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Man from the Southのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの南から来た男 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS